菫を供う
題名も つかないような 想い出に
淡いむらさき 菫を供う
先日、うららかに晴れた土曜日に
社でお世話になったAさんの三回忌がありました。
Aさんは博識で、こちらが尋ねることに
いつも答えてくれる方でした。
それでもけして驕らず、いつも穏やかで、
誰にでも優しい方でした。
法事のあとの会食のとき、
参加者がそれぞれ想い出を語ったのですが、
どの想い出もほのぼのと淡く、
やはり優しい色合いでした。
私はその夜、やっとAさんを亡くしたことを
泣くことができました。
コロナ禍ということもあって、ご葬儀も
ご家族だけで営まれていたので、
どこかでAさんの死を実感していなかったのでしょうね。
みんなで集まって、Aさんの話をしているのに
なんでこの場にAさんがいないのだろう、と、
それがどうしても納得できないのでした。
そんな想いから生まれた歌です。
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