伊号潜水艦好きとして。
潜水艦オタクとして。
ヘッダーがサーモン級では? と思った人、ようこそ丸木舟へ。
何気なく記事を開いた方、どうぞくつろいで「こんな趣味もあるのね」
くらい軽く触れていただけると幸いです。
言うてる間に戦後80年経とうという、2023年。
現在日本潜水艦は、海洋国家たるこの国で大いなる期待を持たれつつ、核保有禁止のため通常動力使用の制限下にありながらも、公開される性能は一線級の性能を保証しています。
その性能は日本近海における局地戦においてであれば世界随一とさえ呼ばれる程ですが、そのあたりは専門家にお任せして。
これら海上自衛隊の誇る潜水艦群に対し、旧日本海軍の伊号潜水艦群を引き合いに出し「あの頃とは大違いだねw」などという評を下す人間が一定数いる。というのはあながち被害妄想ではありません。
伊号潜水艦(以降伊号潜)は当時の太平洋艦隊司令長官ミニッツ提督をして空前絶後の無理解で生まれた船(要約)と評され、
事実、伊号潜は制海権を失った後の離島へと"消耗した高速輸送船代わりの駆逐艦の代わり"として危険な浅瀬を這いずり回りその多くを損失しています。
まあ電子機器事レーダーの未搭載などは潜水艦だけに限った話ではありませんし、司令部の運用面における現場無理解等も同じくなので割愛するにしろ、
悪名高き回天魚雷とて安全深度が母艦に劣り攻防共に性能低下著しく改善を求むも、結局終戦までに解決した説と解決したけど量産が追っ付いてない説があったりと。
なんにせよグダグダなまま終戦を迎えたのですが、損耗率が8割に届かんとする勢いでドイツ潜水艦に次ぐ被害率という不名誉付。
ではグダグダになる前は上手い事いっていたか、というとそういう事でもないのがミソ。
というのも伊号潜はそもそもの運用が艦隊決戦の補助戦力であり、通商破壊が主任務ではありません。
想定はしていたのが潜水艦史などで読み解けますが、概ね「対艦艇の技量向上により転用可能」程度の認識でいたと見て良いです。
しかしご存知の通り真珠湾攻撃に大成功し(この際空母は撃沈出来てないとか貯油タンク無傷とかは置いておくとして)米太平洋艦隊が壊滅したわけですが、
これにより伊号潜が行うハズだった、アメリカ艦隊が日本へ来るまでにその戦力を偵察し魚雷によってちょっかいをかける作戦が無くなってしまいました。
とは言うものの、
紆余曲折あって真珠湾攻撃の戦果一部おこぼれを貰った縁もあり、同じ攻撃法で通商破壊がてらシドニー湾襲撃をやってみたけれども上手く行かなかったり、
米西海岸を襲ってみたり、
日本空母艦載機の為に気象報告をやったり、
ガダルカナル島では情報錯綜によって全く事情把握の出来ていない海軍への 情報伝達を続けた伊号潜がいたり。
果てはドイツへ40,000哩の旅をしたり。
そう、伊号潜は戦争を通じてであれば欠陥兵器としての評を下されがちではあるものの、戦争中を細かく紐解いていくと決して暇をしていたわけではないんです。
ではなぜ酷評をされがちなのか?
僕含めミリタリーオタクは比較して冷静に判断して呆れたり笑えるのが趣味と思っていますが、伊号潜はコレの格好の餌食です。
なんせ相手には全く困りません。
同じ同盟国であり、ビジュアル系国民的大人気潜水艦であるドイツ潜水艦Uボートの数々。戦果にはイギリスをボコボコにしただけで十分ですし、艦長ネタにも事欠きません。
アメリカ潜水艦に至っては伊号潜の持たない各種レーダー満載、日本水上艦艇を存分に食い散らかす武勇伝付き。
これらが災いしたのに加え、戦中遣独作戦においてドイツへ到着した伊号潜が現地でかなり酷評を受けたのも手伝っています。
エンジンは太鼓を叩くような騒音だとか、サイズが大きすぎるとか。
伊号潜のサイズが大きい事は外洋航行性能や凌派性、太平洋という広大な作戦域をカバーするための高速性に必要なのだ、
と説明し理解を示された節がありますが、この説明を省きただ酷評を受けたとするのみの資料もあります。
これらが手伝って伊号潜というものは古くから嘲笑、が主流とは言いませんが大体残念な兵器として語られてきました。
しかし昨今、某擬人化ゲームを皮切りに、それまでのカジュアルな層から深くまで足を踏み入れる人々が現れ始め、ようやくミリタリーオタクの主流層にも伊号潜に対する認識が改善、浸透が進んでいるとみて良いでしょう。
ですが、それは伊号潜に対する日本海軍全体からの俯瞰像が大いに影響を与えていることも事実です。
伊号潜を当時の世界情勢、懐事情、技術面、情報、工作任務、そして対峙する英米他の連合国輸送船・駆逐艦・掃海艇他との相互関係……視野を狭く深く、しかし角度を大きく変えながら批評は誰も出来ていません。
…….いや、もしかしたら探せば出て来るかもしれませんが、僕が調べた限りでは満足いくモノを見つけられてはいません。
なので、自分で作ります。
幸い、僕には及第点には遠いもののVtuberとして全環境を自作出来、物書きとしてアマレベルであれば作文もちょっとは出来ます。
無ければ自分で作り上げる他無い。
必要は想像の母です。違うか。
人生の辛い時や行き詰った時、何より心の支えであったのは自分とそう変わらない歳で当時工場へ勤労奉仕へ行ったり、特攻機に乗り込んで戦死した少年青年達の苦労、
それでなくともあの激動の時代を生きた人々の記録は、こんなもので折れてる場合ではないと踏ん張る理由には十分でした。
30歳になった今年、何か恩返しをしたいなぁと思ったのと、丁度良く潜水艦史について深堀する機会に恵まれた為にこういった活動をするに至ったのです。
普段はのほほんと、しかし自分の足らない性能を補うべく不定期で潜水艦オタクとしてVtuber配信しております。
この度Twitterが轟沈したためnoteを開設してみましたが、不振に終わる場合は早々と撤退するでしょう。
では一週間に一記事を目指して。
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