村松 一之(和キャピタル 運用本部部長)

和キャピタル 取締役 運用本部部長 為替、株、金利など主要なマーケットに携わって気が…

村松 一之(和キャピタル 運用本部部長)

和キャピタル 取締役 運用本部部長 為替、株、金利など主要なマーケットに携わって気が付けば20年を越える月日が流れた。今もファンドの運用とプロの有価証券運用者の育成のため悪戦苦闘中!また、子供たちの金融教育を目的とした「新世紀の金融寺子屋」を開始。

最近の記事

来週の相場見通し(9/23~9/27)②

1.日本株の状況来週の最大のポイントは、27日の自民党総裁選である。これは、非常に注目だ。12日の公示日以降、候補者の討論会が連日開催されてきた。これまでの各種メディアの状況を鑑みると、上位3名の候補者とそれ以外には大きな差が開いており、決選投票は石破氏、小泉氏、高市氏の3名の内の2名が進みそうである。 大きな流れとしては、石破氏は相変わらず党員票に強みがあり、決選投票には残りそうである。小泉氏は討論会が開催されるまでは決選投票に1位通過で進みそうであったが、討論会では他の候

    • 来週の相場見通し(9/23~9/27)①

      1.はじめに今週のハイライトは、FOMCだった。FOMCについてのポイントは、FOMCのポイント整理|村松 一之(和キャピタル 運用本部部長) (note.com)をご参照いただきたい。FOMCが終わったことから、ブラックアウト期間が明け、週末には早くもウオラー理事とボウマン理事が、金融政策について見解を述べている。これが面白い。ボウマン理事は、今回のFOMCでただ1人、反対票を投じた人物であり、その主張は分かりやすい。要するに米国経済にはまだインフレのリスクが残っている。今

      • FOMCのポイント整理

        1.はじめにFRBがついに利下げサイクルを開始した。色々な注目点はあるものの、市場はFRBの利下げを好感している。私もこの動きは正しいと思っている。過去で最も急激な利上げサイクルが終わり、いよいよ利下げサイクルが開始されたのだ。ドットチャートを見る限り、今回の利下げサイクルは、「初回のみダッシュ、その後は利下げを急がずに、通常運転の予防的利下げ」という展開が見込まれる。私は、あまり難しく捉える必要はないと考えている。現在の米国経済が景気後退にあるのであれば、FRBの金融政策は

        • 来週の相場見通し(9/16~9/20)ダイジェスト版

          時間がない人のために、来週の相場見通しの超ダイジェスト版です。要点だけなので、興味がある方は本編を見てください。 1.米国の状況9月第1週目の米国株式市場は、極めて好調だった。9月1週目は「9月相場への不安等」から、利益確定売りの勢いが強く、ハイテク株中心に大きく下落したが、第2週目(今週)はS&P500の11セクターの内、エネルギーを除く10業種で1週目の下落を全て取り戻した。 今週の経済指標は、特に株式市場にポジティブだったわけではない。 注目されていたCPIは総合で

          来週の相場見通し(9/16~9/20)

          1.はじめに今週は面白い週だった。レイバーデー後の9月1周目の米国株式市場は、8月後半の強い市場環境とはがらりと雰囲気が変わり、調整ムードを漂わせた。しかし、今週は一転して米国株式市場は非常に好調な1週間となった。下の表のように今週は9月1週目の下落を、ほぼ全てのセクターで取り戻している。9月の弱気アノマリーを吹き飛ばした週となった。吹き飛ばしたというより、不安を吸い込んだのかもしれない。 さて、来週はFOMCが開催される。市場では、これまで初回の利下げ幅が25bpになるの

          来週の相場見通し(9/9~9/13)ダイジェスト版

          時間がない人のために、来週の相場見通しの超ダイジェスト版です。要点だけなので、興味がある方は本編を見てください。 1.米国の状況今週の発表された経済指標は「まちまち」だった。求人件数が800万件台を割り込み、1人当たり求人件数がコロナ前の1.2件を大きく下回り、米国の労働市場が健全化していることが示された。 雇用統計は失業率は4.2%に低下し、市場が心配する更なる失業率の悪化は回避された。但し非農業部門雇用者数は弱かった。特に7月分、6月分も大きく下方修正された。一方で平

          来週の相場見通し(9/9~9/13)ダイジェスト版

          来週の相場見通し(9/9~9/13)②

          1.米国株式市場今週の米国株は厳しい展開となった。S&P500は4営業日続落で▲4.2%、ナスダック100は▲5.9%、ダウは▲2.9%となった。フィラデルフィア半導体指数は週間で▲12.2%も下落して、相場の足を強烈に引っ張っている。ラッセル2000は▲5.7%だ。S&P500のセクターでは、週間でプラスは4セクターで生活必需品、公益、不動産、一般消費財、マイナスセクターは7セクターで最大の下げは素材の▲4.66%だった。 市場への影響度が大きいエヌビディアが急落している。

          来週の相場見通し(9/9~9/13)①

          1.はじめに米国のレイバー明けの市場は、それまでの流れが大きく変わるとも言われてきた。また、9月相場は歴史的に年間でも最もパフォーマンスが冴えない月として知られている。今週の米国株式市場は、まさにそのような展開で推移した。今週の一連の米国経済指標は総括すれば、「まちまち」であり、これは逆に言えば「景気後退からは程遠い状況にある」ということが確認された。しかし、株式市場はそれを認めいない。代わりに「変曲点」という言葉あキーワードになっている。「今は景気後退ではないが、景気後退に

