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クマのあたりまえ[本]

来週は、如月になります。
立春が過ぎると、バレンタインデイなので、街のあちこちで早くも、いろんなチョコレートが店頭に出ています。
最近は、身近な人や自分にチョコをプレゼントするのが、増えているとか。
私も先日、トリュフチョコレートを買いました。美味しいスイーツを食べて、自分に優しく、労るのも良いかなぁと思います。

さて今日は、私の推し本を紹介したいと
思います。

クマのあたりまえ
魚住直子 作[2017年発行 ポプラ社]
             文庫本
不器用で、けなげで、一生懸命生きている動物たちを主人公に、[生きる]ことを描いている9つの物語。
優しい文章と、あたたかい目線で、
そっと寄り添い、心にフワッと風が通るような作品集です。

魚住直子さんは、児童文学の作家さんですが、私は、この本を書店の一般書[大人向け]の棚で見つけました。
さしずめ大人向けの、童話集かなと
思います。もちろん、こどもが読んでも
楽しめる内容です。

目次
たいそう 立派なリス
べっぴんさん
ショートカット
アメンボリース
朝の花火
聞いてくれますか
そらの青は
光る地平線
クマのあたりまえ

お話に出てくる動物たちは、リス、クマ、チドリ、サル、ヘビ、蝶、魚、ライオンなどです。あ、もちろん人間も。

私が読んで、特に心に響いたお話の、
感想をお伝えします。

[たいそう立派なリス]
主人公のリスは、ラジオでたいそう立派なリスの、ラジオ電話相談室の放送を聴きます。その放送で、
君よりつらいリスは、たくさんいるんだよ。でも、みんないっしょうけんめいに
がんばっている。実は、君は幸せなんじゃないかな。
と、[辛くて、たまらない。どうしたらいいですか]の相談に、たいそう立派なリスは、答えます。

放送を聴いたリスが、自分よりつらいリスがいたら、僕は、一緒につらくなる。
幸せなリスがいたら、幸せな気分になると、思うのです。 その後、両隣さんのリスたちとベランダに落ちていたクルミで、ケーキを焼くのですが、さて?この続きは、お楽しみ。 幸せはシェアしたら、もっと楽しいよね、と感じるお話。

[べっぴんさん]
べっぴんさんのチドリが、不格好な
チドリと出会い、プロポーズされます。さあ、べっぴんさんのチドリは、どうするでしょうか?
自分で、べっぴんさんだと自覚している、チドリは、実はひとりぼっちです。
こわがり?なのかなと思いました。

[聞いてくれますか]
孫もいる、人間の女性が主人公です。
今は、子どもたちは独立して、一人暮らしです。他界した、ダンナ様がアゲハ蝶になり、自宅の庭に訪れるシーンから、
お話は始まります。
最後に、孫のちりちゃんが訪れて、
おばあちゃんに伝えます。
どんな言葉?かな。
年老いて、寂しい女性に、ふわりとした光が降りてくるお話です。

[クマのあたりまえ]
子グマは、森で灰色の、おおきな石と出会います。そして、質問します。
どうやったら、石になれるかな?
石は、答えます。
石は、じっとしているのだ。
動かないし、歌わないのだ。
誰にも、会いたくないのだ。と。

子グマは、石のマネをしていましたが、
疲れて、最後は、涙がポロポロ出てきます。 子グマのお兄ちゃんクマが、
心配して、子グマを迎えに来ました。
さあ、帰ろうぜ、とお兄ちゃんグマは、
言います。 

子グマは、最後に石に伝えます。
死んでるみたいに
生きるんだったら、意味がないと
思ったんだ。
さよなら。
石は、二度と話しませんでした。

子グマは、あるキッカケがあり、
死なないようになりたい、と思い、
石なら枯れないし、倒れないと考えたのです。

人間も動物です。喜怒哀楽があり、身体は、年をとれば、弱っていく。病気もする。 だけど、話して、歌って、寝て、
美味しいものを食べて、泣いて、笑って、好きな人に、ホッとする人に会えたら、そばにいれたら、それで幸せなんじないか。
この本を読んで、そう強く感じました。

ちなみに巳年の、今年にピッタリのお話が[朝の花火]で、ヘビが主人公です。

装丁と、挿し絵もシンプルでとても可愛いかったので、私のお気に入りの1冊となりました。

では、最後に 同じように動物たちが出てくる映画[すみっコぐらし]のテーマソングを。
優しいメロディと、深い歌詞の世界観に
癒されます。


いろいろと下手くそな 僕は
この道しか 歩いてこられなかった
出来るだけ 転ばないように
そして 君に出会えた 

どうして わかるの
同じだったから
そうしたいと 思うのは
そうしてもらったから

変われないのに 変わりたいまま
だから 苦しくて

流れ星ひとつ 気づけなくても
君を見つけて
見つけてもらった 僕は

僕で 良かった
🎵Small world [BUMPOFCHICKEN] 


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