村松 一之(和キャピタル 運用本部部長)

和キャピタル 取締役 運用本部部長 為替、株、金利など主要なマーケットに携わって気が付けば20年を越える月日が流れた。今もファンドの運用とプロの有価証券運用者の育成のため悪戦苦闘中!また、子供たちの金融教育を目的とした「新世紀の金融寺子屋」を開始。

村松 一之(和キャピタル 運用本部部長)

和キャピタル 取締役 運用本部部長 為替、株、金利など主要なマーケットに携わって気が付けば20年を越える月日が流れた。今もファンドの運用とプロの有価証券運用者の育成のため悪戦苦闘中!また、子供たちの金融教育を目的とした「新世紀の金融寺子屋」を開始。

最近の記事

新世紀の寺子屋 第27回

今回は、次期米国大統領になる「トランプ氏を知ろう」という授業を行いました。世界が注目した米国大統領選は、結局は激戦7州の全てでトランプ氏が勝利し、538人の選挙人の内312人を獲得して圧勝しました。来年からトランプ政権がスタートします。それでは、トランプ氏はどんな人物でしょうか? クイズでトランプさんを分析していきましょう。余談ですが、先日、小学校に呼ばれて少し授業をしました。その時に、トランプクイズをやったら、めっちゃ盛り上がりました。トランプさんって、日本の小学生でも盛

    • 来週の相場見通し(11/18~11/22)

      1.はじめに米国株式市場が調整している。今のようなマーケットでは、大きな視点で捉えることが非常に重要である。まず、米国株は22年10月を起点とした「強気相場」の真っ只中にある。すなわち、基調としては上昇トレンドの大きな流れの中にあるということだ。そこに、FRBの利下げサイクル開始という大きなサポート要因が加わり、更には直近では、米国大統領選におけるトランプ氏の勝利で、「トランプ・ラリー」の流れが追加されて、米国株式市場は史上最高値を更新するお祭り無双モードで推移してきた。しか

      • トランプ2.0政権の主要ポストの陣容

        トランプ第二次政権の主要ポストが続々と決定している。これまでの報道されたポストの人物は以下の通りだ。 新たな公表後に随時、更新していくつもりだ。 赤字の人物は特に注目。共和党の上院がゲーツ氏の司法長官任命を承認するかが、大きな試金石として注目されている。ほぼ100%承認されないと思うけどね。 それにしても、主要閣僚はかなり年齢が若い!! 財務長官は、ケビン・ウオーシュ氏が有力視されていますね。

        • ライトハイザー氏とはどんな人物?

          トランプ政権の通商政策を担うと目されているロバート・ライトハイザー氏について、どんな人物でどんな政策を志向しているのかを抑えておこう。 (1)どんな人物? ライトハイザー氏は、オハイオ州生まれ。かって製造業が栄えたラストベルト地域の出身だ。現在は77歳だが、昨年6月にも「No Trade Is Free: Changing Course, Taking on China, and Helping America's Workers」を出版するなど、精力的な活動を続けている

          来週の相場見通し(11/11~11/15)簡易版(米国大統領選終わる)

          1.はじめに今週は簡易版でお届けする。今週はお休み予定だったが、さすがにこのマーケットだと、取り上げないわけにはいかない。 米国大統領選はあっさりと、トランプ氏の圧勝で終わった。これから色々と出口調査が出てくるので、投票者の詳細な動向が徐々に判明するだろう。 今回は、この米国大統領選の大きな意味と、今週の米国株の動向について、主に記録に残すことを意図して整理しておく。詳しい分析や来週のポイントなどは、今週はお休みする。 2.最強米国のリスク米国経済は、先進国の中で際立って良

          来週の相場見通し(11/11~11/15)簡易版(米国大統領選終わる)

