【医師エッセイ】コロナ禍明け
2023年5月12日は看護の日でした。医師として3年ぶりに看護師とともにショッピングモールで健康相談、血圧測定、心肺蘇生、予防接種相談や担架搬送の指導をしてきました。コロナ禍の3年間はというと、ショッピングモールには行かず、オンラインで対応をするという形でした。
感染症対策に追われ、心ない中傷に耐え、身も心もすり減らした看護師がごっそり辞めたような病院。私はもう少し、看護する者に目を向けてもいいのでは?と病院にも世間にも思っていました。そんな無情な日々が3年続き、今日は3年ぶりにショッピングモールで、みんなの前でスピーチをします。私の言葉は、みんなに受け入れられるのか、不安と緊張でした。健康相談は一般の方向けで、どうなるかがわからないということもあり、心配したスタッフも応援に来てくれました。
そんな中、1人の子どもが私に言いました。
「先生優しいね。先生の病院に行きたいよ」
ご高齢の方も私に話しかけてきます。
「コロナは大変じゃな。見つめ合うだけじゃ、話し合わなければな」
その言葉は、私も看護師も欲しかったものだったのでしょう。心がギュッと締め付けられるように感じました。さすがにその場では泣きませんでしたが、今もその言葉が私そしてみんなの胸の中に残っています。
また、頑張ろう。支え、支えられて私たちは生きている。
患者さんのために。そう思ったのでした。
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