街のオアシス~吉祥寺~
コラム:フェスティバルディレクター 三浦宏之
2024年のClap! 街歩き、吉祥寺は真夏の日差し。梅雨明け前の7月7日七夕の開催となりましたが、空の表情も気温も湿度も、完全に夏。
そんな夏の一日に、汗を拭いながら吉祥寺の街を歩きました。
まずは、毎年ここからスタートするのが定番となっている、北口ロータリーの象のはな子像。猛暑の日も、凍てつく寒さの日も、雨の日も、嵐の日も、ここにくれば必ずはな子さんに会うことができます。存命の時に会いたかったなあ。
今回の街歩きには一つ大きな目的がありました。それは吉祥寺大通りを少し北に向かったギャラリー永谷で開催されていた福井安紀さんの個展「土と石で描く板絵」を拝見することです。
福井さんは昨年の国立の街歩きの時に偶然通りかかったギャラリーで個展をされていて、ふらっと立ち寄った時が初見でした。その時芳名帳に記帳したところ、今回の吉祥寺での個展のDMが届いたので、少し前から楽しみにしていた個展なのです。
壁面に飾られた沢山の板絵と共に、テーブルの上には「5分で描くドローイング」が何百枚も置かれていて、じっくりと拝見していたらあっという間に時間が過ぎてしまっていました。
福井さんご本人も在廊されていて、在廊中もずっと「5分で描くドローイング」を描かれていました。合間合間で福井さんと色々とお話しもすることができて、とても楽しい時間でした。
その後、あまりにも暑いのでコピス吉祥寺に避難して、冷房に体を冷ますひととき。これだけ暑いとやっぱり野外行動を続けるのは少し厳しいものがありますね。皆さんも熱中症に気をつけて、適宜体を冷ましたり、水分補給を忘れずに。。。
コピスを出て東急百貨店に向かって歩いていると、東急百貨店の屋上にニョキニョキと茂っている木を発見しました。吉祥寺という街の空中庭園か、オアシスか、あるいは昔ながらの屋上遊園などがあるのかしらと想像しながら、百貨店の屋上を目指すことにしました。
屋上に辿り着いてみると、Clap! 街歩き中の山科くんに遭遇。彼も東急百貨店に屋上の表記を見つけて昇ってきたのだそう。
想像していたような屋上遊園はなく、かなり広大なスペースが広がっているだけでした。おそらく夏本番になると、ここがビアガーデンとかになるのかな。。。どうなんだろ。知っている方がいたら教えてください。
とはいえ、ここも街の余白ですね。こういったスペースを見つけると何故かワクワクしてしまうのです。
屋上を離れ、山科くんとも別れ、再び吉祥寺の街をてくてくと歩きます。
東急の屋上を訪ねて、コピスにも屋上ガーデンがあったような記憶が蘇ったので行ってみました。記憶を辿って行き着いた3階のガーデンには以前レストランがあったのですが、閉店してしまったようです。こちらのスペースも明らかに街の余白になっていますね。ただ、この日は暑過ぎでどこの屋上にも人はほとんどいませんでした。
コピスの9階にも屋上があるとのことなので、訪問してみるとこっちはBBQテラスになっていました。夏のバーベキューいいですね。でも、やはり暑すぎるのかな。。。
再度コピスを後にしてサンロードを北に向かう道すがらに、美味しそうなスイカを発見。夏の風景ですね。そういえばまだ今年スイカを食べてないなあ。。。
最後はサンロード沿いにある月窓寺を散歩することにしました。何度も吉祥寺には訪れていたのですが、月窓寺の敷地内に足を踏み入れるのは今回が初めてでした。暑い日差しを柔らかく抑えてくれる、緑の葉を湛えた大きな木がとても涼しげです。
お寺の建物も見事で、繁華街の中にありながらもとても静かな場所でした。デパートの屋上には見られなかった「街のオアシス」を、ようやくここに発見したような気がします。
猛暑の中、休み休みの街歩きとなりましたが、今年の吉祥寺の街はいつもと変わらぬようでありながら、ゆっくりと変化を受け入れているような気がしました。
春から夏、夏から秋へと季節が変化してゆくように。
Center line art festival Tokyo(中央線芸術祭)2024 は「心象〜Representation of the mind.〜」をテーマとし中央線沿線地域で美術展示やパフォーマンス、ワークショップ、トークイベントなどのプログラムを開催します。
市民生活へと深く浸透する芸術創造の場を創出し、東京中心部における文化圏を西東京地域に緩やかに拡大してゆくためのプラットフォームとして継続することによって、地域コミュニティ、民間を主体とした文化創造を促進してゆくことを目標におきながら、西東京地域から全国に向けた発信を市民とともに行ってゆきます。
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