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6. 過剰な仕事の倒し方2つ/渡り介護士の見る景色
過剰な仕事量に対して先輩介護士がどうしているか、観察していると2通りの事情があるのがわかった。
ひとつは「勤務時間内に仕事が終わっている。」もうひとつは「出来ない分はサービス残業している。」からの様だ。
「勤務時間内に仕事が終わっている。」
これは〝効率派〟要素の強い介護士に多いのだが、20分かかる就寝介助を、例えば15分で終わらせて全体の仕事を早く終わらせている。
普段やるべき段取りの中で、削れるところは削って要領よく終わらせている場合と、やってもやらなくても結果があまり変わらない段取りを、やらずに終わらせている場合がある。
つまり良くも悪くも自己判断で段取りを減らして時間削減している様である。
〝スピード型〟は、まずこれを何より重視していて、減らしすぎて雑になりがち。後から何個か問題が起きてフォローをする事になったりする。
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「出来ない分はサービス残業している。」
これは〝人情派〟要素の強い介護士に多い行動で、段取りをしっかりこなし、利用者のペースで作業を進めるなど効率や要領みたいな物をあまり意識していない。
仕事が段取りの時間に終わらなくてもしょうがない、介護は人対人だからその日の様子によって違う、仕事が全て終わったら今日の勤務が終わりだと考えている様である。
だからひと通りの就寝介助が終わった後に勤務時間が終わっても延々と記録を書いていることもよく見られる。
ちなみに〝人情派〟の人達は仕事が終わっても仲間とおしゃべりをして、いつまでも職場に残っていたり、勤務開始時間よりずいぶん早く出勤して来て、おしゃべりしながら仕事を開始したりしているイメージがある。
〝人情派〟からはプライベートと仕事の区別をつけようという感じを〝効率派〟よりもあまり感じられない。
逆に〝効率派〟はプライベートが大切な様で、勤務時間終了後に最低限の用事を済ませ、そそくさと帰っていくのである。
この過剰な仕事量に対して、この〝効率派〟と〝人情派〟の仕事に対する取り組み方の違い、これが各介護士に「私のやり方は…」と言わせているのではないだろうか。