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大国(笑)に学ぶ「給料返せ」の大悪手
中国がいつにも増してドン引きです
0:46 中国の銀行が、一旦従業員に払ったボーナスや給料を、「後から返せ」と要求し、実際に回収している。
2:35 払った給料を後から回収するのは中国では合法
3:20 会社を辞めた後でも回収される
6:16 中国の規則は解釈次第でどうにでもなる。結果、正当な給料・ボーナスですら、延期・後で返せといわれるリスクになる
8:09 ある銀行では、ボーナスを4415人から回収。金額4329万元
妙佛 DEEP MAX
7:13 ある銀行では、昨年12月分の給料を2月初めに延期し、3割から6割に減給され、今年の業績給も3割カットと通告されたらしい
8:28 もはや借金と一緒じゃない!給料なのに!
10:04 しかも街金じゃなく名の通った銀行がやらざるを得ない
ゆっくり防衛チャンネル
信用ってご存知?
まず減給・遅配が引き起こすであろう問題(銀行)
内部
従業員が組織を見限る
残った従業員も組織への忠誠・稼ぐ気を放棄
いい加減な仕事・裏切りの誘発
外部
銀行が苦しいという情報が外に漏れる(しかも現代は伝わるのが速い)
他の銀行からの信用を失い、銀行から借り辛い・高い金利を要求される
預金者の引き出しが増える(ひどい場合は取り付け騒ぎ)
資金確保のために損を承知で債券などを売るはめに
得られるはずの利益を失う
そこまでいかなくても、資金確保のために預金者より高金利の相手から借りるはめになる
引き出しに備えて投資などに使える金を減らす
これらによってますます儲けが減り、さらに減給遅配という悪循環
ただでさえあの国では金持ちや銀行への強烈な不信があるのに、さらに信用を失ってどうするのかと。
それとも「信用なんざ端からないから今更知るか」と開き直っているのか。
なぜわざわざ一番腹立つやり方をするのか
そして「既に払った給料返せ」の場合、上述の問題に加えて
単純にものすごく嫌
もちろん減給なども嫌だが、いったん手に渡ったうえで
「返す」という動作を
「自らする」ことを
「強制される」。おそらくこちらの方がはるかに腹立たしい
まして汗水たらして・理不尽に耐えて稼いだお金を後から「返せ」といわれたら、どれほどの怒りを覚えるか
既に使った・緊急の支払いがある 等の場合、街金などから借りる必要も発生しうる。そうなれば金利の負担が別途発生、さらに火に油
いつ返せと言われるかわからない(しかも辞めても逃れられない)
常に不安→金を使えない→不動産がまた下がる
不動産業者がさらに苦しくなる→業者に貸している銀行も同様
銀行が担保に抑えている不動産も下がる→担保割れ
踏み倒しも増える。懐具合は勿論、感情的にも返す気が失せる
給料返還を拒絶する人もいるはずだし、すべて回収できるわけがない
その回収のためにまた人員・給料を割く。そのせいでまた利益が以下略
・・・何がしたいんだ・・・。
せめて実質の払いを減らすか、わかり辛い形で奪うならまだしも(全然よくないが)、「払った後で返せ」は、これ以上なく反感を買う形だと思います。
そもそも給料回収が損失補填に足りるのか?
こんな手段を取らざるを得ない時点で、1つの銀行の負債は何十億元だか何百億元だかわかったものじゃない。
一つ目の動画の8:07では、ある銀行は4329万元(1元約20円→9億円弱)回収と書いてあるようですが、それで損を相殺できるのか?
給料込みならもっと多いかもしれないが、たまりにたまった損害にはまるで届かないのではないでしょうか。
もちろん中長期で見れば上述の問題がのしかかってくるわけですが、
長期以前に 短期ですら解決になってないのでは??
結論・教訓
給料返せはあらゆる方向から見て最低の選択
日本はちゃんと給料払いましょう。恩返しのため・牙をむかれないために
銀行が危なくなったら政府が手を貸すべき、というより貸さざるをえないでしょう。責任感欠如にならない範囲で。
あの国と違い、変動相場・インフレ率など通貨発行の制限が少ないのだから
お読みくださりありがとうございました。