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シン・仮面ライダー ドキュメンタリーとディレクション

昨日、見ようかどうしようかなやみつつ、見てきました。いろいろ否定意見もあるなかで、NHKのドキュメンタリーを見て、「やっぱり、出来上がりを見ておきたい」と思いました。

https://www.shin-kamen-rider.jp/

監督の役割の難しさ

庵野監督自体の映画は、独特の癖があり、大手を上げて大好きとは言えないのですが、取り上げる題材と企画が興味をそそるものが多いです。
今回のドキュメンタリーを見て、”見えてないものを、作る難しさ”を、ひしひしと感じました。
多分、監督自身の中でもプリプロから、撮影、編集等のフェーズでいろいろ心境が変わっていったのかなと思います。最初から、”これが完成!”っていう画を提示できると、撮影、制作はスムーズに進むのは確かですね。
ただ、それは今回散々言われてきた”型”をやってるだけになりがちです。そこに意外性とか、現場で出てきたハプニング的な予定調和で収まらない何かが良い作品には必要なんですよね。

「型をやっているだけ」を考える

ドキュメンタリーで再三出てきた、”型”とか”段取りをやってるだけ”というワード。
デザインの場合では、特にWEBディレクションはそういう意味では、もう予定調和の塊かもしれません。映画と違うのは、WEBは最終的には繰り返しつかうツールということです。(あ、まれにキャンペーン的にインパクト狙いの期間限定というのもありますね)
だから、UI/UXを考えて綿密な設計と指示、出来上がりの形を想定したディレクションが必要になります。どちらかというと、自動車や家電などのプロダクトと同じカテゴリかと思います。

ところが、グラフィックデザイン、特にポスター・フライヤーなどの画でのインパクトをねらうものは、先程の映画と同じような新しいなにかを入れ込まなければならないカテゴリだと思います。
ほんとに予定調和的に収めるなら、CANVAのテンプレでいいかと思います。
あれなら、だれでもできますもんね。もしくは、AIがやればいいのかなと。

自分に依頼されるからには、何かしらその型を少しでも外す工夫をしなければならないとは思います。例えば、デザインであまりよろしくないハレーション配色や、フォントのジャンプ率をフラットにするとか、違和感を出すエッセンスを色々試すことをやっています。もちろん、本筋にはずれるエッセンスは本末転倒になりますけど、そこが腕の見せどころになります。
お料理と一緒かもしれません。ありえない食材を少量加えることで、ぐっと奥行きとインパクトが出るってことありますね。ただ、なんでもいいかというとそうではないと。。。。

基板の袋を使ったジャケット ロゴは、あえてノイズを混ぜたカスレを使った
ギタリストのジャケット photoshopで
イラストは、雑誌を切り貼りしてコラージュを自作

こういう工夫は、映画のフライヤーで色々なアイデアが見て取れます。毎回あつめていて、ワクワクする資料になりますね。

適度に力を抜く

これも、毎回やってしまいがちなんですが、自分の中で盛り上がりすぎて、工夫をてんこ盛りにしてしまい、味が濃いーいこってり料理担ってしまうことがあります。
一回、やりたいことやりこんで、あとで時間をおいて抜いていく作業をします。味見ですかね?<あ、料理の場合は抜けないですね。。。>

ただ、これも”せっかく作ったのに”感が足を引っ張ることがあります。特に、ツールに慣れてない頃には、何時間もかけて必死でやり方覚えて工夫したのに、自分で不採用にするのは、心が痛みますよね。

シン・仮面ライダーの完成形を見たときに、実はドキュメンタリーでこだわってたカットがバッサリ抜かれていたようです。あれができるのが、やっぱり映画監督という職業のスキルなんだと思います。でも、あとで現場の人達から嫌われるだろうなぁと心配しますが。。

映画の感想としては、面白かったですが、やはり盛りすぎ感は否めない。でも、役者さんのアナログな演技がほんと良くて、それで最後まで見れたかなと思いました。森山未來さん、柄本 佑さんはオーラありすぎます。浜辺美波さん、可愛かった。。池松壮亮さんは、独特。個性の塊ですね。


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