■外国言語の難しさ
新型コロナウイルス感染対策が緩和されて、街中でも外国人の方をたくさん見かけるようになりました。昔に比べると、外国人の方が住んでいる人も増えていますし、コロナ感染対策緩和だけではない気もしています。
そんな外国人たちですが、ある問題を抱えていると言われています。日本語はアメリカ国務省も認めるように、英語を母国語とする人が最も習得が難しい言語ということです。何しろ、日本語はひらがな・かたかな・漢字。そして漢字は訓読み音読みを始め、場に応じた読み方や意味理解を求められるのですから、それは難解な言語と言わざるを得ないでしょう。そして、ガラパゴス化した言語を操る日本人にとっても、英語を理解することは難しいことです。双方が、難しい言語だと思っているということですね。
私は自慢ではありませんが、英語を医学部合格するための唯一の武器にしていたぐらいです。そのため、少なくとも日常診療で診療する分には、もちろん相手が配慮してくれているのもありますが、何とかこなすことは少なくともできていると思っています。ですから、外国人の方が受診されると、「English OK?」と確認し、診療を始めるようにしています。しかし、ときに日系の方など日本語が堪能な方に、「English OK?」と聞いて「Japanese only」と言われ、恥をかいてしまうこともあります。また、「English OK?」と聞いて、「NO」と言われ、スペイン語やフランス語など別の言語を話される方が受診される場合は、翻訳アプリを使用するなどして、物おじせずに診療しています。ただ診療をしていて感じるのは、英語圏からきている外国人の方は、「医師は英語が話せて当然」と思っている節があるということです。
■英語バーでの出来事
さて長々と前置きしてしまいましたが、街中で外国人の方と話すのは難しいものです。私がいくら英語が話せると言っても、診療室と街中では勝手が違いますし、相手が話を聞いてくれようとしている真剣度にも違いがあるので、余計に難しいと感じています。
先日、友人と日本語禁止の英語バーに行ったところ、友人はファーストドリンクを何にするのか?と聞かれ、私にもはっきりと聞こえるように「ウォーター」と言ったのですが、待てど暮らせど、水が出てくることはありません。不思議に思い、その後、店員とやり取りしていると、「何も飲み物はいらない」と言う風に伝わったということが判明。結局30分ほど放置されてしまいました。
私はというと、「Apple juice」を頼んだはずなのに、オレンジやらレモンがグラスに突き刺さったカクテルにストロー2本を刺した状態で持ってこられました。
海外のジョークなのでしょうか? 私には判断ができませんし、私の言葉が伝わっていなかったとも思えません。ただ近くに居合わせた外国人のカップルが、腹を抱えて手を叩き、我々を指さし笑い転げていたのを覚えています。
■トラウマになってしまった英語
「water」の発音は難しいものです。おかげで友人はすっかり、トラウマレベルで英会話の自信を無くしてしまいました。
日本人だったら聞き取れなかったら、わかるまで聞いてくれるのになぁ。と思ってしまいますが、そんな風に考えるのは日本人固有なのでしょうか。お国柄というのもあるのかもしれません。
それと私も、先日のバーで笑われたことによって、英語がトラウマレベルになったのか、診療の場ではジェスチャー交えて大声で話すのに、一歩診察室を出ると、アウェー感丸出しでド緊張をするようになってしまい、「えぇぇえぇエ・ク・ス・キューズ・ミー」なんて言ってしまう。
医師の出会いと別れ。医師と患者さんとも出会いは1回で終わりかもしれません。
そう思えば外国言語の方と必死でコミュニケーションとろうとしているからこそ余計にうまくいっているのかもしれません。
ただ、妻と4人の子どもたちには、こんな感じだから英会話はできないと人だと思われているのでした。
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