【バレエ】Sergei Polunin、あなたは今でもまだPutinの支持者なのだろうか?
皆さんはSergei Poluninというバレエダンサーをご存じだろうか?
彼は、ウクライナで生まれ、Putinに救われた、高いジャンプ力を持つバレエダンサー、兼モデル俳優である。
※Sergei Poluninとは
ここまで読むと、素晴らしい技術を持つバレエダンサーだということはわかる。しかし彼は、2年間ロイヤル・バレエ団で活躍した後、2012年1月24日に「全く幸福感を感じなくなった」と言い突如退団を発表した。
その後紆余曲折あり、Putinに救われてロシアで活躍をしているPolunin。ロシアは芸術家を大切にする国なので、他にもPutinに救われたアーティストは数多くいるであろうが、Poluninが異なる点は、Putinの顔のタトゥーを胸に入れていることだろう。
※Poluninのイメージ写真
※Poluninを知ったきっかけ
私がPoluninの存在を知ったのは、2016年公開の「Dancer(邦題: ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣)」という彼のドキュメンタリー映画がきっかけだ。
私は子供の頃と大人になってからと分散して、5年ほどバレエを習った経験がある。ダンス歴が人生の半分以上になった今、5年はほんのわずかではあるが、一番最初に取り組んだダンスがバレエで、55歳か60歳を過ぎたらまたバレエに戻ろうか、と思っているので現在でも常にバレエダンサーの肢体、バレエを見るのが好きだ。
そんな中、Poluninの生い立ちや世界に羽ばたくまでの過酷な人生を描いたこのドキュメンタリー映画を観て、心を強く打たれ、一気にファンになってしまった。
この映画が公開された頃は、彼の胸元にはまだPutinのタトゥーはなかったと思うが、その後、様々な映画出演を通し、ある時、ふと、Putinの顔が彫られていることに気付いてしまった。
※私が観た、Poluninが出演しているその他の映画
・The White Crow(邦題: ホワイト・クロウ 伝説のダンサー) 2018年
Poluninは主役のダンサーと相部屋で、出演シーンも多いので、彼の踊りが堪能できると思う。
・Red Spallow(邦題: 同名) 2018年
大好きな俳優Matthias Schoenartsが出演しており、本来はMatthias目的で観たが、ジェニファー・ローレンスの相方として踊ったのがPoluninで、おっ、と思った。但し出演シーンはごく限られている。
・Passion Simple(邦題: シンプルな情熱) 2020年
Annie Ernauxの同名の小説が映画化された作品で、私は本を先に読んで、「さすがErnaux、このエロスは何ぞや」と思っていた。
日本ではわからないが、イタリアではモザイクが入っていないので、主役の中年女性エレーヌも、アレクサンドル役のPoluninも揃って裸体の全てが丸見えで、かなりきわどい作品だった。
ただ、独り身の中年になるとわかる良さがこの映画にはたっぷりあるので(例えば、10歳近く年下の若い男にちょっとだけ溺れてみる、とか遠距離で滅多に会えない等の困難がある関係に憧れ、会わない時にはその男にあらぬ妄想をする、とかセクシーな下着をついつい買ってしまう etc etc etc)、40を超えた独り身の女性には是非観てほしい作品である。
映画はDVDを借りないとならないし面倒だという方は、まずはHozierの"Take Me to Church"で踊っているPoluninの姿をご覧いただき、納得されてから、レンタルビデオ屋かネットで検索いただければ、と思う。
なぜ、今時期になってPoluninとかPutinとかについて書こうと思ったか。
それは先日、Alexei Navalnyが殺された(としておこう)後、映画館の近くにある割と新しくできた公園という名の広場Giardino Anna Stepanovna Politkovskajaに彼を悼む花束や写真、手紙がたくさん寄せられている光景を見たからだ。
そして、こんなに多くの人を悲しめ、苦しめ続けるPutinの支持者など、果たして、世の中にはどれほどいるのだろう、と考えた時、ふとPoluninのことが頭をよぎったのだった。
ちなみに、Anna Stepanovna Politkovskajaは、下のような人物である。
実は、Poluninのミラノでの公演を2020年にウクライナ人の友達と観る予定だった。2019年に申し込み、2020年はコロナで公演が延期されて翌年になり、それが更に延期になり、ということを合計3度繰り返した末、遂に中止になってしまった。あまり良い席ではなかったけれど、80ユーロ以上払ったし、3年越しで返金してもらうか他の公演に振り返るかを相談し、結局、私たちはRoberto Bolleというイタリアでは有名なバレエダンサーの公演を見ることにした。3年前に払っていたから、タダ見した感が強く、お得な気分でBolleを堪能したが、やっぱり、私達としては、いつかPoluninの踊る姿を自分たちの目で見たい、と願っている。
そしてもし、そのような機会が訪れた際には、戦争も終結していればいいな、と思っている。
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