老老介護は已む無くかそれとも幸せか
核家族化が進み、高齢者世帯の増加に伴い老老介護を余儀なくされる世帯数も増加傾向にある。
ピンピンコロリとは理想的な言葉ではあるが、平均寿命の方が健康寿命よりも長いのが現実である。
医療の発展は、喜ばしいことではあるが、若返るわけではないので不都合も多々出てくる。
身体の一部を治しても、身体的機能の全てが戻る訳では無い。あちこち不具合は起きるが、生かされて病院通いの日々が始まる。
ある老婦人は転んで骨折をしたが、入院して加療後自宅に戻った。支えが無いと歩けないし長時間立っている事も不可能でした。
90歳を超えた旦那様(A氏)は、常日頃から家事を引き受けておられたのだが、それに奥様の介護も加わった。
私から見れば、物凄く大変な事のような気がするが、A氏は何時も穏やかでいらっしゃる。
週に何度か来るデイケアの車を、玄関先で奥様に付き添いながら笑顔で待っておられる。
奥様の乗った車が出発すると、子供のように手を振ってお見送りされた後、家事をこなすためにお宅に入られる。
県内に嫁がれたお嬢様が、よくいらしてお手伝いをされている様だが、A氏のご苦労は、高齢が故に、想像に余るものがある。
が、しかし、私が思っているほど苦痛には感じておられないのかも知れない。愛する奥様の笑顔と共に暮らせる喜びの方が、遥かに大きいのだろうか。
仮に我が身に置き換えてみたら、果たして、あの様に和かに日々を過ごせるだろうか?
お手本にしたいものであるが、確たる自信など何処からも湧いて来ない。
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