「3」伊藤洋輝のバイエルン移籍と3バックのビーフorチキン?問題解決
ドイツのサッカーリーグ、ブンデスリーガが今月の23日(日本時間で24日明け方)に開幕を迎える。
世界でも一、二を争うメガクラブであるFCバイエルン・ミュンヘンに移籍した伊藤洋輝は残念ながら怪我スタートだ。
しかし、伊藤だけでなくアーセナルの冨安健洋など日本のディフェンダーが屈指の名門に認められたことで日本サッカーのディフェンスにおける「ビーフorチキン?」問題が解決した。
え?ビーフorチキン?そう思った方。これまで日本サッカーは
①ビーフ型のディフェンダー
②チキン型のディフェンダー
がいた。ここで言うディフェンダーはサイドバックではなく、3バックと4バック、特に3枚の時のセンターバックだ。3バックの方が枚数が少ない分、1人に求められる要素は多い。
ビーフ型は秋田豊、中澤佑二、坪井慶介といった身体能力にモノを言わせて守る牛さんタイプ。彼らは足元や繋ぎのパスに不安があった。
チキン型は宮本恒靖、中田浩二など足元の上手さやラインコントロールで知力を駆使して守る鳥のように賢いタイプ。チキンと言っても、ニワトリではない。決して3歩歩いても忘れない(やかましいわ)。
後者はボランチもこなしたり(宮本ツネ様)、そもそも元々のポジションがボランチだったりした(イケメン浩二さん)。
そう、トルシエが重宝した選手たちだ。トルシエは先見性があり、いち早くディフェンダーに足元を求めていた。
ただ、鳥さんタイプは華奢な選手もある程度いて、少なくとも牛の迫力は無かった。
井原正巳、松田直樹といった牛のコク(フィジカル)と鳥のダシ(足元)を併せ持った選手はいたが、あくまで例外的だった。
井原は多くの監督が頼みにした。松田は気性とムラが激しかったが、トルシエは半ば特別扱いした。それだけ貴重な選手だったのだ。
これまで日本代表のディフェンダー選考は監督がビーフ派かチキン派かで明暗が別れていた。
岡田武史、ジーコは力強く速いビーフがお好き。
トルシエ、ザッケローニ、アギーレは中盤の選手をコンバートしてでもチキンにこだわった。
オシムは中澤佑二の力強さ担当と阿部勇樹のような足元タイプを組み合わせた。
ハリルホジッチ、西野朗の頃には必然的に足元が求められてきた。
そして森保一ジャパン。あの伊藤洋輝がレギュラーで活躍する代表だ。
森保ジャパンは万能性のある選手が不可欠な3バックを採用している。
以前にザックが足元マスターの吉田麻也、今野泰幸たちを起用してもなお、3バックは成り立たなかった。
イタリアの戦術家の秘策は泣く泣くお蔵入りした。
しかし今や3バックでワールドカップで競合を撃破。それも、最新型の国際レベルで力強くボールを奪うことと、足元とディフェンスラインをスマートにこなすことを一人で両立する3人のサムライ戦士あってこそのものだ。
喩えるなら、日本代表のディフェンダーたちは牛とニワトリの両方の良さを兼ね備えるようになったのである。
もちろん、これは日本だけでなく世界的な流れではある。しかし、日本のディフェンダーの成長は目を見張るものがある。
急に私事で恐縮だが、筆者は足元が壊滅的なディフェンダーだったので伊藤や冨安、板倉滉が眩しい。
話を冒頭に戻して、いよいよドイツ・ブンデスリーガが開幕する。再来年にはワールドカップもある。
世界を飛び回る日本サッカー界の人々。もし飛行機で「ビーフorチキン?」と聞かれたらこう答えられる。
Both‼︎ (どっちも)
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