蛙化現象について思うところ
蛙化現象という言葉を、私は割と最近知りました。
どうやら、ずっと好きだったり憧れていた人が自分に好意を向け始めると、急に気持ち悪く感じて、嫌いになってしまう現象らしい。
女性に多いと聞いたこともあります。
すっごく、身に覚えがある。
「蛙化」が起きてしまう理由は、既に多くの方が色々な媒体で推察されています。
恋愛に対する憧れが強すぎる、理想の異性像が高すぎる、自己肯定感が低い人は「好き」と言われてもそれを信じない…等々。
「自分の場合は、こういう感じで蛙化っぽい現象が起きた。」という一つの事例として、私が蛙化現象を発症するる理由を考えてみました。
1.信頼関係が構築されていないうちにお付き合いがスタートする不安と、嫌われたくない気持ちから本音を言いづらい関係になってしまう。
2.お付き合いの先に待つ、性的なコミュニケーションに苦手意識がある。
【1.信頼関係が構築されていないうちにお付き合いがスタートする不安と、嫌われたくない気持ちから本音を言いづらい関係になってしまう。】
思春期以降、「好きな人」「憧れの人」として意識するようになるのは、普段から一緒にいて気兼ねなく何でも話せるような関係の人達よりも、少しだけ遠い存在の人が多かったです。例えば、別のグループの人、普段話をしない先輩、週に数回しか会えない人…等、近いようで心の距離が遠い人が魅力的に感じていました。正直に言うと、よくわからない人だから惹かれていたというのもあったかもしれません。
そのような、少し遠い憧れの人に片思いをし、告白をして運よく彼女になれた場合、相手から嫌われたくないという気持ちが先行して、自分のダメな部分を見せまいと格好つけて振舞ってしまいがちでした。
相手の存在が大きすぎて、素直に甘えたり、本音を打ち明けたりすることができず、「こんなことを言ったら嫌われないだろうか」「あんな話をしてしまったけれど、変な女って思われたんじゃ…。」と自分自身に過剰にダメ出しをしていました。
結果的に、憧れの人と一緒にいる時は心からくつろぐことができず、だんだんと会うのが億劫になり、コミュニケーションを取るのにも疲労感を感じるようになりました。そして、憧れの人の良くない部分ばかりが目に入るようになり、ついには一緒に居ることが辛いと感じるようになってしまいました。
これって、蛙化現象じゃないかな。
また、結婚を意識する年齢になってからは、男性との出会いをマッチングアプリなどに頼るようになり、ガチの結婚相談所に登録したこともあります。
そのような場所だと、男性との出会いがシステマチックになります。アドバイザーが居る相談所などでは、数回だけ顔を合わせてどこかに遊びに行ったという実績が付いただけで「お付き合い」スタートと判断され、カップル成立のような扱いを受けます。
まだ、友達にもなれていない状態なのに、私はカップルの一員として、お相手にとっての良き彼女として、どのように振舞うべきだろうかと、勝手に考え始めてしまいました。
自分自身は、お相手にとっての最高の彼女になろうと努力をしているのに、お相手の男性からはそのような気配がみじんも感じられない! 私の理想とする彼氏像とは外れた言動をするところが目につき始めます。そして、蛙化現象が発症。
そもそも、私たちはそれぞれ、理想のお付き合いフォーマット、理想の彼氏像、理想の彼女像を勝手に思い描いており、そのイメージ像を言語化することなく、「このような振る舞いを期待されている」と勝手に思い込んで振舞ったり、相手に勝手に理想を押し付けたりしてしまいがちじゃないかなと思っています。
自分が相手に期待していることがたくさんあるから、可能な限り相手の期待通りに振舞おうと努力してしまいがち。そして、その努力は時に見当違いだったり、自分の理想通りの行動を相手が取ってくれないと勝手に不安に思ったり、不信感を募らせてしまう…。
きっと、お付き合いを始める前に、もっとちゃんと話し合って、わからないことがあったら聞く!という姿勢を徹底する必要があるのだと思います。
あと、自分の物差しだけで勝手に判断して「不誠実な人だ!」と思い込んだりしないようにしたいなあ…。
反省点は尽きません。
【2.お付き合いの先に待つ、性的なコミュニケーションに苦手意識がある。】
私たち大人の多くは学校でちゃんとした性教育を受けてきていません。
ドラマや漫画、アニメ、AVなどのコンテンツが性的なコミュニケーションの教科書代わりになってしまっているのが現状です。
でも、私はずっと本音では「セックスって、嫌だな。やりたくないな。」って思っていました。はっきりと恐怖心があった。
いろいろなコンテンツで、セックスをまるですごく良いもののように扱っているけれど、私はそんなに良いと感じたことがなかったし、セックスをしないと「お付き合い」を継続することができないと思い込んでいました。
でもそれは、お相手には正直に打ち明ける事が出来ていませんでした。だって、様々な媒体で、みんながみんな口を揃えて、「大人の付き合い=(イコール)性的なコミュニケーションを取ること」のように話していたので、自分が性的なことはあまりしたくないという気持ちは人に話してはいけない事なのではないかと思い込んでいたからです。
なので、お付き合いの先に何が待っているのかを考えると、もう、今、別れるしかない! という決断に至ってしまうのです。
最近になって、ジェンダーやフェミニズムの本、性教育の本を読むようになり、アセクシャルや、アロマンティックという言葉を知りました。
自分が当てはまるのかはわかりません。私は、今のところは、恋心も性的な欲求もあるけれども、それを良いこととは捉えておらず、そういう気持ちや欲にあまり振り回されたくないな…と考える人です。
でも、性的なコミュニケーションを取りたくない、取らない、という人達が当たり前に存在している、という事実が私の気持ちをとても楽にしてくれました。
お付き合いが始まるもっと前の段階から、お互いの信頼関係が強くなるような、腹を割った打ち明け話や、お互いの恋愛観についてもちゃんと話し合いができれば、「蛙化現象」は少なくなるのではないかな…と私は思います。