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管理者は現場にいない、が管理費はかかる

HMの家アカさんの悩みを聞いていると現場管理者が現場に来ない、設計者ももちろん現場に現れないから図面と違う仕上げになっていても会社の上司にはスルーされたなんてこともあり、本当にそんなことありえるのかなと思っていました。想像以上にそんな事例は多いようです。それでもお客様は現場管理費というものをしっかり払っています。

人手不足で1人で十何現場も現場を持っている。

たまに会える現場管理者さんに聞いてみると、ひとりで15件くらい抱えていることはザラのようです。1日に2箇所行っても一週間では回りきれません。だとしたら現場の進捗は下請け人や大工さん任せになるので目が当然届かない。大手となると発注も決まったラインのものなので普段使わない建材についての理解はあんまりなんてことも。現場検査でもサインをもらうのは管理者ではなくたいてい現場の大工さん。そうやって多くの現場は進んでいます。

HMやビルダー所属、または下請けの設計士はあくまで机上のひと

設計士といえども施工側についてる人はあくまでそちら側のひと。お客様側ではないというスタンスは多いと思います。一度現場が始まると管理チームに任せるので現場に来ることはほとんどないことも。本来は竣工までお客様の要望や図面通りに施工されているか確認するのが監理ですが、そちら側の人の場合はそうした対応が返って会社の不利益に当たることもあるので動かないのかもしれません。自分の場合は現場が好きすぎて暇があればよってしまうのでかえって嫌がれますw

家の数値やデザインも良いですが、現場管理の数値は不透明

家は設備や仕様により様々な数値化がされていますが、その前にしっかり現場が施行されているかというのが一番重要です。耐震等級を取っていたとしてもコンクリートがしっかり入っていなければ意味ないし、管理者不在ではお客様の家に対する気持ちもつたわらず良いものができるとは思いません。

お客様の代わりに第三者的な目で場を管理するのが現場監理(サラカン)です。自分のような設計士がお客様と直接契約しているのはその意味があるのです。そこでは現場から何も上がらないのが良い施工の印です。企業の広告費や管理者不在の管理費にお金を費やすのと、敷居が高いと言われる設計料との違いのを見極めるのはお客様次第だと思います。

とある建売現場で構造部材に汚い靴跡がたくさんある現場を見ました。おそらく乱暴に組み上げていったのでしょう。めんどくさいという気持ちが現場に溢れていました。汚れていても拭き上げることはできたはずです。その後、壁や天井を塞いでしまえば誰にもわからない綺麗な新築ですが、その中を知らずにすまれるお客様は気の毒でなりません。

建設性能評価などの第三者機関の活用も考える

現場が見れる設計者に監理させる方法と建設性能評価という第三者機関のチェックを入れることも一つです。各工程で図面通りできていないことなどお客様に報告されるのでクオリティの高い施工が期待できます。

おうちの数値トークなどの盛り上がりも良いですが、数値で見えない家の本質にも注意してみてください。しっかりした管理をしているHM、ビルダー、設計事務所もたくさんありますので、そんなアカウントが人気になれば住宅業界もいい方向で盛り上がりそうですね。

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