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そもそもシリーズ④(株式投資の意義)
1.株式投資を始めるべき人
株式投資を始めるべき人とは、どういう環境に置かれた人だろうか?
①成熟国に暮らす人
②成熟国で高齢化の国に暮らす若い人
③自ら起業して社会を変革するタイプではなく、普通の社会人
④一部上場企業など福利厚生の優れた企業に勤めていない人
⑤営業関係など他人と世間話をする必要のある職業の人
⑥学歴や語学力など、特に武器になるものがない人
⑦自分で調べたり、研究したりすることが好きな人
⑧専業主婦や自営業を営む人
ちょっと物議を醸しそうだが、敢えて挙げれば上のような環境の人は、株式投資を始めるべきだ。
まず自国がもの凄い成長段階にあり、一生懸命働くことで、給料がばんばん上昇しているような環境であれば、自分の仕事だけで豊かな生活を手に入れられるかもしれない。一方で成熟国では、一生懸命に働いても、そもそも成長余力に乏しいため、なかなか給料は増えない。特に成熟国でしかも高齢化の国の若者は、上に先輩方が無数に存在しているため、なかなか昇格することもできない。しかも高齢者を支えるために、社会保険料などは上昇する一方であり、普通に働いていても、なかなか豊かになる実感が持てない。
一部上場企業も既に安泰ではないが、それでもまだ色々な面で恵まれていることは間違いない。社宅が用意されたり、退職金が手厚かったりと、中小、零細企業よりは相当に福利厚生が充実していることだろう。
ホリエモンは株式投資に興味がないと言っている。彼のような自分で会社をばんばん立ち上げて、それを成功させたり、自分の会社を売却してリターンを得ることができる人にとっては、株式投資は成功までの時間がかかり過ぎる。株式投資を地道に行うよりも、起業のほうが遥かにリターンは大きいかもしれない。つまり、株式投資とは、普通の人が「人生を変えることができるかもしれない」、数少ないチャンスの1つなのだ。
株式投資は誰でも始めることができる。でも、多くの人が「株式投資はよく分からないし」、「そもそも給料が少ないから投資に回せる資金がない」んので無理。もっと言えば、「株式投資とは、お金持ちがやるものでしょ」というイメージを持っている。
株式投資がよく分からないのは、最初は皆同じだ。分からなければ、調べればいい。しかも株式投資を始めるに必要なことは、「勉強」というようなレベルではない。世界一の株式運用者になれと言っているのではない。株式投資を始めるにあたり必要な知識は、それほど多くない。そして、投資とは地道なものであり、長期間かけて、というよりも人生と並走していくものだ。給料が少ない場合は、少ない中で少しづつ工面するのが、投資である。自分のライフステージに合わせて、投資額は修正すればいい。少ない資金でも何十年と経過した暁には、大きな効果を生む。大事なのは、自分には関係ないとシャットアウトすることではなく、まずは調べて始める。その一歩が人生を変えるのだ。株式投資を開始するとは、起業をするというような大きな決断を要するものではない。スポーツジムに通ってみるか。こんな程度の気持ちで十分にスタートしていいのだ。
2.株式投資が、なぜ人生を変え得るのか?
① 株式投資は自分が頑張るんではなく、頑張っている企業の成功に乗っかること。
私は、株式指数への投資が、最も簡単にスタートできる投資の1つだと考えている。債券投資や為替取引などよりも、シンプルだからだ。
株式投資とは、「他人の力を借りること」である。自分が頑張るのではなく、頑張っている企業の成功の恩恵に乗っかるものだ。どんな企業も成長し、社会に貢献していくことを目的に必死に頑張っている。そして、日経平均株価というのは、そういう日本を代表する225の企業で構成される指数だ。米国のS&P500は、米国を代表するような非常に頑張っている500の企業で構成される株価指数だ。日経平均株価に連動する何らかの商品に投資したとすれば、それは日本を代表する225社の頑張りに乗っかったことになる。人類は成長しているが、その成長とは企業が世の中に新たなサービスを提供したり、社会の問題を解決したり、新たな技術革新で世の中を便利にしたりして成長している。この前提に立てば、株式指数は長期的には上昇するはずだ。株式指数が100年かけても上昇しないとしたら、人類の成長は止まり、100年の間に社会は何も新たなサービスが生まれていないことを意味する。そんなことはあり得ない。100年前の時代と、今の時代を比較すれば、恐ろしいほど我々のライフサイクルは変化している。株式指数は、「頑張っている企業の集合体」であるのだから、長期的には上昇する。株式投資とは、そういう長期的には上がるものに、乗っかる行為だ。だから、シンプルなのだ。
② ある普通の男の成功物語
米国でロナルド・リードさんのケースは、よく語られる実例だ。彼はガソリンスタンドの店員や、デパートの掃除夫として生涯を終えた人だ。いわゆる典型的なブルーワーカーであり、給料も恵まれていなかったはずだ。しかし、少ない資金をこつこつと米国株(優良な約100銘柄弱)に長期投資し、1度も売却しなかった。92歳で亡くなるころには日本円で10億円近い資産が、積み上がったのである。周囲の誰も彼がそんな資産を築いているとは知らなかった。彼は慎ましい生活を送り、地元の図書館で本を読むことを楽しみとした。彼が築いた資産は、遺言で子供たちや地元の図書館に寄付されたという話だ。彼は自分の仕事では稼げなかったが、投資した約100銘柄(JPモルガンやダウ・ケミカル)の企業の成功の恩恵を受けることで、富を築いたのである。これが株式投資が起こす奇跡である。こういう事例は非常にたくさんある。自分で成功を掴み取るのが難しいと感じるなら、まずは企業の成功に乗っかることを考えてはどうだろうか?
続く・・・
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