はじめに…リーズ国際ピアノコンクール2024の取材に行きます[1]
リーズがすべてのはじまりだった
今や私はなぜかピアノコンクールの取材をしまくっている人のようになっていますが、全ての始まりは、約20年前のリーズ国際ピアノコンクールでした。
当時の私はまだ学生で、フィールドワークのためにインドのスラム通いをしていました。ピアノ雑誌のバイトの面接にいったら、来週からリーズ行って〜と言われ、荷物持ちと通訳のために駆り出されたという。
インドのスラム住民にしかインタビューしたことのなかった人間が、突然、中村紘子さんのインタビューだといって高級ホテルの薄暗いラウンジに駆り出され(審査員を務めていらっしゃいました)、紘子さんの真ん前に座らされているその心境。中村紘子さんの目力を体験されたことのある方ならきっと、いやそうでなくても察していただけるでしょう。人って焦りすぎるとほんとうに冷や汗出るんだ、って思いましたよね。
そのときのわたくしの汗びっしょりエピソードは、実は2018年に上梓した中村紘子さんの評伝「キンノヒマワリ」のまえがきとあとがきで紹介していますので、未読の方は気が向いたときにぜひ。
さて、そのリーズ国際ピアノコンクール。当時はまだ名教育者かつ地元の名士だったDameファニー・ウォーターマンがご健在で、数十年にわたり審査委員長に君臨していらした時代です。
優勝者は、フィンランドのアンティ・シーララさんでした。日本人では大崎結真さんが入賞、あとはナイジェリア&イギリス国籍のソディ・ブライデさんが第6位だったんですよね。ソディなつかしい。あれから20年経ち、これだけ時代が変わった今でも、未だアフリカ系の血を引くクラシックピアニストが珍しいという事実を、今あらためて、これが現実なのだなと感じています。世界は混ざり合っているようで混ざっていない。もちろんみんなが西洋クラシックをやる必要は全くないけれど。
そして“多様性”といえば。
今回のリーズ国際ピアノコンクールは、ジェンダーバイアスに真剣に向き合うことをテーマとしているのも特徴です。詳細を見れば見るほど、ものすごい試みだな、これうまくいくのかなと不安になったりならなかったりしますが…その件はまたのちほど。
日程と配信リンク
これからの日程は下記のとおりです。
2024年
2次予選 9月11日(水)〜13日(金)
セミファイナル 9月15日(日)〜17日(火)
ファイナル 9月20日(金)〜21日(土)
演奏順はこちら。
日本の丸山凪乃さん、牛田智大さんはともに12日に登場です。
もちろん配信もあります。
2次のライブ配信はこちらから
今回もいつもみたいにどこかの媒体でじゃんじゃんばりばり書かせてもらえたらなと思っていたんですが、案外みなさまリーズへのご関心が低空飛行気味で、結果、つれづれなるままの記録はこちらのnoteに書くことにしました。
というかnote、普通に自分のウェブサイトに書くより皆さんの反応がわかるから、どんな内容を皆様が求めていらっしゃるのかもわかって良さそうですね。
というわけで遅ればせながらのnoteデビューとなります。
書きたいことを書きたいように書ける場所があるのはいいね。
応援していただけるとどんどん書く気が起こりますので、みなさまよろしくお願いします!
ちゃんとしたステージ後のレポートは、このあとぶらあぼONLINEとWebONTOMOにどこかのタイミングで書く予定です。