Ingar Kraussの写真展を鑑賞する
先日、3か月強ぶりにトリノへ行った。前回は、久々に好評を博した記事「新版画」の鑑賞とエジプト博物館(やっぱり、熱が冷めてしまい、記事にできなかった…)が目的だったが、今回のメインの目的はLautrec、次は写真展で、余った時間のエトセトラに入れていた展示が、個人的には凄くよかったのと、ほぼ確実に日本では無名のアーティストなので(その理由は後ほど)、まずはそちらを公開したいと思う。
その展示は、予約制のギャラリーで7月中旬まで行われている、Ingar Kraussというドイツ人の造形作家の写真展だ。展示のタイトルは"Pastorale=牧歌的な"、といい、シマ子がドンピシャでタイプの雰囲気の、モノクロの展示だった。なので正直、エトセトラに入れていた他の用事の1つが流れて、序でにLautrecも想像よりもこじんまりとしていて、時間が余り、さてどうしよう、となった時に、このギャラリーにコンタクトして、約1時間15分後の予約を入れられて、「キターーーッ」と思ったのだ。
まずは作家のBioから行こう。
次に、またメタファーに満ち満ちた(😆)展示案内へ移ろう。
いよいよ作品紹介へ移ろう。
ギャラリーの方の説明によると、Kraussはもともと、肖像と静物画の作品をメインで制作しており、今回のような風景に人物(HannahとSopfiaという2人の少女)を組み入れて、静けさの中の生命、というか、無機質の中の血の通ったもの、というタイプの作品を制作するのは稀だそうだ。
2、3、シマ子の映り込みがあって飛ばした作品はあるが、これが今回の展示のおおよその全様である。
さて、最初に「ほぼ確実に日本では無名のアーティスト」と触れたが、いよいよその理由を明かそう。
Kraussは飛行機に乗れない(精神病院で働いていたのはBioで触れたが、どうも本人も少し精神疾患があるのか、働いていた際の影響を少なからず受けたようで、飛行機NGなのだそうだ)ため、今回トリノでの展示開催の初日に登場した際にも車で来て、2日目には帰ったそうだ。
今回、トリノでの開催は2回目だそうだが、前回はかなりの日数をトリノ近郊で過ごし、そこで暮らす人々の写真を撮って展示したのだとか。
その他の展示履歴を見ても、New Yorkを除くとヨーロッパのみ、展示への本人の参加も恐らくヨーロッパのみ、本人のHPなし、ソーシャルのページなし、それゆえ、彼の展示を主にしている3つのギャラリーのHPを見るか本を買うしか、ヨーロッパ以外の国の人が彼の作品に触れる機会は基本的にはないそうだ。
下が、シマ子が訪れたギャラリーに展示されていた彼の作品集で、こちらはネットでも手に入るので、気になる方はポチっとされてはいかがかと思う。
中身を少し見せてもらったが、日本人が大好きそうな作品(野菜のコンポジションとか、吊るした鮭とお皿のコンポジションとか、カラーだけれど、どれもノスタルジックな色で、もうたまらない感じだった。これで白米か玄米が10杯は食べられそうな感じ…😂)がたくさん載っていたので、いつかBerlinへ行く機会があれば(絶対にある😎)、ギャラリーも本も両方制覇したいと思っている。