売れるまでの時間残り39秒 5

知る、好きになる、信頼する、買う

私たちはだれでも、信頼するものを買い、好きなものを信頼し、知っているものしか好きになれない。
「知る」→「好きになる」→「信頼する」→「買う」。
マーケティングの目標は、このステップをクリアすることにある。
「39ピッチ」の仕事は最後の「信頼」→「買う」の橋渡しをすることです。
人は自分の問題、苦悩、苦痛を自分以上に言語化できる人を信じる性質を持っているため、これをマーケティングやピッチ中にできれば、相手は信じてくれる。

マーケティングとはゾンビを蘇生させることである

私たちは潜在顧客・・つまりお客様になってくれそうな人たちに対して、メールやチラシや広告や電話によるアプローチをかける。
このとき相手から何かしらの反応がなかった場合、私たちはそれをゾンビと呼んでいる。
まず相手にアプローチをかけて何かしらのレスポンスがあったら、マーケティングが開始できる。
次に相手の問題を聞き出すか、相手に認識してもらいたい。
例 水道工事をしている人ならば
「水回りで困ったことはありませんか?」(過去)
「水回りで不便なことはありませんか?」(現在)
「5年以上使っている蛇口は劣化の恐れがあるのを知っていますか?」(未来)
などである。
これが電話やメール、ラインなどのチャットならばすぐにレスポンスがあるであろう。

次に発見したいのは、その問題が実際に苦悩(トラブル)かどうかである。
それは、相手のビジネスや人生に悪影響を及ぼしているかどうかがわかればよい。
質問の種類的には「〇〇(問題)からくる損は何ですか?」や
「〇〇はどういった影響を及ぼしていますか?」など。
先の例では
「水回りで困ったときの被害ってどんな感じでしたか?」
「具体的に不便ゆえに起きている損は何ですか?」
「劣化すると水漏れや錆の誤飲などがあるのをご存じですか?」

ここで「一定量の影響があります」という答えをもらわなければいけない。
なぜなら問題だと思っていることも「たいして人生に影響していない」と思われたら、人はそれにお金を払ってまで解決しようとはしないからです。

ここで影響があるなら買う見込みのあるお客様、つまり「見込み客」となります。
そして、目の前にその見込み客がいるなら「39ピッチ」が発動されます。
目の前にいない場合はネット上で見込顧客がだれなのかわかるように
「リードマグネット(見込み客磁石)」と呼ばれるものと交換で、お客様のプライベートな連絡先をもらう(リストを取る)か、直接ランディングページ(セールスページ)に買い手を誘導する。
リードマグネットの例
・電子書籍
・動画
・録音
・テスト結果

調査でアンケートは取らない!
正しい質問を多くする

調査は基本、買い手の問題の詳細をしるためにある。
「何をどうやって売ればいいか」という情報を集めるのが目的です。
ただアンケートは「聞き方次第でいくらでも答えが変わるもの」で人の真意を測るのは難しく、結果があいまいになりやすいです。

現在の脳科学でわかっていることは、人間は無意識で決断して買うということ。であれば意識して答えるアンケートに「買う本当の理由」はない

ボタン1個で片付くサービスは売れない

商品が簡単である場合、その商品の価値を低く見る人がいるのも事実である。
つまりお客様は「お得である理由」を探す
意外に思うかもしれないが、逆にパッケージを「全部簡単でなにもしなくてもよい」と見せてしまったら、人は疑い、その商品を買わなくなる
イケアという会社は「自分でつくる」を売りにしている
あえて自分でやることに価値を感じていただき、そしてそれが“論理的に安い理由”で脳は納得する
すべて任せてもいいフルサービスのものなら、高額なうえに限定数があったり、手に入りにくいなどでなければ売れない
その際のキーワードは「なぜなら」になる
そのあとの理由があれば納得はしてくれる

広告で劇的な反応を取りたければ「3つのB」を使う

手っ取り早く、見る人が反応する確率をあげる方法は
広告業界でいうところのBBB、つまり
「Beauty(美女)」「Beast(獣)」「Baby(赤ん坊)」です。
これらを広告のどこかに絵か写真で入れたら売れる。

