湘南の土地探し 茅ヶ崎編
これから土地を探す方は、いつもどこにどう探していいか分からなくて・・・というお話を本当によく伺います。もちろん学校で習うわけでもないので主に携帯からの情報収集になってしまうと思います。そこで土地探しから暮らしづくりまでを提案している側からちょっとしたアドバイスをお伝えできればと思います。建築士の主観もありますのでそこはカジュアルな感じに受け止めて頂きたいですが、お客様の立場で仕事をしておりますので目線としては間違っていないのかなと思います。
茅ヶ崎といえば大きく3エリアに分かれています。JR東海道線から海側の南エリア、JRと新湘南バイバスに挟まれた中央部、新湘南バイパスより山側の北部。
サザンオールスターズの香り漂う南部
このあたりはアメリカでいうサンディエゴのような少しシャビーなビーチタウンが広がります。街では半裸でサーフボードをキャリアに積んだサーファーが平日から行き交います。皆さんは何の仕事をしているのか・・・・と思うくらい。
ビーチ側にいくほどサーフィン文化は強くなり、駅までの通勤距離より海までの週末距離を選んだ方が多いと思います。全体的に白い家が多く流木アートや定番のビーチと記載された矢印看板が大抵玄関にあります。海が一望かというと134号線から海の間に黒松の防砂林が続くので隙間隙間からちらり見えるだけで、鎌倉江ノ島付近のひらけたオーシャンビューとは少し違います。夜は防砂林があるので海側は暗いので少し怖い感じはしてしまいます。鎌倉・葉山は山がいつも見えますが、茅ヶ崎エリアはフラットで山もないので少し物足りない感じがするかもしれません。このエリアでは茅ヶ崎公園球場での伝説のサザンライブやサザンビーチでの花火大会も目玉なので、サザンファンには憧れの土地です。東西に走る鉄砲通り付近はおしゃれなお店も多いですが、茅ヶ崎の中でも人気エリアなので土地は小さくは高め。
利便性重視の中央部
JRを挟んで南北で街の雰囲気は少し違いますが、共通して言えることは道は細く入り組んでいるのが特徴です。昔の畑の曲がりくねった畦道がそのまま公道として形成されていったので区画整備された道路とは異なり、地元住民でもつい迷ってしまうほどの分かれ道の連続です。建築工事でも工事車両のアクセスが難しいところが多く迂回路が複雑なんてことも多いです。このあたりまでは南部を含めて砂地なので場所によっては杭による地盤改良が必要なエリアもあります。茅ヶ崎を抜け道で渋滞を抜けようと思っても思う通りに抜けらず、JRを越える道路も限られているので南北方向の主要幹線道路の慢性的な渋滞が起きています。このあたりは駅までの通勤を視野に入れた人が多く土地を探しています。
市街化調整区域や田園風景が多い北部
湘南で2000万台の土地を探すと行き着くのがこのエリア。湘南カントリークラブやスリーハンドレッドなどのゴルフ場や大学キャンパスなど大きな施設があります。広大な畑用地を切り開いて作った場所で基本的には住宅が建てられない市街化調整区域が多いですが家を建てられない訳ではなく多くの家もあり普通に生活をしています。古屋が残る場所であれば比較的安い価格で土地を見つけて家を建て直すことも可能でリフォーム重視の方は大きな古屋も見つけることもできます。ただし駅までのアクセスはバスの本数も少ないので車生活メインになります。手付かずの田園風景や里山なども近くにあるので自宅で仕事ができ、広い土地でのびのびと暮らしたい人には魅力的なエリアだと思います。一つ注意したいのはインフラ整備が行き届いていないので、上下水の引き込みのコストやプロパンガスがメインになるのでインフラへの追加コスト、ランニングコストなどが掛かってくるので十分な下調べと建物はランニングコストがかからないスペックを重視した方が良さそうですね。
茅ヶ崎バイパス、新湘南バイパス周辺の西部
昔は土地がたくさんありましたが最近は開発も多く進み、茅ヶ崎市の方針で準防火地域も広く指定されて建蔽率・容積率が高い開発地が多いので値段は2000万後半で手は届きますが、コストが嵩む網入りサッシはもちろんのこと建物は隣接し日照条件も悪くなるので販売時の更地でオープンな雰囲気に騙されないようにした方が良いと思います。このあたりは地盤が緩いところも多く川から遡上する津波浸水エリアも広いのでハザードマップはしっかり確認したほうが良いと思います。金額は予算内だけど結果うーんといったエリアが多いのが印象です。もう少し価格が下がるのを待ちたいところです。