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その日、オレはラスベガスで銃をぶっ放した (ハリー・キャラハン体験記)

《本記事は、2017年に発生した痛ましい「ラスベガス・ストリップ銃乱射事件」とは全く関係ありません。また本記事は銃社会を擁護する意向は全くなく、単なるエンタメ体験記ですが、不快に思われる方は読まない方がよいと思います》

親愛なるnoter仲間さんが、クリント・イーストウッドについて書かれていた。

クリント爺さんのことを書かれた日にゃ~、ついついアドレナリンも出てしまう。

そんなこんなで、本記事のタイトルも少しハードボイルドな感じになったが、フタを開けてみれば、まあいつもの私である。


「好きな映画」は色々とあるが、「好きな(ハリウッド)映画監督」を聞かれると(誰も聞いてはいないが)、やはりクエンティン・タランティーノ、クリント・イーストウッド、ティム・バートンと答えてしまう。

ティム・バートンの好きな映画については、以下の記事でも書いた。

タランティーノでイーストウッドと来ると、何となく「アドレナリン大放出系が好きなの?」みたいな共通した匂いも感じるが、最後のティム・バートンに私のテディベアのような性格が表れているように思う。


さて、タイトル詐欺とならぬようラスベガスの話をしたいのだが、少しだけクリント・イーストウッドの話もしたい。

過去記事でも書いているが、私が最も好きな映画『ブルース・ブラザーズ』と出会ったのは小学校2年生のときであるが、クリント翁との出会いもその頃だったと思う。

今でこそ、私もやれ『グラン・トリノ』だ、やれ『ミリオンダラー・ベイビー』だといった話をしがちであるが、小学生の私は西部劇では『夕陽のガンマン』、現代モノのアクションでは『ダーティー・ハリー』シリーズに魅了された。

『ダーティー・ハリー』は全部好きだが、「3」が結構好きである。
(ネタバレは避けるが、最後のあたり、かなり賛否両論であると思う)

『ロッキー』とか『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とか『ゴッド・ファーザー』の「3」が好きと言った場合、「1」からの歴史を踏まえての「3」であると思う。

乱暴な言い方をするが、『ダーティー・ハリー』って、いきなり「3」から観ても、そこまでの支障はないような気もする。。。

因みに、初めて劇場でイーストウッドに合ったのは『ルーキー』(1990年)だが、私は勝手に『ルーキー』を『ダーティー・ハリー6』だと思っている。

そして、『許されざる者』が公開されたときは、子どもながらに「1人映画館デビュー」した(クラスメートを誘ってはみたが、周りにクリント・イーストウッド好きな友達がいなかったように記憶している)。

、、、う~ん、やばい感じの脱線具合になってきた。。。

クリント翁もある意味、ジャッキー・チェンと似たような部分があり、ひと通りの作品を観てしまったため、「どの作品が好きか?」は機会があれば、別記事で書きたいと思う。

『アルカトラズからの脱出』とか『恐怖のメロディ』とか『荒野のストレンジャー』のこととか、実に書きたいのであるが。。。

(因みに、監督してのクリント翁と俳優としてのクリント翁の話がごちゃ混ぜになってしまった点については、ご容赦いただきたい)

まあタイトル詐欺にならぬよう、いよいよラスベガスへ行こう!

“You’ve got to ask yourself a question:
‘Do I feel lucky?’ Well, do ya, punk?”

アメリカのLAに住んでいたとき、連休を利用してラスベガスに旅行に行った。

車で行く人もいるかもしれないが、運転嫌いな私はLA内のドライブだけでもなかなかのストレスであり、飛行機を利用した。

私自身、ギャンブラーではないのだが、マカオとかラスベガスとか「カジノの街」の雰囲気や「カジノという場所」が大好きである。

マカオなんて私のパワースポットと言えるくらい大好きで、香港に住んでいたとき、週末や連休を利用して数えきれないほど行った。

そして、ギャンブラーを描いた映画や小説、漫画なども好きである。

「カジノの街」の雰囲気を体験したいというのもあったし、ラスベガスはカジノ以外にもエンターテイメント・シティーという一面もあり、少し足を延ばしてグランド・キャニオンにも行ってみたい、、、などと考え、ラスベガス旅行を決定した次第である。

少し街の写真もご紹介。

何か、夕暮れどきの写真が多いな。。。

因みに、上の「ニューヨーク・ニューヨーク・ホテル」ローラーコースターは有名だが、裏から撮ってみた(何のため?)。

普通に駐車場の真上を「キャーッ!」とか行ってローラーコースターが通過している。

これぞアメリカン!な食品・飲料系のショップも立ち並ぶ。

何か買ったのだが、
全然覚えていない。。。

リムジン長っ!


