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閉塞感、行き詰まりへの共感:小山さんノート

■概要
「小山さん」と呼ばれた女性が遺した膨大な日記を有志メンバーによって文字起こし、抜粋した一冊

■感想
公園でのテント生活という厳しい環境の中でも、百円を拾った、喫茶に行った、等小山さんが小さなことに喜びを感じていたことが伝わってくる。

一方で、小山さんの鬱屈とした、どうにもできない閉塞感、同じことを繰り返していることへのやるせなさが全体を通して感じられる。
自分も数年前の日記を読んだところ、今と悩んでいることや感情が大して変わっておらず、いつになったら変わるんだと自分に失望したので、通ずるところはあると思う。

小山さんが同居人から受けていたDVの経験は、読んでいて辛くなる。
ただ、同居人が死んだ後、残された同居人のテントに頻繁に供養という名目で訪れているところを見ると、むしろ死後に同居人の存在に依存していることが読み取れた。
散々暴力を受けたことを自分から無かったことにするようで、自分だったら許せない、なぜ?と言う気持ちになり、正直共感はしなかった。

小山さんは文章で身を立てたいという気持ちがあったらしい。この本が先に世に出ていれば、と思う一方、小山さんがいなくなってしまったからこそ日記が読まれるようになった訳で、何とも言えない気持ちになる。


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