Googleマイビジネスの使い方 6
集客効果を底上げする外部施策と管理テクニック
44 WEbに掲載されている店舗情報を統一する
これまで見てきたように、Googleマイビジネスは店舗のWEB集客(特にスマホを使う新規客の集客)にとって非常に重要なツールです。
店舗の「情報」をしっかり整備し、「写真」をたくさん掲載し、トピックを「投稿」し、ユーザーの「口こみ」に返信することこそが、Googleマイビジネスを最大限活かす方法です。
SNSや各種グルメサイトの店舗情報を統一する
・ローカル検索結果の掲載順位が決定される仕組み
ローカル検索結果では、主に関連性、距離、知名度といった要素を組み合わせて最適な検索結果が表示されます。たとえば、遠い場所にあるビジネスでも、Googleのアルゴリズムに基づいて、近くのビジネスより検索内容に合致していると判断された場合は、上位に表示される場合があります。
・関連性
関連性とは、検索語句とローカルリスティングが合致する度合いを指します。充実したビジネス情報を掲載すると、ビジネスについてのより的確な情報が提供されるため、リスティング検索語句との関連性を高めることができます。
特に
・店舗名称
・所在地情報
・電話番号
については、Googleマイビジネスの情報と統一したほうが良いでしょう。
これら3つの情報は、「予約・口コミサイト」「SNS」「自社ホームページ」それぞれの管理画面から編集を行ってください。
・グルメサイトの情報が表示されることも
Googleマイビジネスは「食べログ」「ぐるなび」「ホットペッパーグルメ」「トレタ」と業務提携をしており、ユーザーはGoogleマイビジネスの店舗ページからそれら予約サイトを通じて予約ができます。
45 SNSやブログを活用して相乗効果を狙う
・SNSは「ネットの中の集会所」
LINE、Twitter、Instagramなどの主要なSNSの利用者は年々増加していることがわかります。Googleマイビジネスの「投稿」とSNSの情報発信の内容を別に用意する必要はありません。同じ投稿ネタをGoogleマイビジネスのとSNSの両方で露出させれば良いでしょう。
・検索結果の順位アップにもつながる
「ローカル検索結果の掲載順位が決定される仕組み」というGoogleの公式アナウンスでは、「ローカル検索結果では、主に関連性、距離、知名度といった要素を組み合わせて最適な検索結果が表示されます」と述べられています。
この「知名度」とは、「ネット上で当該ビジネスについて多くの言及があるかどうか」のことであるといわれています。わかりやすくいえばGoogleマイビジネス以外のWEB媒体、SNSでその店舗・事業所についての情報がたくさん掲載されているかが、結果的に「Googleマイビジネスの最適な検索結果」に影響を及ぼすわけです。
46 写真で新規客にアピールできる「Instagram」
Instagramは国内ユーザー数が3300万人(2019年3月)を突破したといわれるSNSです。
話題になっていた初期のころは「10代、20代の女性向けのSNSだ」といわれていましたが、ここ数年では50代以上の女性、および世代問わず男性の利用者が急増しているそうです。
ハッシュタグの使い方が成否を分ける
企業やお店の立場でInstagramを運用したとして、どのようにすればお客様と接点が持てるのでしょうか?ずばり、それは「ハッシュタグ」に他なりません。
ハッシュタグは自分の投稿につけられるキーワードのようなもので、投稿ごとに30個までつけられます。半角シャープのあとに任意の言葉を書くと、それがハッシュタグとして機能します。
Instagramには投稿された写真や動画を検索できる箇所があります。
そこに言葉を入れて検索すると、基本的にはこの「ハッシュタグ」がついた投稿がヒットします。
「どのようにハッシュタグを使っているか」という調査結果によればInstagramでは10代から30代のハッシュタグ検索利用率が8割を超えています。
Instagramのユーザーたちは、友達のインスタ映え写真を眺めて「いいね!」する以上に、Instagramの中で探し物をしていると考えるのが自然です。
そのような「Instagramの中で探し物をしていると考えるのが自然です。そのような「Instagramの中で探し物をする新規客」と出会うためには、きちんとハッシュタグをつけて投稿をすることがもっとも大事なことになるのです。
企業やお店が使いたいハッシュタグ
市町村名、地域名 #静岡 #裾野
一般名称 #カフェ#ヘアサロン
固有名詞 #ほがらかカフェ#コンサルタント
上記を英語表記 #CAFE#SUSONO
日本を表すもの #JAPAN #madeinjapan
組み合わせ #カフェめぐり#おしゃれサロン
この中でも特に重要なのは「固有名詞」と「組み合わせ」のハッシュタグです。「店名・ブランド名などの固有名詞をハッシュタグ検索する」という回答が多いそうです。つまり
・その商品を使っている人の感想を知る
・その商品の使い方を知る
・その商品はどこで売っているかを確認する
などの意味で、固有名詞ハッシュタグの検索をしているものと考えられます。このような消費者に出会うためにも、固有名詞のハッシュタグは重要です。
