ブランド薬師(八櫛神社) ~里山歩きのススメ。Part15
その名も「ぶらん堂」
長野市の北部。浅川地区に、「ブランド薬師」と呼ばれる神社がある。
正式には、「八櫛(やくし)神社」と言って、岩場の隙間に御神体となる「少彦名神(すくなびこなのかみ)座像」が安置され、岩に開けた穴に水平に差し込んだ3本の柱で支えられた社殿が守っている。
石の上に建てられた神社もあるが、懸造(かけづくり)の中でも少し珍しい構造の建築だとか。
現地の説明板には、「不落堂」「フラン堂」「ぶらん堂」など、ブランド薬師の謂れが様々記載されているが、建物全体が揺れて「ぶらぶら」することから「ぶらん堂」と呼ばれたとも。
江戸時代には、「ぶらんど薬師」の名称で、当地において名所としての記録が残っているそうだ。
薬山
ブランド薬師があるのは、「薬山」といわれる里山である。
地図にも書かれていない山名であるが、参道には十三仏の石像が置かれ、古くから信仰されてきたことがわかる。
「浅川ダム」と「浅川ループライン」
薬山は、長野市から飯綱高原に向かう「浅川ループライン」のすぐ西側にあり、北側の参道を下ったところは、穴あきダムで知られる「浅川ダム」の上流部になる。
浅川ループラインは、浅川ダムで水没する地域を迂回するため、らせん状の道路で高度を上げたバイパス道路で、一気に200メートルほど標高を上げてトンネルに繋がっている。
ウォーキングを兼ねて薬山へ
登山口となるブランド薬師公園口まで、自宅から3キロちょっと。
天候不順や休日仕事が重なって、約1か月ぶりの山歩きになったので、今日は車は使わず、自宅からウォーキングを兼ねてブランド薬師を目指す。
ブランド薬師公園
浅川沿いの旧道脇に、「ブランド薬師公園」があり、これが登山口となる。
急な石段を登り、急斜面をつづら折りに登っていく。
3月になって降った湿った雪も、ここ数日の天気ですっかり解けたようだが、北側斜面の日陰には、所々に残雪も。
八櫛神社(ブランド薬師)
距離はわずか。
標高差も300メートル程度なので、30分ほどで八櫛神社にたどり着く。
社殿は、床の隙間から下の崖が見え、少し心許なく、ぞわぞわ感。
お詣りだけして早々に展望広場へ。
展望広場でしばし休憩し、山頂部を経て、北側の参道口に向かう。
更に下ると、浅川ダムの上流部を渡りループラインのトンネルの先に出ると、そこは浅川ダムの上部になる。
ブランド薬師の登山口は、ダムの向こう側、出水口の先になる。
振り返ると、飯縄山を望むことができた。
日差しが心地よく、のんびりとお散歩がてら里山を歩くことができた。
ここも、私にとって定番の里山歩きコースである。