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Stockholmの邸宅美術館 Prins Eugens Waldemarsuddeを見学する

4末の連休、かつて日曜出勤をした分の代休をつけて連休を延ばし、数年ぶりにSwedenを放浪した。今回のメインの目的はGotland滞在だったため、3度目となるStockholmはささっと済ませた感じだが、それでも2か所でアートの鑑賞をしたので、そのレポートをしたいと思う。

まずはPrins Eugens Waldemarsuddeという、Djurgården島にある邸宅美術館を紹介しよう。



【Eugen公爵と邸宅について】

この美術館はもともと、Eugen公爵(※)が1903~05年にかけて居住する目的で建てられた本館と、1913年に増築されたギャラリー棟で構成されており、彼自身、風景画家兼美術コレクターとして当時は有名だったそうだ。

Prins Eugen(美術館のHPより)

※Prince Eugen of Sweden and Norway, Duke of Närke (01/08/1865 – 17/08/1947)
スウェーデンの画家、美術収集家、芸術家のパトロン。
Östergötland公Oscar王子の4番目の末子としてDrottningholm宮殿で生まれた。母はNassau公Sophiaで、王子にはNärke公爵の称号が与えられた。父親がOscar2世としてスウェーデンとノルウェーの王位に就くと、公爵は王位継承権第4位となった。早くから芸術的な才能を発揮したEugen公はパリで学び、スウェーデンで最も著名な風景画家となった。同性愛の独身貴族であったEugen公爵は、ストックホルムのユールゴーデンにある別荘Waldemarsuddeとそのコレクションを、遺言により国に遺贈した。

Wikipediaより抜粋

貴族の元邸宅なだけあり、かなりの敷地面積があるが、私が訪れた際には、下の図のSlottet(城)のみの開館で、Galleriet(ギャラリー)とGamla huset(old house)は公開されてはいなかった。時期的なものか、イベントにしか開館されないのか等は、初めて訪れたために把握はしていないが、邸宅観賞という意味では、一度すれば十分、というレベルなのと、Stockholmにはモダンアートの美術館がたくさんあるので、そういう意味でもやはり、一度で十分かな、と思う。

地図(美術館のHPより)

では、お屋敷と展示の紹介へ移ろう。

内部装飾については、家具や色遣いもさることながら、春の花がふんだんに活けられていたので、あまり説明を加えず(花の名に無知なため)、お気に入りのものをピックアップして紹介したいと思う。

【お屋敷の内部と春の花たち】

曇りときどき雨の天気だったので、写真が暗いですが、ここが一番好きな部屋でした。
書斎①
書斎②
こう見ると、黄&青、&緑、&紫と、黄色って様々な色と上品に合うのだなと実感できますよね?そういう私は2月末から春物の黄色のカーディガンを探しつつ、見つからないまま5月に。。。
こんな一角で紅茶を飲みながらクラシックを聴いて読書したい!
それこそまさに女の夢だっ!もしかしたら男の夢でもあるかもしれないけれど🤭
チューリップの色合わせ一つでも学びが。イタリアにはない組み合わせ…もっとぱっきりしてるんですよ、想像に易いと思いますが。私は淡いのが好みです。
暗くて植物はよくわからないけれど、庭園の下は海岸です。
メインのお部屋
Princeが今にも降りてきそう。とてもお気に入りの一枚。
階段の向かって左側
2階へ移ろう
上から見るとこんな感じ

続いて、お庭の様子を少し。

【庭園】

Slottetの建物のすぐ横にある風車小屋
まだ咲いていないチューリップたち。あと3週間くらいしたら咲くのでしょうか?
桜の開花が、ミラノより3週間強遅いので、チューリップもそんな感じかな、と。
人魚姫の像より正直素敵。あれはちょっと、小便小僧よりも見る価値が低かった😅

今回の展示作品へ。

【展示① Prinsens kända och okända skatter – Konst och konsthantverk ur samlingarna(英: The Prince’s Well-known and Unknown Treasures – Art and Fine Art Objects from the Waldemarsudde Collections)】

滅多に公開されることのない質の高い美術品や、公爵や他の画家がコレクションから選んだお気に入りの絵画を中心とした展示。
また、Waldemarsuddeの植木鉢、椅子、宝飾品のデザイナーとしての公爵を詳しく紹介すると共に、ストックホルム市庁舎にある記念碑的作品「Staden vid vattnet(水辺の街)」のための絵画やスケッチも展示。

展示の説明より抜粋

正直、ザ・アンティークという時代の作品たちではなく、強いインパクトを受けなかったので、気に入った数点をささっと紹介したいと思う(あと、結構シマ子の顔が判別できるレベルの映り込み写真が多く、好きでも削除せざるを得なかった…🥲

Nancy派に影響を受けた美しい花瓶たち
緻密に描かれた植物たち
暗い背景に描かれているために、花が一際目を引きますよね。
Gunnar G:son Wennerberg(1863-1914)
Syrener(Lilacs) 1891年
ライラック、大好きなのです。色も香りもうっとり。札幌の木だから昔から馴染みが。
こういうクリーミーというかドリーミーな色、ホッとします。
版画っぽいのも素敵。
Annie Bergman(1889-1987)の作品
手ぬぐいの柄にもありそうで親近感が。
Eugen公爵
この写真、凄くタイプ(笑)
色合いが可愛い。

