【詩】ベタベタな青い夏
いつ始まったのかわからない
僕らの青春熱中症
廊下から牛みたいなサックスの音色
教室でしっけた駒が盤を鳴らす
視聴覚室も軽音学部も
言葉の意味はわからずに
中庭でリズムに合わせて舞う蝶々
濡れた床をモップで拭いて
バッシュを擦らす体育館
よそ見の先にバレー部の先輩
サッカー野球に陸上に
すみ分けるグラウンド
混ざり合う掛け声
早々に塾へ行くも16時
買ったばかりのポロシャツも汗がしみ
帰りのコンビニで涼みながら
みんなのアイスをおごるのは
じゃんけんに勝った人
あついあついと言い合って
ついつい間を繋ぐのは
僕らが近づきたてだから
当てにならない天気予報
先生も頼るマネージャーの勘
水道水浴びる
ビショビショのTシャツ
練習時よりも部室で大声
やっと家に帰ったら
リビングで寝る母起こすくらい
ごくごく喉を鳴らしたよ
小テストのこと考えてるうち
熱々のアスファルト
踏みしめて登校している
いつ終わるのかわからない
僕らの熱中症対策