ずっと変わらず好きな事
子どもの頃から変わらずに好きな事って何があるだろう。
ひとつ目は、絵を描くこと。
中学生の時に選択の授業で初めて描いた油絵。こんなに思い通りに描けない絵の具にわくわくした。油絵具のセットはとても高くて、親に買ってもらえないと諦めながらもやってみたいことを伝えたら、思いがけず「いいよ」という返事が来た。
友達と一緒に描く風景、人物画。どれも、ものすごく楽しかった。選択の授業は終わってしまっても自宅の自分の部屋でコツコツ描いていたが、部屋が油臭くなり途中でやめてしまった。
油絵はもう描くことがないかもしれないけれど、最初のワクワクをくれたことは絶対に忘れない。
今は、美術館で作品を鑑賞することが最大の楽しみだ。
最近は、100円ショップで絵具セットを購入したので気ままに色遊びすることがとても楽しい。絵を描く楽しさを改めて感じる瞬間だ。絵を描く事は自分と向き合う事だと思う。その時の自分の状況を反芻している気がするのだ。
描き終わると、とてもスッキリする。リラックス効果もある。自分の好きなように描ける世界は私にとって必要なものだ。
ふたつ目は、読書。
漫画でも本でもなんでも読む。これは、母親からの影響だと思う。子供時代は本を買ってもらえる環境ではなかったけれど、近くの図書館に通い、好きな本を借りて読む。私の家ではそういうことが日常的であった。
図書館には沢山の本があって、その当時は借りられる本の数は決まっていたので借りられる限界まで借りてふらふら運転しながら自転車で帰った思い出がある。寺村輝夫/作 ぼくは王様シリーズが好きで、全巻読んだ。
本との出会いは突然で、読むと自分に吸収される。時が経つと忘れてしまうと思うのだけれど、ふとしたときに思い出す。その懐かしさは、夏の暑い時に汗をかきながら読んだ事や蒸した外の空気までも併せて思い出す。
途中、仕事が忙しくて本が読めるほどの余裕がなくなってしまった時もあった。小説が読めなくなってしまったり、エッセイだけしか読めないときもあった。心が欲している文章はその時々にちがっていた。今日はハンバーグを食べたい気分というのに似ているような気がする。
自分勝手に読み、作者の書くシリーズモノにハマって感動する。こんな風に文章が書けるなんてすごい。小説の構成や語彙、色んなことに気づきを得て大人になった。今も沢山の発見がある。時に自分を励まして、寄り添ってくれる優しい本が好きだ。これからも毎日少しずつ本を読んでいきたい。
みっつ目は、片づけをする事。
小学1年生の頃、学校のプリントを家に持ち帰ることを忘れたり、宿題を学校に置きっぱなしにしたり、色々やらかしていた。
そんなある日、自分の机のお道具箱を見て愕然とした。「汚い」と思った。ぎゅうぎゅうに奥まで押し込められたプリント類、とにかくすべてがぐちゃぐちゃだった。人生の中で初めて自分で気が付いた出来事だったように思う。
このままではいけない。小学校1年生の私は手始めにお道具箱の中身を整理する。綺麗になると気持ちがいい。それから自宅の自分の机の中身をすべて出して、整理整頓して拭いて戻すという作業ができるようになっていった。
綺麗にすることが良いことだと分かったら、試験前に掃除を始めてしまうようなこともしてしまう。これは、ただ単に試験勉強に集中できない言い訳かもしれない…。図書館で片付けの本も借りて読み漁り、片づけのメソッドを手に入れた。
片付けに絶対はない。違う見方をしたときに一気に使いやすくなる盲点がある。それを見つけ出したときがとても楽しい。そして、ものを大事にできるようになったと思う。これからも試行錯誤して片付けを楽しみたい。
3つ子どもの頃から好きな事をあげてみた。共通することはそれが自分にハマって、自分が成長しながら一緒に伴走してくれる様な存在だということ。一時離れてしまってもまた戻ってくる。好きな事は離れない。
好きな事を離さないで、大切にできる自分でありつづけたいと思う。
そして、これから出会うであろう好きになる事にとてもワクワクした気持ちでいる。
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