次の展示へ移ろう。本当は3つの展示が行われていたが、Silverには興味なしなので、割愛する。

【展示② Marie Krøyer】

Marie Krøyer(1867-1940)は、生前、ノルウェー系デンマークの画家P.S.Krøyerやスウェーデンの作曲家Hugo Alfvénとのドラマチックな私生活で北欧で注目されたが、彼女自身の芸術活動の全貌は今日あまり知られていない。今回の展覧会では、画家としてだけでなく、家具やテキスタイル、インテリアのデザイナーとしても活躍した彼女に焦点を当て、その魅力的な作品の数々を紹介する。

展示の説明より抜粋

Marie Krøyerについては、今回全くの初耳、初観賞で、恐らく私と同様の状況にある方が多数だと思うので、作品の紹介へ移る前に、まずは彼女のBioを少し載せておこうと思う。

Marie Triepcke Krøyer Alfvén (11 June 1867 – 25 May 1940)
デンマークの画家。19世紀末、ユトランド半島北部に栄えた画家コロニー「Skagen Painters」で最も成功したメンバーの一人、Peder Severin Krøyerの妻として知られる。幼い頃から画家を志していた彼女は、コペンハーゲンで個人的な訓練を受けた後、勉強を続けるためにパリに渡った。そこで自然主義の原理を学び、フランスの印象派から大きな影響を受けた 。
1891年に16歳年上のP.S.Krøyerと結婚しSkagenに定住。1900年以降、Krøyerが精神を病むようになり、彼女はやがてスウェーデンの作曲家Hugo Alfvénと関係を持つようになる。二人の間には子供が生まれ、彼女はKrøyerと離婚してAlfvénと共にスウェーデンに移り住んだ。二人は1912年に結婚したが、夫婦間の問題で再び離婚に至った。彼女は、はるかに有能な画家として尊敬していたKrøyerと出会ってからは絵を描くことに消極的になり、彼女自身の作品よりも、Krøyerの代表作の被写体として記憶されるようになった。
彼女は生前、その個人的な美しさは認められていたが、芸術家としての才能が明らかになったのは、1986年に娘のVibekeが亡くなってからだった。

Wikipediaより抜粋・翻訳

では作品へ移ろう。
本心を言えば、気に入った作品の多くは、1番目の夫のP.S.KrøyerがMarieを描いたものだったが、夫の作品ばかり載せるのもどうかと思うので、二人の作品をまとめて幾つか紹介したいと思う。

P.S.Krøyer(1851-1909)作
英題: At Breakfast. The Artist, his Wife, and the Writer Otto Benson
黄と青が調和して全体を形成した画で、Marieの黄色のドレスとその前にある同色の花瓶、Krøyerの青い上着のポジションが絶妙なことで知られる作品。
P.S.Krøyer作
英題: Conversation between Holger Drachmann and Marie Krøyer in Krøyer's Living Room in Skagen
Holger Drachmannはデンマークの画家、ジャーナリスト、詩人だそうです。
夫はこの絵を描きながら、こんなに別の男に寄り添われている妻に嫉妬していそう😂
P.S.Krøyer作
題: Marie Krøyer, juli 1890
素敵なお召し物ですよね。こういうのを私も着たい!
Marie Krøyer作
英題: Interior with a Woman Spinning
やはり夫の秀逸な作品と比べるとインパクトが薄い気がしますが、それでも庶民の暮らしを描いた素朴な作品で素敵。
Marie Krøyer作
英題: Self-portrait
結婚した1ヵ月後にユトランド半島の北西のStenbjergというところで描いた、唯一知られている自画像だそうです。
P.S.Krøyer作
英題: Summer Evening at the South Beach of Skagen. Anna Ancher and Marie Krøyer
P.S.Krøyer作
英題: Interior. The Artist's Wife
ユトランド半島の北西にあるThyという場所での、新婚旅行中の夫婦の寝室を描いた作品。夫が美しい妻をドアの外からのぞき見している、のぞき見しなくてもいい立場なのにそうしている、というのが、なんというか、絶妙な距離感でほほえましい。
2人の合作
英題: Double Portrait of Marie and P.S.Krøyer
夫が妻を描き、妻が夫を描いた2人の合作だそう。やはり作風は夫に軍配が上がるように思えますが、それにしても、妻の吸い込まれそうな瞳、美しいですねぇ。。。

ここから先は別室に集められたMarieの作品の一部で、ヌードデッサン等が多く、そんなにたくさん撮らなくてもいいか、という雰囲気だったので、ほんの僅かではあるが紹介したいと思う。

Bertha Wegmann(1847-1926)作
英題: A Young Woman. Portrait of the Artist Marie Triepcke
夫に描かれた作品よりもより少女っぽく可憐な感じがありませんか?いずれにせよ、相当な美貌の持ち主であったには違いないでしょう。
Marie Krøyer作
英題: Market Place in a French Town
P.S.Krøyer作
英題: Marie and Vibeke Krøyer at the Bureau in the Home in Skagen Plantation
美しい調度品と花に囲まれた部屋でピアノを弾く母子…夫の深い愛を感じます。
P.S.Krøyer作
英題: Marie and Vibeke Krøyer Crocheting in the Home in Skagen Plantation
花のオレンジ色と母子の水色の衣服のコントラストが美しいですよね。

2階の展示室手前の横にレストランも併設されており、品数は少ないが、HPを見る限りではなかなか美味しそうなイメージがあるので、海辺と美術館で時間をかけてゆっくり過ごされたい方は、試してみられては、と思う。


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シマ子
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