雁田山(信州小布施町)~里山歩きのススメ。Part20
梅雨明けの一日
7月18日。関東甲信越に梅雨明けの発表があり、午前中から暑い一日となった。
この日訪れたのは、信州小布施町の「雁田山」(かりたさん)。
特産の栗を使った栗菓子・栗おこわなどで知られる小布施町。
その中心街からほど近いところに「岩松院」という寺があり、寺の脇を進んだところに登山口がある。
岩松院
「岩松院」は、曹洞宗の寺で、葛飾北斎が晩年に描いた「八方睨み鳳凰図」が有名である。
天井に描かれた鳳凰図の特徴は、室内のどこから見上げても、鳳凰に睨まれているように見えるというものだ。
細かな計算に基づいて描かれたものとの説明であった。
一度は訪れてみるのもいいだろう。
苅田城(小城・大城)
雁田山は、少し離れたところから全体を眺めると、雁が羽を広げているような山容をしていることから名づけられたという。
岩松院横の登山口から、まずは「小城」を目指す。
「苅田城」は、小城と大城からなる古城とのこと。
登り始めからわずかで、物見の「小城」に到着。
更に岩場を登ると見晴らしの良い「大城」へと至る。
大城からは、やせ尾根を進み、千僧坊(雁田山山域の最高地点)に至る急登となる。
千僧坊
千僧坊は、雁田山の山域の最高地点で、苅田城(古城)の一部といわれている。
標高は、782.7 メートル。
梅雨明けの暑さの中では、平地とさほど変わらない気温ではあるが、梅雨時に比べると、流れる汗に風が当たると少しばかり息をつける。
展望園地
千僧坊から尾根を歩くと、展望園地に至る。
ここは、雁田山山頂ではないが、東屋などが整備され、比較的広々とした休憩地で、善光寺平から北信五岳、天気が良ければ北アルプスまで見通すことができる。
休日になると、地元のグループや育成会など、多くの人が休んでいる展望園地であるが、この日は平日ということもあってか、貸し切り状態だったので、日差しを避けて東屋でしばし休憩させていただいた。
暫らく雲の動きを眺めつつ、妙高山が顔を出すのを待ったが、北信五岳全景を望むことはできないまま、山頂を経て下山することにした。
雁田山(反射板跡)
展望園地から暫らく進むと、山頂である。
山頂は、反射板跡で、反射板が設置された基礎コンクリートが残っているのみで、地元ハイカーによる手作りの山名版が掛けられている。
ここからは「すべり山」の斜面を下ると、南側の登山口に下山する。
山際には、シャインマスカットだろうか、ブドウ畑や桃畑が並び、岩松院までは数百メートルで周回できる。
部分的に急な岩場もあるが、危険な場所はなく距離も短いので、3時間から4時間で周回することができ、展望も良いルートなので、初心者でも十分に楽しめるおススメのトレッキングコースである。
小布施温泉
下山後は、すぐ近くに「小布施温泉」(穴観音の湯、あけびの湯)があり、ここで汗を流して帰宅するのもいいだろう。
この日の「穴観音の湯」は、浴室に続く階段の踊り場に置かれた夏を感じさせる飾りつけが涼しげだった。