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『BLOOM』〜地球がつむぐ ”いのち” たちの物語〜【日本ツアーレポート】
2023年7月14日〜20日まで、デンマークのアーティスト、シアター・マダム・バッハと私たちBody Synergy Japanは、全10公演+オンラインセミナーを開催し、のべ588名の方にご参加いただきました。当日のご来場およびクラウドファンディングでのご支援、ご協力くださった皆様に心より感謝を申し上げます。
このプロジェクトを通して、幼稚園、小学校、大学に一般会場と、あらゆる場所でさまざまな親子、そして子どもの教育に関わる指導者の皆様に出会えましたこと、とても嬉しく思います。
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世界初上演となった『BLOOM』〜地球がつむぐ ”いのち” たちの物語〜は、バイオダイバーシティ(生物多様性)をテーマにした作品です。自然環境の減少および気候不安を抱える子どもたちへの現状に対する危機感から、子どもたちが未来に希望を持てるようにという願いを込めて創作されている本作。
マダムバッハは、工業地帯の土地を購入し、パンデミック中に自分たちの手によって植物を植え、そこに昆虫や鳥といった動物が集まることのできる生態系を「The Curious Garden 〜ワクワクの庭〜」としてつくることに取り組んでいます。彼らの劇場兼ワークショップスペースでもあるこの庭は、一般の子どもたちにも開放され、自然にふれあいながら、その色や音に耳を澄ませ、五感をクリエイティブに刺激する場所となっているそうです。
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そして、この場所は人間のためではなく、動物たちをはじめとする自然のためであるということがポイントです。マダムバッハは、「自然や動物たちなしにして、私たち人間は生きていくことができない」というメッセージを、冒頭のストーリーテリングにて伝えてくれました。加えて、「ワクワクの庭は世界中どこにいても、自分たちの手によってつくることができるんだ」という思いを、生演奏の歌や動き、繊細で美しい小道具とともに客席内でも掛け合いながら繰り広げていきます。
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また参加者は、紙で花を制作し、昆虫がやってきて花を咲かせるという”いのちのつながり”を、アートを通して体験していきました。
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本編のあとには、ひまわりの種の育て方をレクチャーし、各家庭にて成長するようすを観察できるキットを用意しました。
地球規模の深刻な課題であっても、自分たちのクリエイティビティによって乗り越えていく姿勢、そして子どもたちが未来へ希望を持てるようにという願いは、全プログラムにおける重要なテーマです。
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今回は、舞台装置をコンパクトにし、ミニマムなセットの中で子どもたちを惹きつけるという試みにも挑戦しているそうです。その中で、参加者とのインタラクティブな関係性の築き方など、実験的な要素も非常に多いプログラムとなりました。
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マダムバッハは1つの作品を創ると、世界中で上演しながら子どもたちの反応を観察し、アイデアを作品に取り入れて育んでいくそうです。なんとその期間は7〜8年!!そんなこれから長く続く旅の初演に、日本の子どもたちが立ち会えたことは奇跡のようです。
シアター・マダム・バッハと私たちは、2020年のパンデミック中より交流が始まり、これまでに2回オンラインにて親子向けのワークショップを開催してきました。今回はその土台をベースに、いま、日本の子どもたちへ届けたいメッセージを、作品に乗せて届けることに取り組みました。参加した子どもたちは、作品の世界に引き込まれ、注意深く様子を見つめたり、また一緒に身体を動かしながら、これらを体得していたように感じられます。
この経験を通して、実際に顔を合わせ、再び人と人とがつながっていくことの大切さについても肌で感じています。そして、マダムバッハも言う通り、”子どもたちが五感を通して世界を獲得していくとき、アートが重要な役割を果たす”ということを、プロフェッショナルなアーティストから改めて学ぶ機会となりました。
改めまして、このプロジェクトに関わってくださった全ての皆様に、心よりお礼を申し上げます。ありがとうございました!
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Body Synergy Japan事務局