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休職銭湯日記⑦深い水風呂にザブンと入る勇気「松本湯」(中野区東中野)
今月末締め切りの公募の文章を書いていて、筆が進まず、行き詰ってしまった。そんな時、銭湯に足が向かう。松本湯。栗山千明主演のドラマ「晩酌の流儀」のロケ地にもなった、人気銭湯だ。
松本湯では、サウナハットを忘れたり、脱衣所の自販機でお金を入れたのにファイブミニが出てこなかったりする等、(※後で受付で返金していただいた)トラブルの思い出があるが、それでも通い続けている。好きな銭湯トップ10を挙げるとするならば確実に上位にランクインする。
なんといっても、キンキンに冷えた深めの水風呂が魅力の一つだ。立った状態で首まで水に浸かれる。青いライトで照らされており、まるで流氷が浮かぶ海のようだ。冷たすぎて整う余裕すらない。ここでは羽衣は作られない。水風呂でキンキンに身体を冷やし、熱風呂に入ると、電気を浴びているかのように皮膚が刺激される。その後に、もう一つの炭酸の少しぬるめの水風呂に移動する。恍惚感で本当に時を忘れられる。
ただ水風呂が冷たすぎてすぐには入れない。座るタイプと寝るタイプのジェットバスがあり、ジェットをガンガンに全身に浴びて、とにかく身体を疲れさせて、水風呂に抵抗できないぐらいの状態まで持っていった。高温のサウナに入るより、ジェットバスで血流を促進し、「疲れる」状態にしてから水風呂への準備をするやり方が最近のマイブームだ。 ジェットバス⇔冷たい水風呂⇔熱風呂⇔ぬるめの炭酸水風呂。この流れだと永遠に入っていられる。
冷たい方の水風呂の階段を一段ずつ、つま先立ちで、そおっと入っていく。とにかく冷たい!小学生の頃、プールの授業で最初に入らされる消毒槽を思い出す。階段を下りきって覚悟を決める。ザブン!と首まで浸かる。やっぱり冷たい!
先週、通院しているメンタルクリニックの主治医から「復職」の診断書を下りた。もうすぐ会社に復帰することになる。働きだして、嫌なことがあったら松本湯に絶対来よう。松本湯の水風呂に入る勇気があれば、なんだって乗り越えていける。