梅雨明け
朝、蝉の鳴き声で、目が覚める。
かなり激しく鳴いていた。
おかげで今日は、目覚まし時計の設定した時刻より、早く目が覚めた。
「いよいよ梅雨明けか」
この時期、蝉が激しく鳴き始めると、梅雨明けも近いかな、と感じる。
それは、子どもの頃、母親に、〈蝉が鳴き始めると梅雨明けが近い〉と教えられてきたからだ。
けど、このところの異常気象で、〈蝉が激しく鳴き始める=梅雨明け〉とも言い切れない現状もあるから、なんとも言えない。
いつだったか、梅雨明け発表後に、訂正するニュースを見たことがある。
それだけ、昨今の気象は複雑で、はっきりと判断するのが難しいのだろう。
さっきまで、暑い晴れた日だったのに、急に雨が降り出すなんて日も、珍しくなくなった。
1日の中で、天気が急変すること、それは、1日の中で、季節が変わってしまうような感覚なのかもしれない。
時折、人間と同じように、天気にも感情があるみたいに感じる。
嬉しいときは晴れて、悲しいときは、急に泣き出すかのように雨が降る。怒り狂ったときは、雷を落とす。調子が悪いときは曇り空になる。…なんだか忙しい。
ふと、スマホに目をやると、梅雨明け発表のニュースがトップニュースに載っていた。
どうやら、ここから本格的な夏が始まるらしい。
夏バテしないように、〈ご飯だけはちゃんと食べよう〉、と思いながら、キッチンへと向かった。
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