新世紀の寺子屋 第10回
新世紀の寺子屋は、子供を対象とした金融教育を行っています。現在4つのタイプの塾生がおります。
① 教室に直接現地参加の生徒さん
② オンラインで参加の生徒さん
③ 授業の録画配信だけの生徒さん
④ 金融教育に関心のあるお父さん、お母さん(オンラインか録画配信)
生徒さんは、いつでも募集中ですので、お気軽にご連絡ください。お試しに、録画授業を見てみたいという場合も、無料で送ります。
詳細は、以下のリンクを確認ください。
お知らせ③(金融教室 オンライン)|村松 一之(和キャピタル 運用本部部長) (note.com)
さて、第10回の内容を一部、公開します。今回はまず、話題のOpenAIの生成動画「Sora」を紹介しました。OpenAIが発表した数々の素晴らしい動画を見てもらいました。生徒さんも、かなり驚いていたと思います。これからも、最先端技術をできるだけ見てほしいと思います。
さて、ここまで数回に渡り、米国の歴史を進めてきました。前回は米ソ冷戦の構図でした。1991年にソ連が崩壊すると、米国は自分たちの価値観が正しかったことを確信します。
そして、米国は世界の警察官として、世界の秩序を守りつつ、米国の価値観を拡大していきます。
米国は世界の警察官として、多くの戦争に関与していきます。もちろん、そこには米国の利害が関係しますよね。米国は多くの国に恨まれていきます。特に宗教を強く信じる国の人々にとっては、米国の価値観の押し付けは許せないものがあるでしょう。
米国はどんな国か?という議論のときに必ず登場するのが、米国例外主義と、米国単独主義ですね。クラスに1人の生徒がいるとします。力が強くて、勉強もできる。親もお金持ちです。この生徒が、「俺は特別な人間で、皆とは違うんだ。だから、学校のルールや規則に、俺様だけは従う必要がない」と主張しているとしたら、他の生徒さんはどう感じますか?嫌われますよね。米国には、そこまで極端ではなくても、そういう一面があるということです。
そうした米国への恨みが、米国におけるテロ事件を引き起こしてしまいます。あの2001年9月11日の「米国同時多発テロ事件」です。あの時の話をしつつ、生徒さんにはNHKの動画を見てもらいました。ハイジャックされた飛行機がワールド・トレード・センターに突っ込み、ビルが崩壊する映像です。ちょっと刺激が強かったかもしれませんが、あの映像は見ておくべきと思いました。ちなみに、米国はこのナイン・イレブンの前と後では、全く別の国になっていきます。この事件の前の米国は、もっとのんびりしていました。しかし、このような凄惨なテロ事件を受けて、空港やビルの入館時のセキュリティチェックが厳しくなり、イスラム教徒に偏見を持つようになり、国家安全保障のために人々の電話の盗聴もやむなしという国になりました。テロ事件後に成立した愛国者法とは、まさに米国が変化していく象徴的な法律でした。
さて、米国を理解するために、様々なクイズをやりました。幾つか取り上げましょう。皆さん、できるかな?
問題4は難しかったかな。答えはスペイン語ですね。問題6も意外に難しかったようです。「米国は世界第三位の人口があり、世界で第3位の国土面積を持つ国」と覚えてください。(今のところ)
米国が凄い国であることが分かる問題ですね。世界の大金持ちの大半は米国人です。原油の生産量も1位になりました。農業の生産だって世界一です。
米国の闇の部分も出題しました。米国の親は子供が銃による事件、事故、自殺で亡くなることを心配しなければならない国です。テキサス州などでは、子供の誕生日に親が銃をプレゼントする家庭もあることの話をしました。薬物中毒はより深刻ですね。米国は薬物中毒で10万人が死ぬ国になってしまいました。交通事故の2倍以上です。
次に米国におけるに貧富の格差の話をしました。米国では人口の0.1%の富裕層が国全体の富の約13%を保有しています。これを1000匹の猿と、1000個のバナナで説明しました。
1匹のボス猿が128個のバナナを独占しています。2番目から10番目の猿が186個のバナナを持っています。弱い499匹のサルたちは、24個のバナナを取り合っているのです。これが米国社会です。499匹の猿さんは、不満ですよね。
そうした不満の中で、トランプ氏が2017年に大統領になりました。生徒さんには「MAGA」という言葉を覚えてもらいました。よくトランプ支持者がMAGAとプリントされた赤い帽子をかぶってますね。
ところで、米国大統領にはどういう条件があれば立候補できるかですが、次の3つの条件を全て満たす人です。逆に言えば、この3つに該当すれば、誰でも立候補できます。犯罪者もです。米国ではかって獄中から大統領選に立候補した受刑者もいました。もちろん当選はしませんが・・・トランプ氏も現在91件の罪状で4つの裁判を抱えていることを話しました。
さて、米国の話は今回は終了です。投資の話に移行します。
投資でお金を増やす仕組みとして、「安く買ったものを高く売る」つまり、売買行動により、お金を増やす仕組みと、「お金に働いてもらう」方法について取り上げます。
「安く買って、高く売る」はシンプルで分かりやすいですよね。ジュースを10円で買って、110円で売れば100円も稼げますね。しかし、安いものを買うなんてことが出来るのでしょうか?そもそも「安い」ということが、どのように分かるのでしょうか?
「なんでも鑑定団」という非常に面白い番組があります。この番組を見ていると、多くの人が骨董品屋さんで、結構な値段を支払って掛け軸とか、壺を買ってますね。購入した本人は、それが「掘り出し物」で「実際の価値は、その何倍もある」と思って買うのです。しかし、番組では「本人評価額100万円」のところ、プロの鑑定では「5千円」みたいな評価額になり、がっくりと落ち込むシーンがありますね。あれは、この番組の面白いシーンの1つでしょう。
次のような問題をやりました。問題1と問題2は、生徒さんも迷わず、「高い!」と回答しました。問題3と4については、色々と条件付きで回答していましたね。有名な画家の絵なら安いとか・・・
しかし、何故問題1と問題2は「高い」と確信を持って回答できたのでしょうか?
我々は日常の生活を通じて、自然体で高いか安いかを判断できるものがあります。それは教わったから、勉強したからではなく、暮らしのなかで体験したものです。牛乳1パックの5千円には、誰しもが「普通じゃない」と感じるのです。しかし、安いか高いかが分からいものもたくさんあるのです。その筆頭が金融商品です。
日経平均が史上最高値を更新しました。これまでで最も高い価格だということです。では、日経平均の3万9千円は安いのでしょうか?高いのでしょうか?全員が高いと思えば、そもそも3万9千円にはなりません。「3万9千円は安い、これから4万円、5万円と上昇していくはずだ。だから、3万9千円はお買い得だ」と思う人が実際に買うことから、3万9千円という価格になったわけです。心の中で思ったのではなく、実際に購入していることが大事です。
これがマーケットなのです。当たり前のことですが、非常に大事なポイントなのです。
次回は、更にこの点を深堀します。第10回は、そんな授業でした。
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