【英語の勉強しようぜ】海外の看板 in 「チューリッヒ湖」
海外の看板紹介も、これまで2回ほどやっている。
前回は、この記事だったと思う。
前回は、2箇所の看板を紹介したが、その内の1つ、アメリカはイリノイ州シカゴの「チューリッヒ湖」の近くに、もう1つ面白い看板というか、「何か、アメリカっぽい?」と個人的に感じた看板があった。
前回ご紹介した湖から、ほんの少しだけ移動した場所にちょっとした休憩所兼広場のような場所があったので、車を停めた。
スケボーとか?マウンテンバイクとか?のコースだろうか。
どちらもやらないので、よくわからない。。。
反対側には、このようなスロープがあった。
ん?
何か、アメリカの映画とかで観たりするような斜面だ。。。
ちょっと登ってみよう。
おー、そうだ。
アメリカの映画で、こんな斜面を子供たちがソリで滑ったりするシーンがたまにある。
このときは、10月だか11月頃だったと思うが、シカゴの冬も北海道の冬みたいなものなので(説明が雑!)、この後、間もなくして辺り一面、雪景色となり、この坂も雪で覆われたことだろう。
こんな辺鄙な場所でも、子供たちがソリ遊びに来るのだろうか?
ただ、たまに映画で、雪の季節でなくても、普通に上の写真のような草の坂をソリで滑っているシーンを観たりもする。
まあ、いずれにせよ、この日は誰もいなかったのだが。
ところで、トップ画像の写真がこちらである。
ふむふむ。
看板に何か書いてあるな。。。
因みに、子供がこのような坂を滑り下りるときに乗る「ソリ」というのは、英語で"sled"というらしい。
ほうほう。
確かに、上の看板にも"SLED"と何回も書いとりますわい。
最初にある"HILL"というのは、あの戦争映画『ハンバーガー・ヒル (Humberger Hill)』、、、と言っても、ご存じない方もおられるかもしれないが、その"HILL"であろうか。
因みに、ベトナム戦争の激戦地であった丘、通称「937高地」にて、兵士が爆風や銃撃戦でミンチのようにズタボロにされ、まるでハンバーガーのようにされるといった比喩的な意味が、この映画のタイトルの由来であるらしい。
すると、写真の看板は"SLED HILL"、つまり「ソリ滑り用の丘」について何かを警告しているのか。
その後ろに続く"UNSUPERVISED"という単語、、、スーパーバイズ(supervise)するとか、スーパーバイザー(supervisor)って日本語でも聞いたりするな。。。
確か、「管理する」とか「監視する」とか「監督する」とか、そういう意味か。
そして、"…is supervised"で「受身形」だから「管理(監視)されている」、、、とか?
ん?いやいや、アタマに何か付いてますぞ。
"UNSUPERVISED"
あー、これこれ、アタマに"UN"が付くと、逆の意味になるんだったよな。
"fair → unfair"とか"lucky → unlucky"とか"happy → unhappy"とか。
すると、"UNSUPERVISED"は「管理(監視)されていない」ということになるのか。
ここまではいいとして、その下の極めつけが"SLED AT OWN RISK"である。
"at own"って、「自分で~」とか「自分の~」とかいう意味で、よく「あなた自身の(で)~"at your own…"とか「私自身の(で)~ "at my own"」とか使われたりする。
ここでは、"your"とか"my"とか所有格が省略されているものの"AT OWN RISK"、即ち「自分のリスクで~」という意味となろうか。
続けて読むと、、、
"SLED HILL IS UNSUPERVISED"
(この)ソリ滑り用の坂は、監視されていません。
"SLED AT OWN RISK"
ソリ滑りは、ご自身のリスク(自己責任)で
うん、、、何かこう、、、ちょっとドライな印象を受けるのは私だけだろうか。。。
確かに敷地や建物の中で、誰かが怪我をしたりすることがある。
その怪我をした人が「この敷地(建物)は危険な状態にある!オーナーや、管理する立場にある者は、私のような訪問者が、このような怪我をすることは十分予測できた筈であり、危険防止策を講じるべきであった! 要するに、私の怪我(損失)は未然に防げたにもかかわらず、必要な措置を取っていなかった。損失を賠償せい!」などと主張することもある。
そのような"Owner's Liability(オーナー責任)"とか"Occupier's Liability(占有者責任)"とかが問われる事態は、別にアメリカでなくとも発生する。
ただ、特にアメリカのような「訴訟社会」では、いかに難癖付けて金をせしめるか、ということを日々考えている人たちもいるようなので、上の看板って、お国柄も踏まえて観ると、何だか端的に先手を打つようなメッセージにも見えてくる。
有名な「マクドナルド裁判」みたいに懲罰的損害賠償を命じるような訴訟も怖いので、アメリカのメーカーも自社製品に、あの手この手で免責の文言を入れたりもする話もよく聞くが、パッと見たとき、何かそういった牽制的な一面が垣間見える看板という気もしたのだ。
話が段々と大仰になってきたが、日本でも婉曲的ではあるが、免責文言の入った看板はよく目にするので、「別に同じことだ。面白いこともないじゃないか!」と言えなくもない。
うん、日本っぽく書くと「保護者の方が付き添うなどして、お子様の安全には十分にお気を付けください。万一、事故等が発生した場合であっても、当管理局は責任を負いかねますので、あらかじめご了承お願いいたします」といったあたりになりそうな気がする。
それを単刀直入に「やるなら、自己責任でどうぞ!」的な英語看板のニュアンスが、より率直であり、興味深く感じた次第だが、各位はどう思われるだろうか?
興味深いと思うか否かは、まあ「ご自身の判断 "at your own judgment"」で。
(完)
~おまけ~
神秘的な雰囲気の「チューリッヒ湖」