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ラノベはお好き?〜『昨日の僕が僕を殺す』の感想〜

先日読んだ『昨日の僕が〜』面白かったので感想とラノベについてのあれやこれやををつらつら書きます。


内容

北海道、小樽。ロシア系クオーターの男子高校生、淡井ルカは、
叔母を弔うため、彼女の愛したベーカリーを訪れる。
そこで出会ったのは、イケメン店長の汐見と人懐っこい青年、榊。
直後、級友に肝試しで廃屋に呼び出されたルカは、
化け物じみた老婦人から、死んだ娘の婿になれと迫られる。
絶体絶命の中、榊に救われたルカだが、
彼と汐見には驚くべき秘密が……。
孤独な少年と、人に溶け込むあやかし達の、
パンと絆のホラーミステリ!

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ラノベは苦手

説明するまでもなくラノベ=ライトノベルのことです。Wikiで定義を調べると、明確な基準は確立されていないけど「ライトノベルを発行しているレーベルから出ている」「出版社がその旨を宣言した作品である」「マンガ、萌え絵のイラストレーション、挿絵を多用している……云々といったことが書かれています。

アニメに抵抗感は少ないものの、小説に萌え絵が描かれていることや転生して無双しちゃうみたいな量産型なストーリーのイメージがあって敬遠していました。

でも、10年ほど前に話は気になっていたものの手に取った『GOSIK』が面白くてラノベって普通の小説とそんなに変わらないのでは?と思うようになりました。

『櫻子さん』を読む頃にはずいぶんラノベへのイメージは良くなっていたけど、『昨日の僕が僕を殺す』っていうタイトルが意味わからないしあらすじに「あやかし」って書いてあってこれは読まないなと思いました。

江戸時代くらいさかのぼると「あやかし」が出てきてもなんとか話はまとまるけど、現代だと話の持ってきかたを間違うとすごく陳腐になったり幼稚になってしまうからね。

そんなこんなだったけど、櫻子さんの巻末に今まで正太郎くんと櫻子さんが訪れた場所を地図とともに紹介する別刷があって、小樽の位置に「ロシアのパンが置いてあるお店があるみたい…」と正太郎くんがさりげなく宣伝してました。

え?小樽が舞台なの!?今年の7月に行くよ〜!
タイトルばかりが目に付いて舞台となる地名まで見てなかったな。小樽は港町で外国との往来もあったから「あやかし」が出ても変にならなそうだしね。(単純だな)

ガイドブック以上に役に立つ

読んでみたらやっぱり良かった。
太田紫織さんは、舞台となる土地のことをきちんと調べて書いているのでガイドブック以上に役に立ちます。旅行に行くと買い物か食かに集中しがちだけど、その土地の歴史や文化にスポット当てるのって良いな。観光がさらに楽しくなりそう。

あとはちょいちょい主人公・ルカのルーツであるロシアのことも出てくるのが面白い。ロシア料理はボルシチとピロシキぐらいしか知らなかったけど、他にもたくさんあるんですね。(当たり前)
サワークリーム効かせるのもさっぱりしておいしそうだし。

ジャケットデザインは大事

桜庭一樹さんのゴシックでラノベって面白いなって思ってアレルギーは抜けたけどそれだってアニメの絵からシルエットのデザインになったから手に取ったのが始まりです。

30代前半くらいまでであればラノベの表紙に抵抗がないのかもしれないけど、アラフォーの私にはやっぱり萌え絵って難しいな。とりあえず、表紙のブンちゃん(わんこ)は私のイメージではないよ。もっと天真爛漫で人懐っこいイメージなんだけど。ルカのコートの色も納得いかない。

いっそのことルカもブンちゃんも出さないで小樽の街並みとかにしませんか?

マンガであれば絵もセットで読んでいるから良いんだけど、小説になると自分で想像したいんだよ!っていうのがあるのかも。『下鴨アンティーク』は物語に沿った着物の柄をジャケットにしてて素敵だったな。

まとめ

ラノベは面白いと思いつつ、やっぱりあの絵が嫌なんだよなーと思います。あと物語と関係なく巨乳が出てくるところとか。今のままの方が売れるのかな?もし『昨日の僕が〜』の大人バージョンのジャケットで出版するなら、読者アンケートとかで募集してほしいな。

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