47 地域のお客様と接点をもつ「Twitter」
「Twitterは国内ユーザー数が4500万人(2017年10月)を突破したといわれるSNSです。複数のアカウントを持つユーザーも多いとされるTwitterですが、重複はあれども、やはり相当な人数が利用していると考えてよいでしょう。
年齢別には、40代が多く使っています。周囲でも「FacebookはしていないがTwitterは使っている」「雑多な情報が入手できるのでニュースがわりに見ている」「140文字以内に意見を収めるのが文章の訓練になる気がする」とゆう人もいます。
TwitterはFacebookと違って「ニックネーム」で登録・運用でき、いわゆる「屋号・店名」名義のTwitterアカウントをはじめから作ることができます。
・検索されるキーワードを投稿に入れる
このTwitterも、地域密着のご商売、つまり「お店」にはピッタリのSNSです。なぜなら、「Twitterで地域の情報を探す人が多い」からです。
TwitterもInstagramと同様に「SNSの中で「検索される」ということを念頭に置いて活用するのがポイントです。つまり、ここでもご提案は、「お店や会社の立場でTwitterを開始し、地域のお客様と接点を持ってはいかがでしょうでしょうか」ということになります。なおTwitterはInstagramと違い、ハッシュタグをつけなくても検索に引っ掛かります。検索されるであろうキーワードを投稿に入れるようにしましょう。ほかのSNSと併用して、ついでに運用できるので連動させましょう。
48 既存客の再来店を促す「LINE公式アカウント」
LINE公式アカウントは、個人ではなく、店舗や企業の立場で運用するものです。個人の立場で使う「LINE」は、営業行為などの商用利用が禁じられています。一方このLINE公式アカウントは、初めから「商売用」を前提としたものなのです。LINE公式アカウントは無料から始めることができ、送信するメッセージ通数によって有料プランに変更する、というしくみになっています。
・新規来店のきっかけにすることも
LINE公式アカウントの基本は「既存客に特典やオファーを告知して再来店を促す」という使い方です。一度来店したお客様に「友達」になっていただき、メッセージ配信を行うという趣向です。もちろん既存客のリピートだけでなく、例えばGoogleマイビジネスの投稿の「詳細」ボタンからLINE公式アカウントに誘導し、「新規来店のお客様だけの特典」などを提案してうまく「友達」になっていただければ、「新規来店」のきっかけとして使うこともできます。
49 友達の友達へのくちこみを生む「Facebookページ」
Facebookの中でお店や会社のことを投稿できる「Facebookページ」も新規集客に貢献するものです。Facebookページは無料で利用できます。
Facebookは基本的に「実際の知り合い、友達、関係者」などとつながって交流するものですので、「友達の友達」へのくちこみ効果が期待できるSNSです。
・30代から50代の客層にアプローチできる
Facebookは30代から50代のユーザーが多いので、そのような客層をターゲットにしたご商売に向いています。
50 写真がお客様を連れてくる「Pinterest」
ピンタレストは、国内ユーザー数は多くありませんが、独特な使用から、これからの活用について大いに可能性を感じさせるSNSです。
Pinterestは自分が好む写真をクリップボードに張り付けて、眺めて楽しむサービスです。
・写真をきっかけに、自社ホームページに誘導できる
Pinterestでは自分が好む写真を収集し眺めることができるわけですが、使い方はそれだけではありません。収集した写真に基づき、Pinterestから「このような写真が好みではないでしょうか」のように自動的にどんどんと写真を提案してくれるのです。
Pinterestを開くと、その「Pinterestから提案されたたくさんの写真」が溢れるほど表示されます。その写真には説明文をつけることもでき、また他のWEb媒体へのリンクを張ることもできます。これは主にその写真をPinterestにアップしたユーザーがつけます。これは「写真をきっかけにして、自社ホームページなどに誘導することができる」ことを意味しています。
投稿して放っておくだけで、極端にいえば「半永久的に」アクセスを得るチャンスがあるわけです。
このPinterestでの「写真の提案」は、その写真が最近投稿されたかどうかは、ほとんど関係しません。逆にいえば、いつ見ても価値がある写真は、その投稿が古いか新しいかにかかわらず、ずっとアクセスを得ることができます。
・レシピ
・観光
・ファッション
・インテリア
・花
・宝飾品
・家事などライフハック情報(掃除のコツなど)
このように、いつでも参考にしたくなる、時代を問わない写真をアップできる事業者様は、Pinterestの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
51 検索流入を増やし、店舗への信頼を生む「ブログ」
ブログの経営効果とは?
