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【ブルックナーと向き合う2】いわゆるブルックナーなんとか

さて早速、やってみますか。
下記に列記。

ブルックナー指揮者
ブルックナー開始
ブルックナー休止
ブルックナーサウンド
ブルックナーアダージョ
ブルックナースケルツォ
ブルックナーオルガン
ブルックナー低音(オルゲルプンクト)
ブルックナーゼクエンツ
ブルックナーリズム
ブルックナーユニゾン
ブルックナーオタク(ブルヲタ)
ブルックナー団
ブルックナー理論
ブルックナー和声(傾斜)


多くの大作曲家の中でも、変なのも含めてこれだけの「なんとか」が付く作曲家はいないと思います。モーツァルト5度とか、ベートーヴェン・フリーズとか、曲縛りだとワーグナーのトリスタン和音とか、ぐらいしか思いつかないてす。思い出したら追記します。

まあ、なんとか指揮者というのはともかく、「らしさ」が際立つ作曲家ということなんだな、と思います。調べた私も大概ですが、これだけあると、「ふぅん」と言ってブルックナーから離れていく人も多そうです。かく言う私も心が折れそうになっております。

この企画はブルックナーと向き合うことが目的なので、詳細の説明は他へ譲るとして、中でも有名そうな3つだけ、取り上げてみたいと思います。

ブルックナー休止

これは、ブルックナーを聴いたことがある人なら、何となく分かると思います。ブルックナーは交響曲の中で場面展開の際に、経過句を流れるように描くということはあまりありません。バッサリ、お休みします。ゲネラル・パウゼとも言います。あれ、音楽が止まったんかな?という意外性があります。歌舞伎の大見得のような、感じです。
これは、ブルックナーのオルガン即興演奏の影響ではないか、ということを言われております。オルガンの即興でも、場面展開や別主題での転換をするときに、教会に響きわたるオルガンの音を聴かせて、しっかり休んで、次に行く。残響の長い教会ならではの効果的な演奏法ですね。イヤホンやヘッドホンでも、リバーブかけまくって聴くと、同じような効果が擬似的に得られるかもしれません。

ブルックナースケルツォ

ブルックナーにかかわらず、私のクラシック音楽オタクの最初の師匠である大学の先輩から、最初に教えてもらったのが、「まずスケルツォを聴きなさい」でした。依然マーラーのときにも書きましたが、その先輩に「ブルックナーが面白くない。絶対眠くなる。何が魅力なのでしょうか?」と質問したのを、今でも覚えています。その答えが、スケルツォ。
ブルックナーの長大な交響曲の中で、唯一と言っていいほど、聴きやすい。かつ、曲が割と短い。それでいて、ブルックナー特有の推進感や構築感があって、オリジナリティがあふれています。トリオが田舎っぽい(失礼!)のも魅力です。私はブルックナーのスケルツォのトリオを聴くと、ドイツ・オーストリアの田舎の農村の感じが、いつも思い浮かびます。日本の農村にも通じる、田舎臭さを味わえます。マーラーにも農村が良くでてくるのですが、マーラーよりも純朴で事件が少ない。ブルックナーはマーラーの先生だった(ウィーンで教えてもらっていた)ので、影響があったのかも知れませんね。

ブルックナーユニゾン

これは、私がブルックナーにハマらない理由でもあります。いやでも、最近はその魅力に取り憑かれつつある、かもしれません。読んで字の如く、ブルックナーはユニゾン(同じ音)が多い。対旋律とか、あまりありません。なんならずっと、オーケストラの多彩な楽器がおんなじ譜面を演奏している、こんなことがザラにあります。オーケストレーションがイマイチ。いやたぶん、これがブルックナー「らしさ」なのでしょう。
アマチュアとはいえオーケストラ所属のしかも管楽器の私からすれば、「見せ場」が少な過ぎる。オーケストラの木管楽器奏者からは、人気のない作曲家ダントツでナンバーワンなのですが、その理由はまさにこの、ブルックナーユニゾンです。
ただブルックナーの交響曲の魅力という意味では、これがかなり効果的。ブルックナーゼクエンツでアゲアゲでクライマックスを構築していく上で、ブルックナーユニゾンは必須です。まるで大聖堂のレンガをオーケストラメンバーの一人一人が積み上げるように、みんなで一緒に労力を重ね、ひとつの方向に向かっていきます。聴くにはとても良い、しかし演奏する方は骨が折れる。演奏の立場からすると、ユニゾンは難しいのですよ。音程が合いにくい。ゴマカシが効かない難しさもあるのです。

さて、3つだけ書きたいように書いてみました。向き合ってみて、何冊かの書籍や雑誌を取り寄せて読み進めながら、ブルックナーとの時間を楽しんでいます。他の「なんとか」もいずれ書ければなぁと、思ってみたりします。ブルックナーを改めて聴いてみて思うのは、時計が違うのかな?と思います。変人だったのは有名な事実ですが、時間軸が、当時としてもかなり違ったのではないか、という気がします。もっと向き合ってみて、また書き続けられればと思います。

↓ブルックナー関連で読み始めました。ライトノベル風で面白い〜

演奏会も

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