口伝はカッコよくて便利
人に説明するって難しい。
僕は自分ではなんとなくわかっている事を言葉で伝えることが苦手。
これはきちんと理解できていないということだろうか。
それとも、教えてあげようという気持ちが足りないのだろうか。
職場に新人職員が来る。
シフト制なので 同じ人間がつきっきりで指導することが出来ない。
すると、色々な人から同じ事柄について重複して説明を受けることになる。
そうなると 人によって言う事が違ってくる。
これでは新人職員は混乱してしまう。
誰の言っている事が正しいのかわからず 結局は我流となり、次の新人職員へ説明する時に また言っている事が食い違うという負の連鎖が始まる。
同じ事柄なのに人によって説明が食い違うのはなぜか。
それは、理解の度合いが人によって違うことや説明に慣れていないなどの理由が考えられる。
うん。めんどうくさい問題だ。
解決できる気がしない。
勝手に覚えてくれよと思う反面、人によって言われることが違うというのは困るだろうなとも思う。派閥とかあると余計に困るよね。
同じ仕事をしていても その業務をしている理由が人によって食い違っている事も多い。
あーもう本当にめんどうくさい。
何が悪い?
きちんとした体系的なマニュアルがないからいけないのだ。
よーし。
ではマニュアルを作ろうではないか。
あーっと えーっと うーん。
無理だ。
全部をいちから事細かに網羅しようとすると膨大な量の資料となってしまう。
そんなモン新人職員が目を通しても理解できるわけがない。必要箇所を探すだけで日が暮れるぞ。
僕が新人なら読んでいないけれど、笑顔で読みましたというだろう。(そして怒られる)
そう考えると伝わりに差は出るものの、口伝というのはかなり優秀だ。
結果的に、仕事が上手に回っていればそれでいいじゃないか。
そう思えてきた。
必死に膨大なマニュアルを作成しても誰も見ない。
しかも、変更点は誰が訂正するの?
誰が定期的に見直すの?
マニュアル改定についてのマニュアルを作るの?
バカなの?
口伝でいいや。
なんだかカッコいいし。
一子相伝は口伝と相場が決まっている。
飛天御剣流、北斗神拳しかり。
会社だから一子相伝ではないけれど、口伝で語り継いでいこう。
うん。
だってマニュアル作るのめんどうくさいもの。
全員が生き字引になれば なんの問題もない。
インターネットが普及した現代では絶滅危惧種の生き字引。
でもカッコいいよね。
僕も生き字引と呼ばれてみたい。
何も調べずに何でも答えられる人になる。
そう、僕自身がマニュアルさ。
さて、覚えるのはまぁさほど難しいことではない。
仕事で覚えることなんて たかが知れている。
問題は伝え方だ。
僕がいくら情報をたくさん持っていても、伝え方が悪いと宝の持ち腐れ。
いちから全部説明すると覚えられない。
はしょって説明すると、全体像を理解できない。
エピソードを交えて説明しようにもすべての事象にエピソードがあるわけでもない。
あー 口伝やめようかな。
世の中うまくいかないな。
口伝&マニュアルが最強か。
まぁ薄々は気が付いていた。
でも、一旦落ち着いて。
いつから最強を目指していた?
ある程度伝わればいいじゃないか。
後は、経験の中で培っていくもんでしょ。
さぁあなたは新人職員です。
膨大なマニュアルを渡されて読むか。
諸先輩方からの口伝のみでやっていくか。
ふたつにひとつ!
マニュアルなら読むのは大変だけど、いざ自分が先輩になった時には らくちんだ。
口伝ならマニュアルを読まなくていいから気楽だが、人によって理解度の差が激しく 自分も後輩に口伝していく必要がある。
うーん。
どっちもどっちだね。
では視点を変えて、情報管理としてはどうだろう。
マニュアルと口伝ではどちらのセキュリティが高いだろうか。
マニュアルは洩れる時は全部漏れる。
口伝は情報漏洩を防ぐことは不可能だが、漏れる情報は断片的で不確か。
うーん。
どっちもどっちだね。
結論
口伝!
え?
めんどうくさいだけだろって?
そう、めんどうくさいは何よりも優先されるべき感情なのだ。
めんどうくさい事はしたくない。
楽しいことと めんどうくさいことの2択で、めんどうくさいことを選ぶ人はいるだろうか。
絶対にいない。断言できる。
これが人間の真理。
さ、明日も口頭で伝承していこう。
え?
口伝とかえらそうなことを言うんだったら音声で投稿しろって?
ハハハハ。
ではまた。