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【読書】思考の整理学(外山滋比古)その3

久しぶりに読んだ思考の整理学について、あらためてリマインドしたい項目のピックアップ、内容を参考にした自分なりのツール活用法などをまとめていたら、3回のシリーズになった。(だって長くて一気に書けないのよ)

◆バックナンバー
 ・「思考の整理学(外山滋比古)その1」
 ・「思考の整理学(外山滋比古)その2」

最後になった今回は「しゃべる」の項について。

以前から、人と話して「よかった」と思えるときと「話さないほうがよかったか?」と思うことがあり、その棲み分けがどうもうまくいかない。小さなことならいいが、自分のなかで大切なことほど、後悔先に立たずである。

それからもう一つ、わたしにとってはポッドキャストも「しゃべる」に含まれる。ポッドキャストなんてもんは一人で勝手にしゃべっているだけなんだが、なんとなく想定するリスナーが頭にあったりするし、テーマによって話しているときの感覚がちがったりするので、どういうテーマだと自分が楽しく更新を続けていけるのか整理したい。

「しゃべる」の功罪。

前回記事にも書いたように「思考を整理するためにしゃべる」というのは肯定的に捉えられることが多い気がするし、この本にもそのように紹介されている。

声は、目だけで見つけることのできない文章の穴を発見する。声は思いのほか、賢明なのであろう。

が、これはただの前置きにすぎず「何でも話してもよいとは限らない」というのが外山先生のご意見。

わたし自身、あまり何でも話すタイプではないのだが、思考自体が多いタイプなので、頭のなかでいろんな思考がぐるぐるまわったり、混乱してショートしてきたりすると、どうにもこうにも耐えられなくなって、おもむろに、そしてランダムに、考えていることを誰かに話してしまったりする。

あるときは向かう先のない迷路から抜け出すことができたり、それを機に新しいアイデアを得られたりもするのだが、あるときは「あれ?」とキョロキョロしたくなるほどあからさまに頭がフワッと軽くなった気がすることがある

それは子どものころ、おねだりの末やっと買ってもらった風船を、うっかり空に飛ばしてしまったときに似ている。さっきまで視界の端っこにあった風船が、ほんの一瞬目をはなしたすきに、見上げた空の彼方遠くにのぼっていく。小さくなっていく風船を見てはじめて、手の中にあったはずの細く不安定な紐を手放してしまったことに気づく。ほとんと実感もないまま、確かにそこにあった何かをなくしてしまったような感覚だ。

外山先生は、これを「頭の内圧がさがる」と表現している。

しゃべるというのが、すでにりっぱに表現活動である。それで満足してしまうのである。あえて黙って、表現へ向って内圧を高めなくてはならない。

そう。話してしまうと、もう戻ってこない思考というのもある。少なくともそれはちゃんと認識しておかないといけない。じゃ何だったら話していいのか???
外山先生によると「浮世離れたこと」

関係ない人と現実離れしたことを「しゃべる」。

気心が知れていて、しかも、なるべく縁のうすいことをしている人が集まって、現実離れした話をすると、触媒作用による発見が期待できる。(中略)たくまずして、話ははじめから脱線している。 脱線は脱線を誘発して、はじめはまつたく予期しなかったとこらへ展開して行く。

「浮世離れ」「縁のうすい」「脱線」らへんのキーワードを覚えておくと良さそう。

たしかに煮詰まっているときは視点が凝り固まっていたりする。そういうときに同じ視点を持った人と話しても同じように煮詰まるだけで、むしろまったく関係ない異なる視点を持った人と話しているときに妙案が出たりする。

前回記事でノートからノートへと書き写すことで思考を熟成したのと同様に、「しゃべる」ことで視点が変わったり視座が高くなったりするわけだから、なるほどけっきょくそうやって思考を「メタ化」しているというわけだ。

ポッドキャストのテーマも、メインの関心事となっている音楽やアート界隈じゃないほうが気分転換にもなるし、互いに触媒になりあってくれるかもしれない。

・・・。

ぜんぜん思い浮かばないけどw

ま、手帖やノートでいろいろネタを検討していくこととしよう。

まとめ

ちょっとセレンディピティ起きた!と書きたかっただけの「思考の整理学」との再会は、意味があったのかなかったのかこんなに長い長文のシリーズとなって、今回やっと完結。

1つ目と3つ目は、枕と尾ヒレみたいなもんだが、2つ目の記事はまぁまぁいい感じに頭も整理できて、とても充実したシリーズになったし、久しぶりに2日連続投稿できたのも良かった。

ただ、こんだけ力説したからといってこのやり方が自分に合ってるとか、どれだけ続くかとかはまた別の話ではあるので、あんまり気負わず楽しんでやってみようと持っている。やり方が変わっても、少なくとも「メタ化」のプロセスを持つという軸だけはしっかり学びとして心に刻んで、シリーズ完結。

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