前回、駐在帯同者への就労サポートについて書きました。働き方が変わり、家族のあり方が変わる中で、企業側の支援が追いついていない、という趣旨でしたが、海外と日本を比べたときの違いもありました。
先日、駐妻キャリア総研の研究員メンバーが共有してくれましたが、EYからこのようなレポートが出ており、外資系企業と日系企業の対比をしています。
日経新聞でも取り上げられていました。
※DE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)に関しては、日本生産性本部の言葉を借りると、「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」とは、従来、企業が取り組んできた「ダイバーシティ&インクルージョン」に「公平/公正性(Equity)」という考えをプラスした概念とのこと。
「単身赴任」に該当する英語はない?
私自身もですが、日本において、配偶者の海外駐在に帯同しない(別居生活をおくる)という選択肢をする人も多いのではないでしょうか。
書籍「変革せよ!企業人事部 テレワークがもたらした働き革命」によると、日本人海外派遣者の単身赴任比率が際立って高いようでした。
さらに、面白いことに、以下のような調査結果もありました。
ここでバチェラーという単語に出くわすとは思いもしませんでした。このように、国やある一定の文化圏に根ざした「家族のあり方に対する価値観」が、企業の家族へのサポートのあり方に影響する度合いは低くないと感じました。
海外の企業における海外駐在時の帯同者就労サポート
permits foundationという国際的NPOが、駐在員パートナーに関する調査を行っていることを知りました。2022年のレポートでは、実に78%の企業が駐在員家族の共働き支援を行っており、3/2の企業でコロナ禍から継続している、という結果を出しています。
また、企業が駐在員家族の共働き支援を行う理由として以下を挙げています。そもそも自社の利益につながるという理由が多いですが、従業員の家族と自社の利益を構造的に捉えてることができているとと思います。
また、具体的なサポート例として以下が挙げられていました。
「家族のあり方」を優先度の高い判断軸へ
企業なので、経営判断として費用対効果を理由に帯同者のサポートが限定的になってしまうことも多いと思います。
ただ、その判断をする際の優先順位の付け方に、前述の国や一定文化圏における「家族のあり方に対する価値観」は非常に大きな影響を与えると思います。
帯同者の就労という観点でみると、日本企業においては、2つの側面で海外企業から遅れを取っているなと感じます。
・共働きと自社メリットの構造化
・共働きの支援