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Fast Docorで働いてみた体験レポート

継続は力なりと言うことで久しぶりの投稿。
臨床医をやめて、研究に従事するためにもお金は大事。
小遣い?生活費を稼ぐためにも、効率的なバイトを探して行き着いた先のお話。

今回は、FAST DOCTORで働いてみた。

なんとかしてみた系の記事はよく見かけるのでネットで検索してみたが、なかなか”FastDoctor(以下、FD)で働いてみた”の記事は見かけなかった。需要があることを期待。

情報操作などで運営側から書かないように言われている?可能性を危惧しつつ、内容に注意しながら記載。

今回は、元?現?救急医ドクターとして働いてみた。


【登録まで】FAST DOCTOR初体験!どうやって登録したのか?

初回の勤務までは驚くほどスムーズ。
LINEで登録すると、個人情報を添付して送るとすぐに初回勤務の日程をこちらから希望を出してくださいとのこと。

本当に、医師免許証と個人情報を渡しただけで、即実戦投入という感じ。何個か、オンライン診療の注意点やカルテ記載の注意点を記したパワーポイントを読んでからだったが、医師としての必要とされている感じはすごく感じる。ただ、他の医療関係者の採用は比較的厳しい?(友人のNsからの話では)なので、医師だけ特別? まぁそれはいいか。

【初勤務】これがオンライン診療の現場!自宅での初勤務体験レポート

で、初回勤務。夜間の勤務となったため、自宅の、、、しかも、、、脱衣所で。だって、子どもたちが寝ている時間で、一番影響のない部屋はそこしかなかった…。
パソコンの画面で、FD専用の患者待合室的なところにログイン。
受付順だと思うが、上から自分の担当患者さんが運営側から割り当てられる。
割り当てられていない患者さんの情報は名前のみが見えるようになっていて詳細は見えない仕様。

早速担当となった患者さんの対応。カルテを開くと、主訴や既往歴が本当に簡単に書かれている。カルテ記載画面とともに患者さんに通電する画面があり、通電するとビデオ電話できる仕組み。

ちなみに電話診療ではないので相互に顔が見える状態でないと診察はしてはいけないことになっている。脱衣所の背景を気にしながらなんとか脱衣所で仕事をしていることはさとられないようにしながら、ビデオ通話。病歴などを聞きながら、診断、治療方針、増悪時の対応などを話しながら、カルテの記載および処方薬(セットが組まれている)や重症度の判断や翌日以降の指示なども行う。 

運営側にはカルテを開いたときが”診察開始”となっており、15分経過するとチャットボットで

LINE WORKSでのトーク画面

↑こんなのが送られてくる… これが正直最初はちょっと鬱陶しかった。 

運営側としてはやはりコスパが大事で、1人あたりの診療人数がある程度予測できたほうがいいんであろう。
ちなみに、給与形態は、歩合給と固定給のどちらかを選べる。そのため、時間制限の制約はあったほうがいいのだろう。

【カルテ記載】初診察はドキドキ!オンライン診療

診察時間は確認してみると、やっぱり要領がわかっておらず16分程度かかっている。処方の仕方や保険病名に注意しながらカルテもきちんと記載すると結構ギリギリの時間になる。患者さんには感謝してもらえて、そんなにしんどくない。内服薬や外用薬の処方のセットも豊富で、小児の患者さんが多く体重あたりの処方量に設定されており、急性上気道炎、扁桃腺炎など簡単なものには対応できるようになっている。
 最後に、カルテ記載(主訴、現病歴、身体所見、Assessment&Plan)に加えて、翌日以降のフォローの必要性、重症度、処方が必須項目でそれらを記載するとカルテが確定できる。小児の場合には体重も必須項目。

【勤務終了後】初回3時間勤務で感じた救急医療の可能性と課題

勤務は場合により1時間の細切れの時間の場合もあるが大体は最低3時間程度の枠で用意されている。初回勤務は確か3時間程度で9人ほどの診察。
様々な患者さんだが、1割程度には病院に行くか迷ってます的な方がおられる。
 こういった患者さんをうまく説明して、本当に緊急性がない場合には経過を見ていただけるように説明して行けば、FDの期待している救急医療の切迫は回避されるんではないだろうかと思う。ER医としても、やはり夜中に軽症の患者さんであふれかえる救急外来は患者、医療者双方に不利益なんではないかと思っていた。この考えはFDの創設者の菊池先生に賛同する。
 また、医師としても病歴聴取の重要性を再認識したし、限られた情報での診断や今後の経過の注意点などやはり救急、特にER型での修行が効果的だと思った。ただこれには診療後のフィードバック(ポジティブもネガティブも)が必要だと思い、後日運営側にも持ちかけてみようと思う。

【給与面】気になるお給料!固定給と歩合給、どっちがいい?

で、給与面。最初に、”固定給”と”歩合給”が選べて、途中で一度だけ変更可能とのこと。最初はよくわかっていなかったので”固定給”とした。
 歩合給は、与えられた時間あたりの診察件数で何件以上はインセンティブが発生する仕組み。時間帯あたりの件数をざっと見てみると、結構短時間に多くの患者さんを見る想定。少なくとも1件あたり15分もかけていると歩合給は割に合わない計算となる。個人的には、やはり歩合給になると1人ひとりの患者満足度および診療内容的にも不安が残るので、今後も固定給にしようと思っている。
 歩合給には件数別のインセンティブとは別に医師の今までの診療内容を考慮して1件あたりにインセンティブがつく制度も並走している。つまり診療内容が良い医師、具体的にはカルテ記載が詳細、保険病名と処方内容が一致している、患者満足度アンケートの点数が高いなどであるが、そういった医師には診察1件目から数百円程度のインセンティブがつくようになっており、歩合給でもモチベーションを高められるようになっている。固定給の方にもこの制度が追加されるのかは不明。固定給の方にもこういった医師のささやかな努力への配慮を検討いただきたいと思う…
 給与の額面としては、まぁ当直バイト1回分と比べると比較的安め。だが、時間を固めて入ったり、深夜帯(午前0時から午前6時)などは比較的高時給。1ヶ月あたり20時間も入ればある程度の稼ぎにはなる。

【勤務について】子育て世代のリアル!オンライン診療の時間帯と働き方の実情

 勤務について、初回勤務後は、勤務希望をLINE経由で応募する形となる。基本的には最低3時間からの枠の設定で、最大6時間連続勤務枠が設定されてる。ここが思っていたのとは違ったところで、自分の好きなときに勤務はできない…ここは普通に考えたらそうだけど、自分の都合が付いたスキマ時間に診療するスタイルを望んでいた。 

 時間枠は朝食時、午前中、午後15時頃から夕食時などなど。どうしても在宅で仕事ができると言っても、最低3時間の固定された時間。我が家の生活周期的には子供たちが寝てからの数時間か真夜中ぐらいしか選択肢にない。これがトホホという感じ。
 応募時間枠と日常生活の時間管理に慣れていけば時間と子育てを両立しながらも可能なんであろうけど。そのためにはどうしても子どもに邪魔されない時間帯や環境が先決。脱衣所を占領してしまうので、家族がお風呂に入れないなどの問題点も解決していかないと、などなど。

初回勤務を終えていろいろな収穫があった。効率よく、バイトもしつつ子育てもしつつ。
そのためには一つのツールを得た気がしたが今後の活用の仕方次第。
今後も定期的にFDについては呟いていきたいと思う。



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