          来週の相場見通し(11/4~11/8)    ダイジェスト版

          1.米国大統領選迫る・米国大統領選がいよいよ迫っている。大勢は日本時間の6日の午後には判明するが、今回は接戦のため、各州による再集計が行われることは必至のため、最終的な勝利者の確定には1週間くらいかかるかもしれない。 ・今回の選挙戦は異例中の異例だった。高齢のバイデン大統領が、7月に急遽選挙戦から撤退して、カマラ・ハリス氏に交代したり、様々な疑惑で訴えられ、有罪判決も受けているトランプ氏が共和党候補者になったり、そのトランプ氏が暗殺未遂事件で九死に一生を得たりと、様々なドラマ

          来週の相場見通し(11/4~11/8)    ダイジェスト版

          来週の相場見通し(11/4~11/8)③ (日米株式市場)

          1.10月の米国マーケット(1)各市場の概観 気候が暖かいので季節感を忘れるが、10月も終わり、今年も残すところ2ヵ月だ。毎年呟いているが、1年は早いものだ。表紙の画像は、美しい日本の紅葉をイメージしたものだ。来週の相場を迎えるにあたり、静かに心を整えたいものですね。大統領選当日はアドレナリンが大量に出ていると思いますが・・・ さて、10月の市場環境を整理しておこう。米国株式市場は、10月中旬までは非常に好調であったが、米国大統領選が近づくにつれて、徐々に警戒モードになっ

          来週の相場見通し(11/4~11/8)③ (日米株式市場)

          来週の相場見通し(11/4~11/8)② 米国大統領選後のマーケット

          1.世界的に財政拡張に警戒モード米国大統領選は、4年に1回の不透明イベントであり、株式市場においては、「どんなに結果になっても、このイベントが通過することは好材料」というのが基本的な考え方となる。株式市場は、どんな状況にも現実に即して折り合いをつけるものなのだ。米国人は、ハリス氏もトランプ氏のどちらも嫌かもしれない。トランプ氏が大統領になったら、米国から出国すると公言しているセレブもいる。しかし、それでも米国人は選挙を通じて、自分たちで大統領を決めることができる。中国共産党の

          来週の相場見通し(11/4~11/8)② 米国大統領選後のマーケット

          来週の相場見通し(11/4~11/8)① (今年最大のイベント 米国大統領選)

          1.はじめに今週は大統領選直前の週であり、市場では大統領選を意識した動きが中心だった。こうした中で、雇用統計などの重要な経済指標が発表され、ある意味でサプライズ的であったが、ハリケーンやストライキの影響が強く、非常にダーティーなデータであるため、あまり分析しても意味がない。市場で明確な動きは、世界的に金利上昇が継続しているという点である。 来週は大統領選一色になるだろう。結果がすぐに出ない可能性も高い。市場では、ハリス氏が勝利した場合は、「金利低下、ドル下落、株は動意なし」と

          来週の相場見通し(11/4~11/8)① (今年最大のイベント 米国大統領選)

          新世紀の寺子屋 第26回

          今回は、生徒さんにはテスラのロボタクシーイベントにおけるサイバーキャブ、そしてオプティマスの最新ロボット映像、そしてスペースXの使用済みロケット回収の3点セットの動画を見てもらいました。特にロケット回収は、凄かったですよね。こういう未来を感じさせる映像をたくさん見て、未来への夢を膨らませてほしいものです。 次に今回は久しぶりにAIを取り上げました。今年のノーベル物理学賞は、人工知能分野の2人の研究者が選ばれました。AIの世界では特に、この右側のヒルトン教授は有名ですね。「A

          来週の相場見通し(10/28~11/1)ダイジェスト版

          1.米国市場・今週も米国金利は上昇傾向で推移した。現在の米金利は、下の2つの力学が同時に発生している。 ① 米国経済の強さに伴う、FRBの利下げ見通しの後退 ② 米国大統領選後の財政拡張を見込んだ、タームプレミアムの上昇 ・米国経済の好調さが継続しており、第三四半期のGDPも潜在成長率を大きく上回る高成長が見込まれている。IMFの最新経済見通しでも24年は2.8%、25年も2.2%と前回の7月時点から上方修正された。 ・こうした米国経済の強さを反映して、市場の先行きのFRBの

