その下着は誰のため。 『ランジェリー・ブルース』読了

数年前、男性にブラジャーの刺繍を見られ
「可愛いね」といわれた際に
当時は下着を褒められて嬉しかったが
月日が経つと次第に
「胸部の下着は男性を喜ばす為の道具ではない」
「ただただ気持ち悪い」と思ったことがあった。

恋愛がご無沙汰だった際に、
一体誰の為に下着を身に着けているのか分からなかった時があった。
例えば「育乳」でも、自分の自信に繋げたいからか、
それとも胸部を大きくして異性を喜ばせたいからか。
自分の為か、他人の為か。
ブラジャーのデザインも他人を喜ばせるため?
気持ち悪いがボーダーラインが曖昧になっていた。

最近、ツルリンゴスターさんの
『ランジェリー・ブルース』を購入し読む機会があった。
ツルリンゴスターさんの漫画は
2年前、前職に勤めていた際に
『私の心に火がついて』を手に取ったとき以来である。
『私の心に火がついて』は
自身の振る舞いに自信がないとある登場人物が
仕事終わりに居酒屋で一人呑む姿に憧れ、
回転寿司で一人で食べることを後押ししてもらった作品である。
またLGBTで「異性を必ず好きにならないと真っ当だと思われないのか」と悩んでいた際に
「そう思う前に自分は同性も好きだと答えを出しているじゃない」と思わせてくれた大切な漫画だ。

今回は下着をメインとした作品である。


『ランジェリー・ブルース』では下着を通して
女性は自分を大切にしていいと伝えてくれる。
主人公の女性が付き合っていた男性に
勤め先で購入したシースルーデザインのブラを
身に纏う姿を見られ、
「君らしくない」と言われるシーンがある。
その時主人公が笑って流さず
真っ向から「私はあんたの為じゃなく私のためにこれを着けてるの」と言い返すシーンが響いた。
私は男性を喜ばす為に下着を身に着けているのではない。自分がご機嫌になる為に着けているのだ。
自分で自分の機嫌を取って何が悪い。
自分を大切にして何が悪い。

この本を読み終わってから
チュチュアンナ等で新しいブラジャーを新調した。
盛るだけじゃなくて脇から寄せて中央に集めてキープしてくれるもの…と機能性やデザインを見ることが楽しかった。
いつか1時間ほど予約してプロのフィッターに
フィッティングをしてもらいたい。
これからも長く身につけるもの。
「身に着けておけばいい」ではなく、
「私のありのままを表現して良いんだよ」と
思わせてくれる漫画だった。
これからも沢山読み返したい。

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