絵本探求ゼミ4期第二回振り返り
チーム1🍄はいほ~ めぐさん
選んだ絵本は「じぶんだけのいろ」
レオ・レオニ作
谷川俊太郎訳 好学社
初版1976年「A color of his own」
あらすじは、動物たちは自分の色を持っていますが、周りに合わせて色を変えるカメレオンには自分の色がありません。
どうして他の動物のように自分だけの色がないの?と悩むカメレオン
そこで彼は同じ場所に居続けたら自分だけの色を持てるのではないかと思いつき葉っぱの上で暮らしますが、季節と共に葉っぱの色も変わっていき、自分だけの色がもてません。
ある時、もう一匹のカメレオンと出会い、二人なら周りがどんなに変わっても一緒にいられると、ずっと仲良く暮らしていくお話です。
レオ・レオニは幼い頃、欧州を転々として育ち、米国に渡り絵本作家、芸術家として成功してからも米国とイタリアを行き来する生活を送ったそうです。
「自分探し」が彼のテーマのひとつになっていました。
「じぶんだけのいろ」のカメレオンは変化することを恐れ、変わらない何かを探します。
考え方、物の見方ひとつで人生は変えられる。多様性があって良いのにと思わされます。
また自分の気持ちを分かってくれる存在がいる喜びと大切さが伝わってきます。
一般的に日本人は協調性を大事にするところがあります。
極端になると、周りに合わせ自分を出しません。
その方が楽だし、目立つと意見されることもあります。まさに出る杭は打たれる。
そんな場面を目にしたこともあります。
色々な個性や特性、価値観は違って当たり前。それを認め合えれば良いのに。
今回調べているうちにYou Tubeで
深層心理トレーナーの柴崎寿隆さん
(しばしばチャンネル)しば爺が
「じぶんだけのいろ」の絵本を紹介しているのに出会いました。
以下引用
社会に出ると社会で通用する顔(色)がある。
それでいる方が安心安全
そして家庭での自分の顔もまた自分
色々な面を持っていることが自分なんだと話されていました。
心理学用語でユングの概念
ペルソナの定義を思い出しました。
人間の外的側面 内側に潜む自分
この絵本を訳した谷川俊太郎さんは
詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家と多彩で活動は多岐に渡っています。
エッセイスト内田也哉子さんとの対談で
谷川さんは、年を取ると子どもに返ると言われる。自分もそうなってきていて、子どもの言葉が人生の一番大事なところに触れられるような気がする。
翻訳は人が楽しめる日本語にしないといけないのが大きい。と話されています。
「じぶんだけのいろ」の翻訳では
He told his sad storyを
彼は悲しい身の上話をした。
striped like tigersを
虎そっくりの縞模様
red with white polka dots.
And they lived happily ever after.を
赤に白の水玉もよう
そして彼らはその後ずっと幸せに暮ら しました。めでたし めでたし
最後のめでたし めでたしで、良かったと安堵する気持ちになれます。
谷川俊太郎さんの翻訳は言葉の意味を生かしたリズミカルな言葉使いで心地よく感じました。
改めて、谷川俊太郎さんが翻訳した絵本を手に取り、原作と読み比べてみたいと思わされました。