ラスベガスの夕焼け空。。。

では、ベガスの夜とともにお別れである。

みなさん、さようなりぃ~!

、、、!


いやいやいや、ハリー・キャラハンに風穴開けられるところであった。

そうそう、ラスベガスに来たのだから、いっちょ「本物の銃でも撃ってみようかねぇ~」と思い至ったのである。

そのメインディッシュを出さずに、終わるところであった。

ご存じの方も多いかもしれないが、銃社会アメリカと言っても、通常、銃を保有するためには審査や登録などが必要であり、そう簡単に銃を購入したり、撃ったりすることはできない。

もともと銃に興味があってアメリカ入りしたわけではないので、私が住んでいたLAやシカゴで、どうやったら射撃場での銃体験ができるのか、、、などと真剣に調べたことはなかった。

ただ、ラスベガスの観光客向けの射撃場は結構有名でもあり、旅行で気分も少しハイになったので、(スケジュールには無かったが)急遽思い立ったのである。

現地のホテルには、この手のパンフレットがいっぱいあり、確か電話したところ、あっさりとその日の夕方あたりに予約が取れたように記憶している。

そして、射撃場のマイクロバスが、ホテルまで迎えにきてくれた。

トップ画像は、実際に私が行った射撃場の写真である。
気分はすっかりハリー・キャラハンである。

まず、射撃の「コース」がいくつかに分かれていて、その場で選択したように記憶している。

因みに、いずれのコースも何百ドルかする。

始めに「拳銃」のタイプを「リボルバー(回転式)」「オートマティック(自動式)」か選択した。

私はハリー・キャラハンの気分だったので、リボルバーを選んだ。

刑事モノでは『リーサル・ウェポン』シリーズも大好きなので、リッグスの気分だったらオートマ(こう書くと何か車みたいでもある)を選んだかもしれず、まあ銃のタイプに関しては、そこまでこだわりもない、と言うか詳しくない ^^;

ハリー・キャラハンが愛用する拳銃は、スミス&ウェッソン社の「M29」であり、これに「.44マグナム弾」を装填するわけであるが、私は別に銃マニアではないので、「気分だけキャラハン」になれればよいのである。

そこで、いよいよ射撃に、、、と思ったのだが、実はサプライズがあった。

私は射撃場では、てっきり「拳銃」しか撃てないのかと思ったが、「拳銃だけのコース」のほか、「拳銃・マシンガン・ショットガン」の順番で撃てるコースがあった!

しかも、値段も大して変わらなかったような気がした。

気分はすっかりハリー・キャラハンで出来上がっているわけだが、せっかくだからマシンガンやショットガンも撃ちたい!

マシンガンをドドドドド! とぶっ放すキャラハン刑事というのもイメージが湧かず、私は急遽、脳内で『ダイ・ハード』とか『ターミネーター』とか『プラトーン』とか『セーラー服と機関銃』とか色んな作品に登場してもらい、テンションを高めた(急に世界観がハードボイルドなバディものから離れてゆく)。

因みに、マシンガンとかショットガンと言っても、色々と種類が細かくあるらしい。。。

私が「よし! オレは今日はぶっ放すぜ!」とテンションアゲアゲでコースを吟味する間、私の愛すべき中国人ソウルメイトの「モンキーマジック」さんは隣で「頑張って。私は見てるから」とのことであった。

モンキーマジックさんは、絵やファッション、クラシック、オペラなどを好み、あまり粗野な感じのものに興味がないタイプである(「旅行」を除き、趣味や趣向が私と基本的に合わない)。

コースを選び、ゴーグルをかけ、いよいよ銃を受け取りに行こうとした途端、モンキーマジックさんが唐突に呟いた。

「、、、やっぱり、、、せっかくだから、私もぶっ放すわ!」

、、、

、、、!

