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痛みの不可解な生態 痛み=サンタ説
痛み。
それは人体にとって必要不可欠な機能だ。
「あぶなーい!」
って知らせてくれてるんだよね。
ありがとう。
でもね。
一回痛いと教えてもらったらもう大丈夫だよ。
引き際を覚えてほしいな。
今日激しく指を挟んだ。
「いった!」
と つい大きな声がでるぐらいに。
しかも外で。
痛みと恥ずかしさで無意識に舌打ちしてしまった。
紳士にはあるまじき行為だが 理不尽な痛みの前では紳士の矜持などあってないようなもの。
痛みが僕に「旦那、いま指を挟みましたぜ 確認よろしく」と教えてくれる。
すぐに指を見る僕。
良かった出血はしていない。
でも血豆になっていた。
触るとジンジンする。
痛い。
薬指の先に産まれた血豆くん。
「しばらく指先にやっかいになるよ。しばらく痛むけど俺のせいじゃないからな」
と当たり前のようにそこに居座る。
触ると痛い。
ねぇ痛み君。
もう痛む必要ないよね。
挟んだのはわかったし 血豆が出来たのも見たよ。
いつまで痛むつもりなんだい?
なにか伝え足りないのかい?
そういうところだよ。
君がみんなから嫌われるのは。
何事にも引き際というものがあってだな。
いつまでも居座るのは失礼というもんだ。
だから早く帰りなさい。
そもそも知覚した時点で痛みを消す方法を いい加減進化の過程で習得しなさいよ。
まったく遺伝子のマイペースぶりには困ったもんだ。
一日一緒に過ごした血豆くん。
全然 愛着はわかない。
そのくせふとした時に存在を主張してくる。
君は内出血とは何が違うの?
という無意味な問いが脳裏をよぎる。
しかも豆ってゆうよりは種ぐらいの大きさだ。
血種くんやん。
なんでもいいけれど、はやく体内に吸収されてね。
ほんと痛みというのは不可解な機能だ。
必要だけどすぐに消えてほしい。
まるでサンタさんみたいだ。
プレゼントは欲しいけれど サンタ本体はすぐに帰って欲しい。
一緒やん。
痛みもサンタだと思えば少しは寛容になれるかもしれない。
「ハッピーブラッドビーンズ!ホーッホッホッホーゥ」
しばらくは血豆くんと同棲生活を満喫しよう。
最後はポロッととれるのか体内に吸収されるのか。
少し楽しみだ。
ではまた。