社交不安と慣れの関係について
社交不安の方は対人場面で激しい緊張と恐怖に襲われてしまいます。
何度も挑んで場数を踏み、絶対にこの状態を克服する!と頑張る方も多いのではないでしょうか。
そのことについて今回は書いてみます。
慣れとは
人間はある感情や刺激、感覚に何度も触れているうちに、慣れが生じる特性があります。
幼少期の頃は買い物するだけでも緊張と不安があったと思います。
自転車も何度も何度も失敗しながらもコツを掴み、転倒する不安や恐怖を乗り越え、乗れるようになったはずです。
慣れが生じると、その刺激に対して鈍感になっていき、やがて何も感じなくなったりします。
社交不安における慣れとは
では、社交不安はどうでしょうか。
人と接する時や人前に立つ時に、激しい緊張と恐怖に襲われます。
他人に相談しても
「誰だって緊張するよ」
「場数を踏めば慣れるよ」
と言われてしまいます。
そして一生懸命、何度も挑戦しますが、毎回激しい緊張と恐怖に襲われてしまいます。
普通の人は緊張しながらも行動し、成功体験を積んでいき、やがて慣れていくのでしょうが、社交不安の人はいつまでも症状に邪魔をされ、慣れることがありません。
普通のことが自分にはできない。
そして自己肯定感も著しく下がっていきます。
症状への恐怖
何度も失敗をし、失敗体験を積んでいくと、
またあの症状が出るんじゃないか
また失敗するんじゃないか
そんな恐怖心が芽生え始めます。
そして症状が出そうな場面を全力で回避するようになります。
症状とどう向き合うか
頑張って挑んでも激しい症状に襲われ、失敗し自己嫌悪する
回避すると様々な「機会」を損失する上に、自分に自信がなくなる。
社交不安の人はどちらを選んでも酷い結果になりがちです。
もはや生き地獄です。
ですが生きていると必ず、「選択」しないといけない場面に遭遇します。
症状が酷い時は逃げも立派な選択肢のひとつです。別なページに書きましたが、その場しのぎの対策を使ったりも出来ます。
私は諦めず何度も挑み続けて症状に立ち向かいましたが、今となっては無理しなきゃ良かったなと思うことも多々あります。
激しい緊張や不安の対処については、また改めて書きたいと思います。