「美女」について


脳科学的な補足をいれるとしたら、よく言われる「美人の黄金律」というキレイの基準をまもっているならば、別に絶世の美女である必要はない
ベストは買い手に似ている年代と性別にしたほうがいい
ときには共感を得るため、逆に美しくない、一般人風がいい、ということもある。
そして、その一般人のまわりを美男美女にするほうが反応は取れたりする
理由は共感を得て、願望をかなえるからです。
注意点としては性表現を過激にしないことである。
私たちは美女に注目するが、美女にしか注目しない危険性もあることだけは覚えておきましょう。

「獣」について

じつは虫でも魚介類でも構いません。脳が反応するのは人類以外の生き物で「危険」「愛くるしい」「謎めいている」の3種類。
キャラクタービジネスをやっているところは大体この3つを押えている

意外性と商品・サービスのイメージが合うなら、イメージしにくい生き物でもOKです。
迷ったらとりあえず、一時はやった猫にするか、企業のCMなどでよくつかわるように犬にしておくのが無難なのかもしれない

「赤ん坊」について

赤ん坊の写真を見せた0.15秒後には脳の内側眼窩前頭皮質という部位が活性化する。
ここが活性化すると社会的にいいとされ、喜ばれる(報酬が支払われる)行動の決断を促す能力があるとされている。
つまり手紙に赤ん坊の写真があるなら返信を書くし、落ちた財布に赤ん坊の写真が入っているなら警察に届け、広告に赤ん坊の写真があるならそれをしっかりと読もうとする。

赤ん坊の写真はとくに買い手が親ならば効果的である。
女性ならば赤ん坊を見た場合、愛そうとするホルモンである「オキシトシン」が分泌される。これは購買に有利に影響する。
男性も似たようなホルモンが分泌される。

情報は欠けさせよ

完結したものには人間は興味を惹かれないし、買うという行動をしない。
映画の予告編も、予告編だけで何が起きるのか完全にわかってしまったら映画を見に行く人はいなくなってしまう。
丁寧に相手を思って全部いれようとすると、意味のない広告ができあがってしまう。

完結していないものは目に留まり、気になるから記憶してもらえる性質がある。ゆえに、ここ最近では「詳細はWEBで!」という促しがあったりする。
昔からあるのは「あなたが売り上げを上げるために必要な〇〇の法則!」
クリフハンガーとも呼ばれる手法である。
だがどちらかというといろいろと説明したあとに、
「完結はあなた自身で試してください。結果が出なかったら全額返金いたします。」というような流れが理想的である。

最初に自己紹介はしない

あなたの名前も会社名も製品も、相手は覚えていない。
人は自分に利がないものは覚えない性質がある。
無理に紹介しようとすると、よくて無視されるか、最悪は広告拒否という現象を起こして「絶対買わない!」という決断をさせてしまう。

目標は相手から「何をなさっているんですか?」や「申し訳ないですが、お名前なんでしたっけ?」と聞いてもらうことです。
そうなれば相手があなたに興味をもったことが確定している。

人間が印象を作るのは一瞬である。最初の瞬間に考えていることは「私に何の利点があるのか?」だけである。

間違った例
「私は〇〇会社の〇〇部で〇〇をしています。」
「私は個人で〇〇をしています。」
どちらも相手にフォーカスはなく、相手の脳は「私に関係ない」とすませてしまう。そうではなくて

「私たちはあなたのような個人事業主の方に、39秒で成約に結び付く「39ピッチ」という企業研修を提供しています。」
「私たちはあなたのような営業マンが2日半で2か月分の営業成績を出せる「39ピッチプログラム」を提供しています。」

これらをメディア用語ではサウンドバイトという
これを日常の会話に転用するにはまず「誰に対して」「何の結果を」「どうやって」ということが重要になります。

意味を教えないと、脳は名前さえ憶えない

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