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【詩】霧

ついにそのときは来た

有か無か

じっと見据えるその先に

かすかに浮かんだ一瞬を

逃さない

敵か味方か

ひるむな

進め



この深い霧の中を

息をころしていた

あわよくば

その場から

無き者として

逃げだすときを

じっと待っていたのだ

戻れ



ためらう隙に

灰色の空は開けた

誰からも

守られることない

その場所に

ひとり残された

前か後ろか

右か左か



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