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新世紀の寺子屋 第28回
さて、今回の授業のテーマは以下です。
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金利と国債価格の関係です。これを小学生や中学生に教えるのは、結構大変ですね。しかし、大事なのは細かい計算式ではなく、イメージと感覚です。これをラーメン屋さんの例で考えると、よく分かると思います。
始めましょう。ラーメン屋さんで、ラーメンが一杯1000円で売られています。この人気のラーメン屋さんが、特別サービス券を販売しました。有効期限はあるものの、サービス券は1000円で売られており、これを購入するとラーメンに卵とチャーシューを追加できます。お得ですね。
このサービス券を、私が買ったとします。来週あたりにラーメン屋さんに行こうとわくわくしています。
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しかし、なんと用事が出来てしまい、ラーメン屋さんに行けなくなりました。ガーン。そこで、仕方なく友達にサービス券を売ることにしました。この友人もラーメンは大好きです。彼は、私からサービス券を1000円で買ってくれました。お店で食べても1000円ですし、このサービス券なら卵とチャーシュー付なので、友達も何も文句はありません。
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ところが、この同じお店が、更にスペシャルなサービス券を販売してしまったら、何が起こるでしょうか?例えば、新しいサービス券は同じく1000円ですが、ラーメンが大盛、卵とチャーシューに加えて、のりとラムネもサービスで追加されます。めっちゃお得ですね。
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もしもこういうスペシャルなサービス券が後から出てきた場合、私の保有しているサービス券の価値が下がってしまいます。ラーメンを食べることはできます。サービス券が無効になったわけではありません。しかし、友達に売ろうとすると、友達は1000円では買ってくれないでしょう。何故なら、1000円を払えば、もっと充実したサービスの券が買えるからです。従って、友達は1000円では買ってくれず、700円なら買ってくれるかもしれませんね。
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つまり、後から登場した魅力的なサービス券の存在が、相対的に私が保有しているサービス券の価値を低下させたのです。
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そんなに難しい話ではありませんね。このラーメンとサービス券の関係を、国債と金利の関係で考えてみましょう。
5年間でクーポン(利率)が1%の国債を購入したとします。これが最初のサービス券だと考えてください。ラーメン+卵+チャーシューの券です。その後に、日本政府が同じく5年間でクーポン2%(利率)の国債を発行しました。その時の市場金利が上昇していたから、そのようなクーポンになりました。この新たな国債が、スペシャルなサービス券に該当します。実際に同じ期間を保有すれば、私の保有している国債の2倍の金利収入が得られるわけです。こうなると、私が保有している債券の相対的な価値は下がりますよね。誰かに売却しようとすると、私が購入した値段では買ってくれません。もっと良い条件の国債があるのですから。従って、私は購入時よりも安い価格で国債を売却する必要があります。1000円で購入したラーメンのサービス券を、700円で友達に売ったように。
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金利上昇するということは、新たに登場するサービス券の内容が良くなるということです。従って、以前の条件のサービス券の価値が下がるのです。国債の価値が下がるとは、国債の価格が下落するということです。従って、金利が上昇すると、債券価格は下落するということになるのです。
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小学生、中学生はこのイメージで理解しておけば良いでしょう。
金利と国債価格の関係に迷ったら、ラーメン屋を思い出してくださいね。
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