ブログは「SNS」ではありませんが、Googleマイビジネス以外のWEb媒体という意味でご紹介します。
1 検索に強い
ブログは、その形から、もともと検索エンジンと相性が良い媒体です。
検索エンジン対策を考えたとき、ブログというツールを外しては考えられません。「地域で」「検索される」ご商売、例えば各種の仕業や整体院、サービス業のかたにはうってつけのツールです。
2 経営者やスタッフの人柄、考え方、仕事ぶりなどが出やすい
ブログは「読み物」ですので、書き手の人柄、考え方、仕事ぶりなどが露わになります。そのため、「あ、この店長さんはきっと真面目なんだな。信頼できそうだな」「〇〇についてすごく詳しいんだな」などがわかり、「その価値がわかるお客様」の来店に大きく貢献するものです。
・こつこつ続けることが大きな成果につながる
ブログはWEB集客にとって非常に重要で、しっかりやれば大きく成果もでるツールですが、毎日ではなくとも継続してコツコツやっていくことが性に合わない企業様にには向いてないツールです。逆にいえば、その「真面目にコツコツやる」ことが試されているツールであるともいえます。
52 「インサイト」で集客効果を確認する
「アクセス解析」機能である「インサイト」について考えます。
管理画面の左メニューから「インサイト」をクリックしてください。
「ユーザー検索方法」からわかること
直接検索数:お客様のビジネスの名前や住所を直接検索したユーザー
間接検索数:提供している商品やサービス、またそのカテゴリを検索し、お客様のリスティングが表示されたユーザー
ブランド検索:お客様のブランドや、お客様のビジネスと関連のあるブランドを検索したユーザー。
このうち、固有名詞で検索される直接検索およびブランド検索は、「貴店のことが知られているかどうか」という「知名度」を示すバロメーターになります。もしこれらの割合が低く、「間接検索」の割合が非常に高い(例えば95%以上である)ようならば、貴店および貴店オリジナル商品などの「知名度が低い」ことを意味しているかもしれません。この場合は
・チラシなどの紙媒体や看板で宣伝する
・異業種交流会や展示会で交流する
・ニュースリリースなど「広報」に力を入れる
「検索に使われた言葉」からわかること
画面を下にスクロールすると、「ビジネスの検索に使用された検索語句」というコーナーが見えてきます。
ここでは「貴店のビジネスを検索したユーザーがもっともよく使用した検索語句」が表示されます。検索語句とは、ユーザーが「調べたい」と思って「検索行為をした」言葉になります。つまりは、「顧客ニーズ」です。お客さまがどのようなことを求めているかがわかるので、とある飲食店様では、この検索語句を参考にGoogleマイビジネスの投稿の内容を考えているそうです。
「検索に使ったGoogleサービス」からわかること
次に「ユーザーがビジネスを検索したGoogleサービス」というコーナーが見えてきます。
・検索のリスティング:「Google検索」を使って検索した結果、リスティングが表示された数
・マップのリスティング:「Googleマップ」を使って検索した結果、リスティングが表示された数
「ユーザーの反応」からわかること
さらに下にいくと、「ユーザーの反応」というコーナーが見えてきます。
・ウェブサイトにアクセスした数
・ルート(貴店までの行き方)を調べた数
・電話をかけた数
・メッセージを送信した数
がわかります。飲食店では「ルートの検索」整体院などでは「電話をかけた数」の数値が高くなるのではないでしょうか。なおこの場合の数値は、リスティングの情報から直接行った行動の数です。
その他の項目について
このほかにも
・ルートのリクエスト(ユーザーがビジネスまでのルートを検索した地域)
・電話(ユーザーがビジネスに電話をかけたタイミングと回数)
・写真の閲覧(写真の表示回数が、同業他社と比較して表示されます)
・写真の枚数(写真の掲載回数が、同業他社と比較して表示されます)
53 複数人でGoogleマイビジネスを管理する
Googleマイビジネスでは情報を管理する「ユーザー」を増やせるようになっています。各ユーザーには権限を設定することができ、それぞれ行えることが異なります。権限の種類はオーナー、管理者、サイト管理者の3種類です。
オーナー:すべての機能を使うことができる
管理者:管理するユーザーの追加・削除、リスティングの削除という重要な機能を除いては、オーナーと同じ機能を使うことができる。
サイト管理者:顧客とのコミュニケーション、投稿や写真の公開、口コミへの返信代行が行える
・複数人で管理することのメリット
1 ひとりだと「やらなくなる」「滞る」「WEB以外の仕事が忙しくなってしまった」など、運営停滞のリスクがあるから
意外なことですが、WEbも「なまもの」で、イキがあるかないかが雰囲気で伝わってしまいます。WEB配信が停滞した印象だと、ひいては、その事業所そのものが停滞した印象になってしまうものです。その意味でも、輪番制にするなど、できるだけ複数のスタッフが関与することで、WEBにフレッシュさを保つことができるのです。
2 複数で運営したほうが、投稿のネタなどに「ふくらみ」が出るから
複数のスタッフで発信することによってさまざまな視点が入り、より多くのお客様に訴求できる可能性が高くなります。
3 スタッフ同士のコミュニケーションのきっかけになるから
仕事場ではおとなしいスタッフがWEB発信では饒舌になったり、また日ごろ話さないような趣味の話などを発信したりすることがあります。
4 WEBを運営することは「経営」を考えることそのものだから
「どのような投稿がお客様に喜ばれるのか?」「どのようなキーワードがアクセス増加をもたらすのか?「このサービスにもっとも価値を見出すお客様はだれか?」などWEB発信を考えることは、商売そのものを考える、とてもよい訓練になります。