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紅葉の人懐かしく🍁



昨日、友達と紅葉を見た

その友達は新しい友達で
一昨年まで一緒に紅葉を見に行った友達(Kさん)ではない

私は新しい友達(Yさん)に『金剛山の登り口に連れて行って欲しい』と言った

彼女は屈託もなく、車のハンドルを握り、その場所に連れて行ってくれた⛰️



思い出の道を辿る

横に座る彼女は
頬がふっくらしていて
快活で、よく喋る

もう会えなくなった友達は
痩身で、無口だった
よく話を聴いてくれる人だった


去年Kさんと会えなくなったのと
入れ替わるように、Yさんと出会った。彼女はごく近所に住んでいた。それまで出会わなかったのが、不思議なくらいだった

Yさんはチワワを飼っている。Kさんもチワワを飼い、しかも難病を抱えていた。とても優しい人で、一人暮らしをしている私をとても気遣ってくれた。

二人とも病気の苦しみをあまり愚痴らないので、しばしば私は彼女たちが難病を患っていることを忘れそうになった。そのことを私が謝ると
『あなたにはまた違う苦しみがあるから』と気遣ってくれるのだった



紅葉はまだ見頃ではなかったが
Kさんが好きだった
緑と赤と黄色の三色の紅葉だった

それぞれが、それぞれの色を引き立て合い、補い合い、美しい饗宴をしているようだった💚❤️🧡



登り口付近に車を停めて
私たちは少し歩いた

私もYさんも足が悪いので
ほぼ同じ速度で
ゆっくりゆっくり歩く
その速度は
落ち葉が風に揺蕩うようで
とても心地よい



坂道の下に川が流れていた
何人か男の人が釣りをしていた
彼らにはこの優雅な紅葉より
活きのいい魚を釣ることの方が
ワクワクする楽しみなのだろうなぁと、その少年のような姿を微笑ましく見ていた


『寒くなってきたね
帰ろうか?』と私が言うと
Yさんは『そうだね』と答えて
家から持ってきた、サーモスポットに入れた温かいお茶を私に差し出した

『やけどしないように紙コップを二重にしといたからね!』と彼女が言うと、私は目頭が熱くなった

何て優しい人なんだろう!

そういえばKさんも
    こんな人だったなぁ…



今は会えなくなった人の面影を辿りながら、私たちは帰路についた

優しい人は何てたくさんの芳しい残り香を、さりげなく置いて行ってくれるのだろうと、そんな感慨に耽った、紅葉の一日だった🍁


<YさんからのLINEより>






<Kさんと見た紅葉🍁>




『君を映す秋の空』
        Aino uta




『君を映す秋の空』
Aino uta

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