          新世紀の寺子屋 第23回(ロボット)

          今回のテーマは、「ロボット」です。男の子は心が躍りますね。 なぜ、ロボットを取り上げるかといえば、日本はロボット大国であり、これからの新たなロボット時代において、日本の基幹産業としてロボット、ロボティクス産業の成長が期待されるからです。 その前に、日本の産業の現状を確認しておきましょう。産業は古典的には3つに分けられます。農林水産業を中心とする第一次産業、製造業や工業、建設業などの第二次産業、そしてそれ以外の第三次産業です。例えば、牛のお乳を搾ってミルクを取る仕事は第一次産

          新世紀の寺子屋 第23回(ロボット)

          来週の相場見通し(9/2~9/6)②

          1.米国株式市場この夏の米国株式市場は上下に大きく動いたが、8月末を終わってみれば、S&P500は月間で2.3%上昇した。NYダウも1.8%弱の上昇となり、8月末には年初来で25回目の史上最高値更新となった。ナスダック100も1.1%弱の上昇となり、プラスのリターンで月を終えた。 今回は、まずはサマーラリーという点から、S&P500を捉えてみよう。サマーラリーの定義は特にないのだが、ここでは6月末から8月末の夏の2ヶ月間でS&P500が3%以上の上昇となった場合をサマーラリー

          来週の相場見通し(9/2~9/6)①

          1.はじめに来週は、今年で最も重要な週の1つになるかもしれない。言うまでもなく、市場は米国の労働市場の動向にナーバスになっている。前回の雇用統計は、市場に大きなショックを及ぼした。サームルールなる言葉も一人歩きした。その後は様々な労働関連データから、過度な米国景気後退懸念は払拭されているものの、来週の一連の経済指標次第では、再び景気後退懸念がゾンビのように復活してくる可能性は十分ある。米国雇用統計が遅行指標であるなら、先行指標としてのISM関連指標も要注目だ。7月のISM製造

          2024年9月~12月の重要スケジュール

          今回は、9月から年末までの重要なスケジュールを取り上げる。下の表において赤字が米国関連、青字が日本、紫が世界、黒色が欧州地域だ。 まず9月だが、9月1日はドイツで注目されている州議会選挙が2つある。この選挙がなぜ注目されているかと言えば、ドイツの極右政党であるAfDが第一党になる可能性が極めて高いからだ。ナチスの反省の歴史を受け継ぐドイツで極右政党が第一党になることは、州議会とはいえ重いものがある。 今年の欧州は政治に揺れている。6月の欧州議会選挙では極右政党が台頭した。A

          2024年9月~12月の重要スケジュール

          来週の相場見通し(8/26~8/30)

          1.はじめに今週は簡易版です。米国だけ取り上げる。今週は注目されていたジャクソンホール会合を無事に通過した。9月から利下げサイクルに入ること、FRBが一段の労働市場の悪化を望んでいないことを確認しただけで、特段に目新しいことはなかった。しかし、それだけで今の米国株式市場には十分であり、株式市場は今週も大きく上昇して引けた。 市場を大きく俯瞰するなら、株式市場は7月後半から8月の健全な調整局面を経て、再び上昇トレンドに回帰している。いったんは落ち込んでいたラッセル2000のよう

          新世紀の寺子屋(第22回)政治編

          今回の授業は、日本の政治を取り上げました。もちろん、これから新聞でもメディアでも自民党総裁選のニュースが増えるでしょう。生徒さん達も、なんとなく目にするはず。その時に、ちょっと役立ってほしいからです。 さて、今回の授業ではクラスの前に、嬉しいサプライズがありました。今週は、私の誕生日だったのですが、教室に行くとドアに生徒さんが、ハッピーバースデーのメッセージと絵を貼っていてくれたのです。授業中に何度か、無意識で自分の誕生日アピールをしていたようで、生徒さんが覚えていてくれま

          自民党総裁選の候補者(予定者)

          自民党総裁選挙の日程が決まった。9月12日告示、27日に投開票となる。今回の総裁選は、過去最多レベルの立候補者が出る可能性がある。下の表には、出馬が噂されている12名の自民党議員を取り上げた。それぞれの候補者の評価については、私の独断と偏見に依るものだ。この中から、最終的に何名が20名の推薦人を集めて、出馬できるだろうか。今回の自民党総裁選は相当に盛り上がりそうなムードであり、新政権のスタート時は支持率は上向きそうだ。そうなると、11月10日にも衆院解散選挙が行われる可能性が

          自民党総裁選の候補者(予定者)

          来週の相場見通し(8/19~8/23)

          1.はじめに今週は簡易版です。今週は、米国の景気後退への過度な疑念が、とりあえず払拭された週となった。米国の経済指標ではインフレの鈍化が確認されるとともに、新規失業保険申請者数は安定し、先般の雇用統計の悪さが一時的なものであった可能性が強まった。但し、先般の雇用統計ではハリケーンの影響でテキサス州の失業率に影響が出た可能性が指摘されていたが、16日の州別データでは、テキサス州の失業率は4.0%から4.1%に悪化した程度だった。悪化が大きかったのは、マサチューセッツ州、ミシガン