えっ?! マジっすか  ( ̄~ ̄;)


何となくだが、、、そういうワイルドなタイプでもないような気がしますが。。。どのような心境の変化があったものか。。。

少し心配になったが、「撃つな!」と反対する理由もなく、、、結局我々2人はマーティン・リッグスローナ・コールになって、銃を片手に射撃場へと向かった(ダーティー・ハリー3のラストは少しアレなので、結局、私はリッグスになることにした。手にした銃はリボルバーだが)。

射撃場には、このような標的がセットされ、隣には常時、マンツーマンでインストラクターさんが付きっきりである。

拳銃はキャラハン刑事のように片手で構えるのではなく、左手を右手に添えるようなかたちで両手による構え方をインストラクターが丁寧に教えてくれる。

そして私は『ダーティー・ハリー2』の序盤、離陸前の飛行機の中で壁越しにハイジャック犯に狙いを定めるキャラハン刑事になった(なぜか、いつもこのシーンを思い出す)。

そして、前方にぶら下げられた標的の眉間に拳銃の狙いを定め、引き金を引いた。

パンッ!


振動で拳銃は上に大きく揺れ、私の拳銃が放った弾丸も大きく上にそれて「標的の顔を貼り付けた紙」にすら当たらなかった。。。

何と! 紙にすら当たらないとは。。。
相棒のロジャー・マータフに「オイお前!、遊んでる場合じゃないぞ!」とツッコまれそうである。

しかし、何度か撃っている内、少しずつ勝手が分かってきて、クリーンヒットはしないものの標的に命中するようになり、紙にボツボツと穴が開き始める。

何発目かを撃ったとき、反動で薬莢が飛んで自分に当たった。

そして、数発撃った後、拳銃による射撃は終わった。

続いてマシンガンである。
こちらも両手での構え方をインストラクターに教わる。

拳銃とは異なり、引き金を1回引くごとに「ドゥドゥドゥン!」と弾丸が数発出る(実際、指導を受けた際、最後にインストラクターから「その引き金を引いて、ドゥドゥドゥンだ! よし行け!」みたいに言われた ^^;)。

ドゥドゥドゥン!

ふ~

ドゥドゥドゥン!

ほ~

銃をぶっ放す自分にイチイチ驚く。
そうか~、さっきは出て来なかったが、これは映画『アンタッチャブル』の世界観だぜ~。

やがて、マシンガンの射撃も終了した。

最後にショットガンである。

こちらは例の「カッチャ! バーン!」である。

長身の銃ということで、狙いを付ける感覚や撃ったときの反動など、何となくマシンガンと似てるような気もした。

すべての射撃を終えた後、ハリウッド映画でよく観るように、インストラクターは標的をス~ッと前に移動させ、留め具を外して私に見せてくれた。

そして、ハチの巣のように標的を私に見せ、「おぅ、見てみろよ! やったな! アンタの敵は完全に死んじまったぞ」と褒めてくれた。

ふぅ~、何か疲れた。。。
でも、非日常を体験できて楽しかった。

本記事をお読みいただいている各位も、機会があれば、ぜひ一度「おぶっ放し」いただき、「パンドゥドゥドゥンカッチャバーン」をお試しされてはどうだろうか?

私はインストラクターにお礼を言って、、、そうだ! ローナ・コール刑事に成りきったモンキーマジックさん(本人は成りきっていないかもしれんが)も、そろそろ終わる頃かと彼女の元へ急いだ。

彼女もちょうど撃ち終わったらしく、ロビーで感想を聞いた。

彼女も私と同様、一連の「パンドゥドゥドゥンカッチャバーン」を終え、屈強なインストラクターに「やあ、どうだったい?」と聞かれたそうだ。

モンキーマジックさんは「いや~、楽しかったですけど、ちょっと怖かったです」と言ったらしい。

すると、インストラクターさんは「オイオイ、銃を持ってるのはアンタだぜ。怖がってるのは、むしろアンタの周りにいる人たちの方だよ」とナイスなアメリカンジョークで返してきたらしい。

仰るとおり!
何か怖い!

(完)


~おまけ~

ラスベガスの夜に観た噴水ショー
(Billie JeanのBGMとともに)




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