          来週の相場見通し(10/28~11/1)ダイジェスト版

          来週の相場見通し(10/28~11/1)②(衆院選挙と来週のポイント)

          1.日米株式市場(1)米国株式市場 今週は米国株式市場も上値の重い展開で推移した。米国の決算発表は総じて良好だ。S&P500採用企業の181社が決算発表を出した時点では、8割弱の企業が予想を上回る決算で、第3QのEPSの伸びは4.4%程度が見込まれている。第2Qとの比較では冴えないものの、一時的な落ち込みであり、先行きは堅調な業績が見込まれている。(下図)但し、今週の決算発表はまちまちで、冴えない決算を発表した企業は、それなりに激しい下落をしている。 これまでの181社の

          来週の相場見通し(10/28~11/1)②(衆院選挙と来週のポイント)

          来週の相場見通し(10/28~11/1)① (日本と米国の2つの選挙)

          1.はじめにいよいよ週末に日本では衆院総選挙を迎える。選挙の結果によっては、来週の日本市場は大荒れでスタートする可能性もあるだろう。米国でも11月5日の大統領選の最終盤にあり、市場では様々な思惑が交錯する。こうした中、今週の市場はやはりイベントリスクを想定した慎重な展開だった。日本の株式市場は終始、上値が重く、衆院選挙で自公が過半数割れとなる状況も警戒している様子だった。米国市場でもトランプ勝利を織り込む展開で、米金利が更に上昇する場面も見られたが、今のところ無秩序な金利上昇

          来週の相場見通し(10/28~11/1)① (日本と米国の2つの選挙)

          来週の相場見通し(10/21~10/25)② (米国株式市場)

          1.米国株式市場今週も米国株は好調を維持した。S&P500、ダウ共に史上最高値を更新して引けた。米国の企業決算もいつも通り好調だ。S&P500採用企業の内、71社の決算が発表されたが、今のところ83%の企業が予想をビートしている。この71社中、27社が金融だが、とりわけ好決算が目立つ。10月1日には金融セクターのEPSの伸びは2%程度と見込まれていたが、足元では6.7%に上昇している。S&P500全体としては、EPSの成長率は5.3%が見込まれていたが、直近は4%に低下してい

          来週の相場見通し(10/21~10/25)② (米国株式市場)

          来週の相場見通し(10/21~10/25)① (米国経済の状況)

          1.はじめに今週のマーケットは、あまり大きな動きはなかった。ここもと急上昇してきた米金利については、ほぼ想定通りの展開だった。米国2年金利は安定した推移になった。10年金利は一時は4.1%を超える局面もあったが、一段の金利上昇とはならずに膠着した。米国30年金利も4.5%近辺がひとまず上値の目途となりそうだ。米国株は金融関連の決算が軒並み好調で良い決算シーズンの幕開けとなったが、ASMLの決算で来期ガイダンスの売上高がびっくりするような減速を示したことで、一時は「ASMLショ

          来週の相場見通し(10/21~10/25)① (米国経済の状況)

          来週の相場見通し(10/14~10/18)ダイジェスト版

          1.米国市場について・今週の米国市場では、米金利の上昇が話題となった。9月にFRBが利下げを開始したことで、米2年金利は一時は3.5%近辺へ低下したが、今週は4%を超える局面もあった。 ・今回のFRBの利下げは「予防的な利下げ」であり、過去には2019年や1995年にもそういう利下げ局面があった。米国経済が好調を維持している中での利下げのため、経済指標やFRBメンバーの発言で、先行きの利下げ見通しが簡単に変化しやすい。2019年や1995年もFRBが利下げを開始した後に、米2

          来週の相場見通し(10/14~10/18)ダイジェスト版