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安全圏にいるからですよね

「その痛み代わってあげたい」


まさかあなたはこんな無責任な言葉を言い放った事はないよね。

もしも言ってしまった事があるのなら。

猛烈に反省して欲しい。


ちなみに僕はある。

どんなシチュエーションで発言したのかは 恥ずかしくてとても書けないが言ってしまったのだ。

イキっていたのかアホだったのか自分に酔っていたのか はたまたこれら全てか。

とにかく僕はカッコよく言い放った。

「その痛み代わってあげたい」

と。


ここだ。

タイムマシンを使うなら。

過去の僕をぶん殴ってでも止める。

宇宙の法則を歪めようとも僕は実行する。


だれか今の僕の羞恥心を代わってもらえませんかね。

まぁそんなことはどうでもいい。

とにかく僕はやってしまった。

「絶対にそんな事できないとわかっているのに優しいフリをする最低な行為」

を。

言われた相手は困っただろうね。

「は?できるもんならやってみろよ。こっちの気も知らないで」と。

そうここに問題がある。

出来ない事をいって自分だけ浮かれていい気持ちになり 痛みを感じている相手は置いてけぼりだ。

こんな自分勝手な行為が許されるのか。

それで相手が「あぁこの人は自分の事を考えてくれている」と思うと本気で考えているのか?

安全圏からならどうとでも言える。


もし本当に痛みを代わる事が出来たなら きっと躊躇するはずだ。

こんなセリフが出るぐらいなら 相手は相当な痛い思いをしているはず。

さぁ今一度自分の心に問うてみよ。

その痛み本当に肩代わりしてもいいのか。

これは相当な覚悟が要求される。

人間は痛みを避けるようにプログラムされているのだから。

そんなDNAに逆らうような「その痛み代わってあげたい」を軽々しく口にしてはいけない。

自分が安全圏にいるからと好き勝手に言うことは僕が許さん。



え?
匿名で安全圏からエッセイ書いているヤツが何を言っているのかって?

ムムム。

何も言い返せない。

謝るしかないのか?


いや 負けるな 何か反論しろ。

知恵を振り絞れ!



あーやっぱこの話はなしっていうのはダメ?

ダメだよね。


んーじゃ少し方向性を変えて。

痛みを他者に正確に伝える方法が欲しいよね。

って話をしよう。

そうしようそうしよう。


誰でも経験があるだろう。

「この痛みは他人だったらきっと耐えられないだろうな」

という主観全開のこの気持ち。

僕はよくある。

この痛みなら普通は仕事休んでいるだろうなとか。

今 冷静に文字で見るとアホやなとは思うけれど。

しかし その痛みを相手に正確に伝える方法がないので ウソとはいえない。

もし「痛み検知器」のような機器があれば。

学校を休む時や仕事を休む時にはその数値を基準にするだろう。

全国の仮病小学生が血の涙を流す発明にはなってしまうが。


今なら体温や血圧といった個人差のある指標しかない。

でもこの痛みの数値化が実装されたなら。

「あーレベル5の痛みなら代わってあげてもいいよ」

と現実的な交渉に入る事ができる。

まぁ痛みを他者に譲渡するという別技術の開発も必要だけれどね。



え?
ここまでの流れで「匿名で安全圏からエッセイ書いているヤツ」の言い訳にはなってない?

うーん。

誰か今の僕の心の痛みを数値化して変わって欲しい。

あ、いや やめておこう。

僕のこの痛みを譲渡してしまったら あなたはきっと立ち上がれないだろう。

フフフ。

僕の痛みというのはそれほど強力なのさ。

僕に触ると怪我するぜッ!


ではまた。






次回予告(ウソ)
「その痛み変わってあげたいと言われたことがないコトに気が付き心がザワつく」
の巻き。

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