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2024年 湘南での家づくりを振り返る
早いもので気がつけば2024も終わりに近づきました。今年はクラシック一級建築士事務所として住宅設計をしながら、瑕疵保険検査員として300以上のハウスメーカー、ビルダーの建築現場を周りたくさんのことを感じることができました。
”基礎は1cmくらいずれますよ”
まず今年印象に残ったのがとあるアパート建設現場の監督の一言。家というものは下から積み上げていくので基礎が1cmずれればピサの斜塔のように家がどんどんズレて傾くものなので、基礎こそ1センチもズレないというのが建築での心構えです。基礎の検査で1ミリの誤差もない配置があると、他の施工も安心だなと思えるくらいのものです。
”お客様のための家づくりか、元請のための家づくりか”
建築士というものはお客様と対峙して本当に長い時間をかけて関係性を築き一緒に歩んでいくのが仕事です。これが一番大変であり楽しい時間だと思います。検査業務では色々な間取りがあり、どんな暮らしをされるのかなと毎回楽しいイメージを膨らませてしまいますが、建売物件となると当然住み手もいないので設計や施工に関して誰のためがなく売れればよしが一番にあるので現場でも関係性が不在の違和感を感じずにはいられません。
また設計業務を通じて仕事をしていると現場側とのスタンスの違いも見えてきます。大工さんなど下職の職人さんにとってのクライアントは仕事をくれる元請(工務店、特に社長)でありお客様ではないという姿勢がどうしても見えてしまうことです。同じ家づくりではありますが、少しのベクトルの違いが家づくりには影響が出てしまうので職人さんがお客様のために仕事をしているという意識のある現場が最高な家づくりにつながると思っています。その点では現在一緒に仕事をしている大工さんが元請の現場は職人全体の意識がお客様に向いているので、非常に高質な家づくりにつながっています。
”大手メーカーだから安心、高スペックが約束されているから安心”
消費者の知らないことの責任は大きいと思います。大手メーカーでも言葉の通じない外国人労働者が携わる現場もあれば、社員は不在で職人まかせの現場もたくさんあります。検査では耐震等級の高い基礎現場でコンクリートが入る隙間もない鉄筋だらけの現場もたくさんあり(コンクリート強度は鉄筋とコンクリートのバランスが大切)、配筋も複雑なだけに間違いだらけの現場もよくみます(全部指摘して事なきを得ております)。当然そんな事実をエンドユーザーが知る術はありません。一番大事なのは見せかけの言葉でなく本気でお客様に向き合ってくれるプロを如何に見つけらるかにかかっていると思います。そこは営業や広告の言葉ではなく建てられた方の言葉が一番の判断材料です。
最初は対応もよかったが引き渡しが終わったら急にアフターとかの対応も悪くなった・・・ご相談に乗っていただけますか? そんな言葉もよく聞ききます。何が大切かお分かりですね。2025年も大変な年になると思いますが家づくりのために一緒に歩んでいける方との出会いをお待ちしております!
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