社交不安の人が持つ認知の歪みについて
認知の歪みとは
人間には、ある出来事が起こった時に自動的に起こる「思考」があり、その出来事に関する物事のとらえ方を「認知」と呼びます。
例えば、道を歩いていてすれ違いざまに笑い声が聞こえたとします。
あなたはこの時、どう思うでしょうか?
「自分のことを笑われたのかもしれない・・・」
「なにか変なところがあって、笑われてしまったんじゃないか・・・」
社交不安の方はこう考えてしまう人が多いのではないでしょうか。
不安になり鏡を確認しておかしい所がないか、私も何度も確認していた時期がありました。
自分が笑われたのだと「認知」してしまっている状況です。
一方で、自分のことだと思わない人も沢山います。
「きっと楽しい話題で盛り上がっていたのだろう。」
「今日もいい天気だなあ。これからなにをしようかな。」
笑い声のことなんか気にも留めていません。
なぜこんなにも人によって「思考」と「認知」が違うのでしょうか。
認知が歪む原因
人間は、自分の経験した出来事や生きてきた環境に大きく影響されます。
例えば、学生時代によく悪口を言う同級生がいたとします。
人の粗探しをして、みんなに聞こえる大きい声であなたにも悪口を言ってきました。
そしてクラスの子達にもクスクスと笑われてしまいました。
その出来事にひどくショックを受け、トラウマになってしまいます。
こうした経験を持つ人は、すれ違いざまに笑い声が聞こえたとき、どう思うでしょうか。
また自分のことを笑われたのかもしれない・・・
なにかまた、自分におかしい所があったんだ・・・
そう考えてしまいます。
このように、過去に起きた出来事や経験が深い傷となり、認知の歪みが引き起こされます。
認知の歪みを修正するには
認知が歪んでいると物事をネガティブにとらえてしまうので、不安感や鬱状態が引き起こされてしまいます。
認知の歪みに気付いて、修正していくことが大事です。
例えば上記の例でいくと、自分が笑われたのだと決めつけてしまっています。つまり、「妄想」です。
ただ会話が楽しかったから、笑っただけかもしれません。
昨日あった出来事を思い出し笑いしたのかもしれません。
冷静になればこのように考えられますが、無意識に決めつけをしてしまうのが、認知の歪みの恐ろしいところです。
まず、なにか出来事があった時に自分の「思考」に気付くことです。
これは、いわば「自分の考え方のクセ」です。
自分は今こう考えたな。と自分の思考を客観的に見つめます。
そうすると、別に自分のことを笑ったとは限らないよな。
と自分の妄想に気付くことができます。
認知の歪みが修正されると
認知の歪みが変わっていくと、不安な気持ちになったり、鬱っぽくなることが減っていきます。
社交不安の方は対人場面で大変ネガティブなイメージを持ちやすいです。
相手の反応がイマイチだった。自分と話していたらつまらないんじゃないか・・・
相手の目をあまり見る事ができない。おかしい人だと思われたんじゃないか・・・
声が震えてしまった。気持ち悪いやつだと思われて嫌われたに違いない。
自分で自分のことを追い込んでしまっています。
そこに気付くことで、少しづつ変わっていけます。