日本で使った魔法の言葉、アメリカで見た魔法のジェスチャー
日本には魔法の言葉がある。
プロフィール欄にも書いているが、私は若い頃に日本を飛び出した。
そして海外で10年以上暮らした後、帰国した。
帰国直後、関東の満員電車にしばしば戸惑うことがあった。
あるとき、満員電車に乗り、下車する予定の駅に到着した。
しかし、あいにく私は電車の中ほどにおり、苦労して人込みをかき分けて下車しなければならなかった。
できるだけ人と人の間をすり抜けて出口に向かうが、電車は~♪ 今日も鮨詰め~♬ で、なかなかたいへんだ。
ふと私は、日本を離れて暫く忘れていた「使えそうなアレ」を思い出した。
そして、長らく使っていなかった「伝家の宝刀」を抜き、思い切って斬り付けた。
「すいません!」
急にひしめき合っていた車内の人込みが、まるでモーゼの十戒に出てくる大海の如く、ザザザザッパ~ン!🌊と大きく2つに割れた!
ビビった!
帰国直後の私は、久しく忘れていた魔法の言葉「すいません!」の予想以上の威力(切れ味)を再度実感し、日本でもう一度生き抜く自信を得たのであった。
ほんの短期間ではあるが、アメリカのLAに住んでいたことがあった。
私の職場はLAのダウンタウンに所在していた。
ある日、退社して、いつものようにダウンタウンから高速バスに乗ったときのことである。
バス停からバスが発車したのだが、直後、目の前の赤信号に捕まった。
すると、バスに乗り遅れたと思われる1人のアメリカ人のおっちゃんが、バスに向かって慌てて走って来て、バスの前方ドアを軽く叩いた。
運転手のおっちゃんが、バスの外にいるおっちゃんに気付いた。
そして、バス外おっちゃんは、赤信号で停車中のバスの前方ドアの前で、運転手おっちゃんに対し、身振り手振りで「ドア開けてくれよぅ」みたいにお願いし始めた。
バス停からほんの少しだけ離れた距離ではあるが、バスはすでに発車後である。
運転手のおっちゃんも、「ダメだよ。そこのバス停で並んでてくれ!」とバス停を指差す。
安全上、そのような対応が求められるのだと思う。
前方ドアの外側で運転手に懇願し、バスに乗りたがっているバス外おっちゃんはヒゲ面で、どことなく(ヒゲを生やしていたときの)ロバート・ダウニー・Jr(←素行が悪い!)みたいなおっちゃんだった。
私は、ロバートのおっちゃんがバスの運転手にドアを開けてくれと頼んだが断れたのを見て、次にどのような態度を取るのか気になった。
1.しつこくお願いし続けて、やがて青信号となって置いて行かれる?
2.不貞腐れて、中指でも立てて立ち去る?
3.それとも、懐から何やら物騒なものを……いや、怖い怖い。
※※※※※
しかし、次の瞬間!
ロバートのおっちゃんは、思いもよらぬ行動に出た!
ロバートのおっちゃんは、何と胸の前で両手で「ハート💕」マークを作り、愛おしそうな目つきで、運転手おっちゃんを見つめ始めたではないか!
、、、?!
これには運転手おっちゃんも苦笑いして、首を振る。
そして、、、数秒後、、、!
、、、ドアが開いた!
うぉ~っ、奇跡じゃ~!
皆の衆~!
ドアが開いたぞ~!
宴の準備じゃ~!
酒だぁ~! 酒を持って来~い!
歌え~っ! 踊れ~っ!
ドンドコドコドコ ドンドコドコドコ
ピピヲピヲピヲピヲ🐦🐦 ピピヲピヲピヲ🐦🐦
、、、というウザ展開はさて置き、これって、日本では見たことがない光景であり、おかしくて笑ってしまった^^;
何だかアメリカっぽさも感じさせる、魔法のジェスチャーだと思った。
、、、って、
うぉい! そんなんでドア開くんかいっ!
(完)
~おまけ~
[ LAの高速道路事情 ]
基本的にアメリカでの生活に車は欠かせず、私もLAに住んでいたときは、ほぼ毎日、車を運転していた。
そして、私も暫くLAのトーランスという日本人が多く住む住宅街にある自宅から車で高速道路を経て、ダウンタウンのオフィスに通っていた。
しかし、聞いたことがあるかもしれないが、LAの高速道路の渋滞というのが実に悪名高いのである。
暫く高速道路を経由して通勤していた立場から言わせてもらうと、いわゆる『悪評』には何らの誇張も無く実にひどかった(今はわからない。少しでも改善されたのだろうか?)。
しかも、ダウンタウンに入り、高速道路から一般道に出るあたりで、車がもの凄く混雑していて、一般道への下り方も難易度が高かった。
一度だけ、試しに高速道路を利用せず、下道を通ってダウンタウンに行ったことがある。
しかし、途中でイングルウッドという治安が悪いことで知られるエリアを軽~く通ってしまい、そこには明らかにやばそうな雰囲気が漂っていた。
知らずに(軽~く)通ってしまったのだが、急に貧民街なみたいなエリアに入った。
そして、記憶違いであってほしいのだが、まさかの信号機が作動していない(ぶっ壊れていたのか?)十字路があり、通行の優先順位が分からず、みんなでブーブーとクラクションを鳴らしながら、徐行で交代で交差点に進入するカオスな一画があったと記憶している。
当然、その下道を通ったのも、イングルウッドに(軽~く)侵入したのもその1回である。
毎朝の車通勤がストレスになっていた私は、同僚に相談したところ、良いアドバイスをもらった。
自宅から車で15分程度のところに高速バスの乗り場があるとのことであった。
そこで、私は途中から高速道路通勤をやめ、自宅近くのバス乗り場まで車で行き、そこの駐車場に車を停め、「住宅街 ⇔ ダウンタウン」間は高速バスで通勤することとした。
LAのダウンタウン。
こんな感じの場所で働いておりました。。。
因みに、本業よりニュースのイメージの方が断然強いアメリカのスター「個人的なベスト3」(←ベストなんか?)
「Ms. L. L」「Ms. P.H」「Mr. J.B」(順不同)